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「何も生活も変わらず生きていることを心苦しく思う」"逆子"解消の手術後...胎児に重度の障害 家族が執刀医を刑事告訴へ

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 “逆子”を解消するための手術を受けた後、赤ちゃんに重い障害が残ったとして家族が警察に告訴状を提出しました。 宝くん3歳。お母さんの千鶴さん(36)に見守られ、笑顔を見せます。 (千鶴さん)「基本的に首も腰もすわっていなくて、歩くこともできないし、話すこともできないし、全介助なので大変なことはあるんですが、幸せを与えてくれる存在です」 千鶴さんは妊娠30週目の時、赤ちゃんの頭が通常とは逆の「上」にある状態、いわゆる逆子と診断されました。 逆子の場合、早産の可能性や出産が難しくなる恐れがあるため、千鶴さんは逆子を直そうと、「外回転術」という手術を受けることを選びました。 外回転術とは、妊婦のお腹の上から胎児の頭部とでん部を持って回転させ、逆子を矯正するものですが、リスクも伴うと専門家は話します。 (京都産婦人科医会 柏木智博会長)「外部から力を加えるわけですから、非常に危険な状態が生じる可能性もあるので、エマージェンシー(緊急事態)に対応できる設備があるところでやるのが原則です」 千鶴さんは京都第一赤十字病院で外回転術を受けましたが、逆子は直らず失敗に終わりました。 (千鶴さん)「赤ちゃんの心拍数のアラームも結構鳴っていて、どんどん不安になってきて、手術台でずっと寝転がっている状態で、果たして大丈夫なのかなって」 実は、お腹の中の宝くんには低酸素状態を疑わせる所見が何度も認められたといいますが、執刀医はすぐに緊急帝王切開に切り替えるなどの処置をとらなかったといいます。 2日間の経過観察の後、帝王切開で宝くんが生まれましたが、呼吸不全による“新生児仮死”状態で、脳の約9割の機能を失い重度の障害が残りました。 千鶴さんは7月10日、執刀医が適切な医療措置を怠ったとして、業務上過失傷害の疑いで京都府警に告訴状を提出しました。 千鶴さんによると、病院側は「『外回転術』から遅くとも3時間後には緊急帝王切開を行うべきであった」と、医療過誤を認めているということです。また、執刀医はすでに退職し、別の病院で働いているということです。 (千鶴さん)「(執刀医は)息子の人生を奪ったにもかかわらず、逃げるかのように病院を辞めた後、何も生活も変わることなく生きていること自体、心苦しく思います」

2024年07月10日(水)現在の情報です

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