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【害虫に注意】マダラ模様の「カツオブシムシ」衣替えシーズンのいま活性化!デング熱を媒介する「ネッタイシマカ」が怖い、感染研が大規模調査へ

解説

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衣替えシーズンの今、気をつけてほしいのが「カツオブシムシ」。体長2.5ミリほどで、5~6月に活動して30~70個ほどを産卵します。

◆幼虫が冬物衣類を食いちらかす

その卵は目視できないサイズです。厄介なのは体長4~5ミリの幼虫で、それがかつお節や煮干しを食べるほか、毛布や衣類も食べるというのです。予防はどうすればよいのでしょうか。

まずは洗濯物をとりこむ際に目でチェック。また、帰宅時には洋服をブラッシングして、目視で見える成虫がいれば落としてください。衣替えでしまう衣類は、洗った後、収納前に衣類用の防虫剤を用います。服の中でも、カツオブシムシが大好物なのが、『白色など明るい色』の服だということで、特に注意が必要です。

◆蚊が怖い存在… 感染研がネッタイシマカ大規模調査へ

WHOなどが調べた、「最も多く人間の命を奪う生き物」のランキングがあります。5位は犬で年間に1万7400人
4位はサシチョウバエで2万4200人
3位はヘビで6万人
2位はヒトで58万人
1位が『蚊』で年間に83万人の命を奪うという圧倒的な数です。

国立感染症研究所が今月にも大規模調査を行い、日本への流入経路を特定しようというのが「ネッタイシマカ」。そして昔から日本にいる「ヒトスジシマカ」も怖い存在です。なぜかというと「デング熱」を媒介するからです。

国立感染症研究所によりますと、デング熱は、感染から3~7日後に発熱し、体の痛みや食欲不振、腹痛があり、発症3~4日後からは発疹が現れます。英語では「BREAK BONE FEVER」とも呼ばれます。デング熱は昔は国内でみられなかったといいますが、コロナ以降が再度増えているデータが示されています。

日本で広がる経路は2つ考えられています。まずは蚊そのものが飛行機に乗ってきて日本に入ってくるケースです。もうひとつは日本を訪れた外国人がデング熱に感染しているものの潜伏期間で、気づいていない場合。その人を日本にいる蚊が刺して、その後、別の人も刺して、デング熱をうつしてしまうケースがあります。国立感染症研は今月にも、ネッタイシマカの大規模調査を行って、日本への経路特定を目指す予定だということです。

◆マダニ 致死率10~30%の「SFTS」が過去最多

そしてマダニにも注意が必要です。春から秋にかけて、活発に動きます。本来は山奥にしかいなかったマダニがなぜ昨今は、人里や街中で出てくるのか。実は、人里に現れることが増えたシカやイノシシが運んでいると考えられています。マダニは長時間吸血し10日以上血を吸い続けることもあります。

マダニを介する感染症は、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)といわれ、潜伏期間6~14日、発熱や食欲低下、嘔吐などの症状です。致死率は10~30%と言われています。SFTSの患者数は2023年133人で過去最多を更新しました。

マダニ対策は、咬まれないよう「長袖、帽子、首のタオルなどで肌の露出を少なくする」「足を完全に覆う靴を履く」「明るい色の服を着てマダニを目視しやすくする」などが挙げられています。

また咬まれたときは「無理に引き抜こうとせず、医療機関で処置してマダニを除去、肌の洗浄などをしてもらいましょう。さらにマダニに効くという成分(ディートやイカリジン)も明らかになっているので、必要な成分の殺虫剤を準備してください。

人間の歴史は、感染症とかかわりの深い歴史です。ある専門家は、「日本人は虫から離れた生活の時間も長く、油断して、おそれることを忘れがちではないか」とも指摘しています。(MBS「よんチャンTV」2024年5月8日より)

2024年05月10日(金)現在の情報です

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