2025年12月25日(木)公開
『SNSで自慢話』闇バイト強盗に狙われるかも?犯罪増える年末年始は"うっかり情報漏えい"に要注意!「うちのボーナスは...」飲み会の会話を聞かれることも
解説
22日に静岡で発生した強盗事件。複数の男が就寝中の80代の夫婦の手を縛るなどして、現金約1000万円を奪い逃走しました。 現場付近の防犯カメラには、事件の起こる前、約2時間半も周囲をうろついていた3人組の姿が。専門家は「緊張感・警戒心のなさという意味では“素人感”がある印象」として、“闇バイト”の可能性を指摘しています。 年末年始に増える強盗や空き巣。被害にあわないためにはどうすれば?元兵庫県警刑事部長・棚瀬誠氏と、犯罪学が専門の立正大学・小宮信夫教授の見解をもとにお伝えします。
「素人っぽさがみえる」闇バイトの可能性も…静岡の強盗事件

22日、静岡県長泉町で起こった強盗事件。深夜0時ごろ、会社兼住宅で寝ていた80代夫婦が粘着テープで手足を縛られ、現金約1000万円が奪われました。
今回の犯行について、元兵庫県警刑事部長・棚瀬誠氏は「素人っぽさがみえる。闇バイトかという映像も」と指摘。その理由として、自身で解くことができるほど粘着テープの縛り方が甘く、犯行の2時間半前から姿を現していて防犯カメラを意識していないことを挙げています。
また、防犯カメラの映像では、不審な3人組の1人の手元から“強い光”が出ていることから「実行役が指示役に写真で報告」している可能性を指摘。また、犯行現場から離れた場所に車を停めて徒歩で移動していることから、指示役が安全な場所で待機している可能性にも言及しています。
「うちの会社のボーナスは…」飲み会での会話を聞かれているかも?

犯行グループは1000万円の存在を知っていたのでしょうか?実は、“現金のありか”は意外な方法で知られることがあると言います。
例えば、居酒屋などで「うちの会社いまだにボーナスを現金で支給する」といった何気ない話を聞きつけるケースや、銀行の法人窓口から現金を引き出した人物を特定し、裏口から出てきたところを尾行するといったケースがあるそうです。
棚瀬氏によると、今後の捜査では「防犯カメラのリレー捜査で犯人を追う」ということですが、住宅街で防犯カメラの数が少なく、車で逃走している場合は捜査範囲が拡大するため、「時間がかかる可能性もある」と述べています。
ただ、2024年の強盗の検挙率は92.5%(1267件)だということで、犯人が捕まるのは時間の問題かもしれません。
“おとり捜査”で実行役を保護…警察の闇バイト対策とは?

こうした闇バイトを利用した強盗事件が多発したのは2024年。関東では、8月末から10月中旬にかけて10件以上の犯行がありました。
そこから約1年以上経った今年の12月5日、去年の事件にからみ、トクリュウ=匿名・流動型犯罪グループの男4人(20代)が逮捕されています。
警察が闇バイト対策として行っているのが「“道具”を減らす」ことだと棚瀬氏はいいます。例えば、銀行口座の凍結や、実行役の募集が行われるSNS上での啓発活動などが一定の効果をあげているようです。
また、首謀者たちにとって“使い捨ての道具”である「末端の実行役」についても、今年から運用している「仮装身分捜査」=おとり捜査で減らす試みがされています。警察が架空の身分証を提示して闇バイトに応募し、“仲間”の実行役を保護するという方法です。
2024年10月18日~2025年11月末にかけては、544人が保護されましたが、内訳を見ると、若年層の男性が目立ちます。
▼性別 男…74.8% 女…25.2%
▼年齢 10代…24.8% 20代…45.2%
警察庁は公式Xで「闇バイトに応募してしまった方へ」というタイトルの投稿で、「警察は相談を受けたあなたやあなたの家族を確実に保護します」と呼びかけています。
自慢話が致命傷に?SNSでの“うっかり情報漏えい”

帰省や旅行で家を空ける機会が増え、お年玉の準備など現金需要が増す年末年始は、犯罪が増える季節。郵便受けに郵便物や新聞をためない、明かりを遠隔点灯させる(スマート照明)など、「外出」を悟らせない工夫が必要です。
また、“うっかり情報漏えい”にも要注意。物色・下見・リクルートなど、犯行のための情報は主にネットで収集されるため、SNSの発信には気をつける必要があります。街頭や電話でのアンケートから、個人情報を聞き出されることも。
犯行グループがターゲットを探す時に利用するのが、人間の「自慢したい」という心理だそうです。「過去の成功体験」など、自尊心をくすぐる言葉を駆使して資産状況などを聞き出すケースもあると言います。
やはり「防犯カメラ」は有効!補助金が出る自治体も

そもそも泥棒を寄せ付けないために、人感センサーライトや防犯カメラを設置することも有効です。ケーブル不要・ソーラー電源など、工事不要のものやスマホ連動モデルなど様々な製品が出ていて、自治体によっては補助金が出る場合もあります。
犯罪者は逮捕リスクのある家には近寄らないため、「防犯意識が高い家」だと思わせることが重要なのです。
また、警察や個人のほか、防犯の担い手として重要なのが自治体や地域。例えば、職業ドライバーに深夜のコーヒー券を自治体が補助することで、犯行用の車を現場から離れて停めておく場所=「ホットスポット」をなくすことができると言います。
この例で言うと、コンビニの駐車スペースのうち“入りやすく見えにくい”死角となる場所に“人の目”が集まり、犯罪が抑止されるのです。
年末年始に向けて、まずは個人でできる対策を始めてみてはいかがでしょうか。
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