2025年05月27日(火)公開
斎藤知事「私は漏えいの指示していない」改めて否定 "知事の側近"が元県民局長の私的情報を漏えい...第三者委は『知事らの指示のもとに行われた可能性高い』
編集部セレクト
『斎藤知事指示の可能性高い』。兵庫県の“私的情報漏えい”で動きです。
元総務部長は県議3人に“口頭で漏らした”と認める
弁護士らによる調査の結果が5月27日、公表されました。斎藤元彦知事のパワハラ疑惑などを告発した元県民局長の公用パソコンに保存していた私的情報が漏えいした問題。いきさつを調査してきた県の第三者委員会は、元総務部長で知事の側近とされた井ノ本知明氏が、去年4月、計3人の県議に対して私的情報を印刷した資料を見せるなどして漏えいしたと認定しました。
報告書によりますと、当初、第三者委員会に対して漏えいを否定していたという井ノ本氏。しかし、今年2月に提出した「弁明書」で、一転して、県議3人と面会し口頭で私的情報を漏らしたと認めたということです。さらに、井ノ本氏は弁明書に、新たに次のような主張を付け加えていました。
『知事および元副知事の指示に基づき総務部長の職責として正当業務を行ったにすぎない』
斎藤知事と片山安孝元副知事から、漏えいの指示を受けたというのです。これを受けて第三者委員会は、その場に同席したという元幹部職員らに聴き取り調査を行ったということです。
元幹部職員は、元県民局長の私的情報について、斎藤知事から井ノ本氏に対し「議会に根回ししたらいいんじゃないかという趣旨の発言があった」などと証言。そして、片山元副知事も自身による根回しの指示を認めたということです。
斎藤知事は全て否定したということですが、第三者委員会は「知事および元副知事の指示のもとに行われた可能性が高い」と結論づけました。
(第三者委員会 工藤涼二委員長)「正直に言って、そういった結論を出すことが、社会的にどういうインパクトがあるかわからないわけではないので、1つの大きな決断だった」
県は井ノ本氏について、27日付けで停職3か月の懲戒処分を出したと明らかにしました。
斎藤知事「指示をしたという認識は全くない」「県政をしっかり前に進めていく」
第三者委員会に情報漏えいの指示を出した可能性が高いとされた斎藤知事。27日午後、次のように述べました。
「総務部長という要職にあった県職員が、懲戒処分に該当するという状況になりました。県民の皆さんの信頼を損なうものであります。組織の長として、誠に申し訳なく思っておりまして、深く県民の皆さんにお詫びを申し上げたいと思っております。2つの委員会の調査結果が出まして、県保有情報が漏えいしたことについて、保有文書を適正に管理すべき立場にある県として、元県民局長とそのご家族、そして関係者にご迷惑をおかけしたこと、さらには県民の皆さんに多大なご心配をおかけしたということを、改めてお詫びを申し上げたいと思っております。今後このようなことが起こらないように、改めて職員に対して情報管理の徹底を図っていくということで、県民の皆さんの信頼回復に努めていきたいというふうに考えております」
「私が漏えいについての指示をしたという可能性があるということも、指摘を委員会の方からされておりますけども、私としては改めて、漏えいに関する指示はしていないという認識に変わりありません。指示をしたという認識は全くございません。改めてお伝えをしておきたいというふうに思っております。ただ、県民の皆さんの信頼を損なうという状況にもなりました。組織の長として、誠に申し訳なく思っております。改めて皆さまにお詫びを申し上げたいというふうに思っております」
「今回の漏えいという事態が発生したということを踏まえて、私自身も組織の長として深く責任を感じております。今後、自らの処分についても検討してまいりたいというふうに考えています。(自身の処分内容は)具体的にはこれから検討になりますけど、給与のいわゆるカットというものも含めて検討していきたいというふうに思っています」
辞職する考えがあるか問われると…
「私の責任の取り方としては、やはり県民の皆さんに対して県政をしっかり前に進めていくということが、私の大事な役割だと思っています。県政を前に進めていくために、県民の皆さんにご理解そして信頼回復についても務めを果たしていきたいというふうに考えています」
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