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「ローマ教皇への直談判」など経て実現 豊臣秀吉の弾圧で処刑された信徒を描いた聖人画の大作 一部が94年ぶりに日本に"帰郷" 大阪で公開中

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 豊臣秀吉の弾圧により刑場の露と消えた、カトリック信徒らを描いた聖人画の大作の一部が、バチカンから日本に94年ぶりに“里帰り”しています。ローマ教皇への直談判なども経て実現したということです。(松本陸)

秀吉の命令で長崎で磔刑にされた26人の信徒や宣教師ら

 日本に“里帰り”し、大阪で一般公開されているのは、日本画家の岡山聖虚(1895~1977)が描いた「日本二十六聖人画」です。

 日本二十六聖人とは、1597年に豊臣秀吉の命令によって長崎で磔刑に処された、日本人のカトリック信徒20人と、外国人宣教師6人を指します。

 26人は京都・大阪・堺を引き回しにされたうえ、長崎まで徒歩で連行され処刑されました。1862年にローマ・カトリック教会から聖人に列せられています。

26人を等身大で描いた掛け軸 ローマ教皇への直談判などの末…

 カトリックの信徒だった岡山聖虚は、この26人ひとりひとりを等身大で掛け軸に描いた聖人画を制作し、1931年に当時のローマ教皇に献上しました。現在はバチカン美術館に収蔵されていますが、ヨーロッパの乾燥した気候による劣化も懸念されていました。

 カトリック大阪高松大司教区の関係者らは、2025年がカトリックの聖年にあたり、大阪・関西万博にローマ教皇庁も出展することも受け、修復や日本での公開を実現できないかと、2023年の秋からバチカン側と本格的に交渉。前のローマ教皇フランシスコにも直談判したということです。

 その結果、掛け軸26幅のうち「聖フランシスコ吉」「聖ディエゴ喜斎」の2幅をバチカン美術館が貸し出し、大阪市中央区の「大阪高松カテドラル聖マリア大聖堂」(カトリック玉造教会)で展示されることが決定。現在、一般公開されています。

 信仰をつらぬいた信徒らが丹念な筆致で描かれ、悲劇的な最期を遂げた信徒らが、独特の存在感をもって現代によみがえっています。

9月中旬まで展示

 カトリック大阪高松大司教区の前田万葉枢機卿は「とにかく目がしっかりしている。自分の信仰にしっかりと確信を持った“心の目”が印象に残る絵だ。なおかつ、ひげの1本1本まで繊細に描かれている。この2幅の絵が、“人権や信教の自由が保障されている時代が本当の平和”だということを考えるきっかけになればと思う」と話しています。

 大阪高松カテドラル聖マリア大聖堂での「聖フランシスコ吉」「聖ディエゴ喜斎」の展示は9月15日までで、観覧無料です。(火、木、土、日曜の午前10時~正午、午後3時~午後6時 ※月・水・金曜は原則観覧不可)

2025年07月26日(土)現在の情報です

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