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橋下徹氏「国内客とインバウンド客の二重価格はハッピー」別料金の意義主張 街の商店からは「差別につながるのでは」という意見も...

解説

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 いま注目されている「二重価格」。日本を訪れる外国人観光客には、日本人客よりも割高な価格設定をするものです。その二重価格について、5月9日(木)、弁護士で元大阪府知事・元大阪市長の橋下徹さんにMBS『よんチャンTV』で話を聞きました。

「役所的には推奨していないが…」世界では二重価格を導入している国もある

―――今年4月にオープンした「海鮮バイキング&浜焼きBBQ 玉手箱 (東京・渋谷)」でも二重価格が導入されています。外国人観光客向けの価格は、飲み放題もついて7678円(税込み)。日本人や在日外国人はそこから1100円割引の6578円(税込み)。不公平だと感じる人もいるようですが、橋下さんはどうお考えですか?

 「これね、二重価格はハッピーなんですよ。二重価格ということは、役所的にはこれあんまり推奨していません。京都で、市バスがもう大混雑になってるから、外国人だけ価格を高くして住民には安くしてということをやろうとしたら、やっぱり国の方から待ったがかかった。外国人に対して差別とまでは言わないが、やっぱり不快な思いをさせるんじゃないかということで、どうも日本はこの二重価格について、外国人だけ高くして日本人を安くするということには、何かちょっと『いいのかな?』って思いがあるのかもわかりませんが、二重価格っていうのはみんながハッピーになることなんですよ。もう世界各国でやってるところなんかも普通だしね。というのは、高い価格で売れるんだったら売った方がそのお店は儲かるじゃないですか。そのお店が儲かったら賃金が増えるわけじゃないですか。もうそれでいいわけですよ。ただ、日本人の人にはさすがにこの価格は高すぎるなということで安くしてくれるっていうんだったら、それまた日本人にとってハッピーだし。今ホテルも都心部の東京なんかもとんでもない価格で、日本人のビジネスマンがホテルに泊まれなくなったんですよね、東京の方に。だから、良心的なホテルがね、まあ良心かどうかは別としても、『外国人にはものすごい価格を取るけれども、日本人には通常価格でいいよ』と。誰がマイナスになるんですか、この二重価格」

外国人観光客と日本在住を見分けるには「マイナンバーカード」

―――いわゆる外国人に見えない人とか、留学生とか。外国人観光客とどう見分けるかという点は、橋下さんはどのように考えていますか?

 「ここで問題なのは、外国人の方に注目をして、『あなた外国人ですか?』っていうような確認の仕方は絶対やっちゃ駄目です。だってこれをやろうと思ったら、見た目とか髪の毛の色とか肌の色とか、これはもう今の国際社会では絶対やっちゃいけないんで。じゃあこの二重価格を判別するときにはどうしたらいいかというと、日本人の方に着目をして、それも見かけじゃなくて、マイナンバーカードですよ。見た目とかそういうことじゃなくて、身分証明書で。マイナンバーカードっていうものは、一定の要件を満たした外国人にも発行されますから、このマイナンバーカードでちゃんと日本に定住しているものだよっていうことを身分証明書で提示をして、割引にするっていうことであれば全く問題ない。ただ問題なのはね、提示するだけだったら、また今マイナンバーカードで問題になっているしょ、偽造で」

―――マイナンバーカード自体は、個人情報の紐づけ含め、今年に入ってからもトラブルが発生しているため、保険証のことも含め反対の意見はありますよね?

 「あるんだけど、今の世の中、例えばこの二重価格制度を使おうと思ってもね、やっぱり日本人、日本に定住している者の身分証明書っていうものが必要で、これを今まで目視をしていた。目で確認していたら、それは偽造カードとかが氾濫していたんだけど、デジタルになるとちゃんとカードリーダーで、これICチップが入ってるわけだから、写真とICチップでちゃんと本人かどうかってことが確認できるんですよ。今、問題になっているのは、携帯電話のショップでの身分確認でマイナンバーカードを出した際に、携帯電話のショップはICチップのリーダーをやってないから、偽造の携帯電話が氾濫してしまったわけ。そうじゃなくて、ちゃんと身分証明書、せっかくデジタルの身分証明書があるんだから、これをフル活用していこうっていう国になっていけば、二重価格制度とかこういうことも簡単にできるんだけどね」

インバウンドに二重価格…街の商店の意見は?

―――大阪の天神橋筋商店街にある商店のみなさんに「二重価格に賛成か反対か」を聞いたところ、「反対」の意見が多かったです。反対意見では「差別につながるのでは」「インバウンド客を見分けるのが難しい」「円高になったときどうする?」などがありました。橋下さんが述べている二重価格の目的というのは、オーバーツーリズムで頭を悩ませている地域商売への還元という意味か、外国人観光客を受け入れるインフラにもっとお金を使うという意味の二重価格、どちらのイメージですか?

 「二重価格の問題っていうのは、これはもう商売として儲けてもらったらいいわけです。インフラ整備とかは、これは観光税というまた別の名目で外国人から取ればいいわけで、これはあくまでも商売の話。やっぱり日本人の方はね『差別につながるのでは』っていうところで心配されていて、僕は日本人のこういう気持ちってのはものすごく大切で重要なことだと思うんだけれども、でもこれはやっぱりきちんとした商売で、取れるところからはしっかりと適正な価格を取るということは商売でやっていいということをやっぱ割り切った方がいいと思うんですけどね。ただ、どの番組に出てもね、一生懸命訴えたことと視聴者の考え方がずれることが多くて…。ちょっとどうかなと思っているところはあると思うんだけど、絶対これハッピーになるから、やることに踏み出してもらいたいですね」

2024年05月10日(金)現在の情報です

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