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【独自】「違法行為に加担しているのでは」布亀が業務停止中に"訪問販売"を強要か...元訪問販売員は職失う「怖くて次の仕事が見つけられない」 賠償求め提訴へ

解説

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 兵庫県西宮市に本社があり、“布亀の救急箱”で知られる「布亀」。配達先の訪問販売で認知症の高齢者らと契約を結んでいたということで、去年9月までの6か月間、訪問販売に関する業務の一部を停止するよう消費者庁から命じられていました。 しかし、布亀で業務停止命令の期間中に訪問販売をするよう強いられていたとの訴えがあがっています。訪問販売員をしていた女性が12月26日に賠償を求めて大阪地裁に提訴する方針です。 会社で何が起こっていたのか。どのようないきさつで現在の状況に至ったのか。取材した担当記者が解説します。解説:森亮介(MBS記者/前大阪行政キャップ/これまで万博や京アニ事件、実父から性的暴行を受けた女性などを取材)

成績不良を理由に契約を解除された「布亀」元販売員のAさん

「布亀」に対して訴えを起こすのは、元販売員のAさんです。

 Aさんは「布亀」の主力事業である牛乳や乳製品の宅配の新規契約や配達を行う訪問販売員でした。「布亀」との契約は1年ごとで毎年更新する形だったということですが、去年12月、6か月間の契約期間を残しながら成績不良をほのめかされ、「やる気が見えない」などとして突然契約を打ち切られたたということです。

ーー契約上様々なルールがあると思われますが、突然辞めさせられるということはあるですか?

(森亮介記者)「Aさんの契約を見ますと、『布亀』が臨時に解約することもできたという契約になってはいます。しかしAさんによると、解約にあたっての書面等は何もなく、手続きが踏まれていないと主張しています」

6か月間の行政処分中、業務制限に違反して新規勧誘を行ったか

 「布亀」は去年、80代や90代の認知症高齢者らと判断力の不足に乗じて契約を結んでいたことから、6か月間(3月27日~9月26日)業務停止命令の行政処分出ていました。訪問販売に関する業務の一部停止の命令を受けていました。

 この期間中にはAさんのような「布亀」の訪問販売員は業務制限されています。

■できないこと:訪問販売先での勧誘 申込受付 契約締結
■できること :既存客への商品の配達など

ーー行政処分中に「できること・できないこと」をAさん自身は把握されていたのでしょうか?

(森亮介記者)「当初は上司から『(勧誘などを)やってこい』ということでその言葉を信じ込んでやっていたわけですが、徐々に『違法行為に加担しているのではないか』という気持ちになり、精神的にも追い込まれていたということです」
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 業務停止命令中の大阪府内の営業所では、▼営業所内の販促ポスターや、▼契約成立時に作成する資料も置かれたままだったということです。また、Aさんの顧客からは「停止期間中も勧誘を受けた」との証言も出ています。

 また、Aさんの顧客からは「Aさんから業務停止中も営業を受けた」との証言も出ています。

ーー業務停止命令中でも会社が組織的に勧誘を促していたようにも見えますが?

(森亮介記者)「会社から『問題ないからやってこい』などと言われた、との話が元販売員・現役販売員から聞かれましたが、同様の証言は他にも寄せられています」

 訪問販売で新規契約はできないという状況であるはずなのに新規契約を促すような実態が実際あったのかどうか。今後調査が進められるものとみられます。

「布亀」は回答なし 業務停止命令違反には刑事罰の可能性も

「布亀」側の主張については22日MBSが書面で事実確認を求めましたが、これまでに回答はありません。

「布亀」の訪問販売員だったAさんは、精神的苦痛を受けたことなどに対する賠償を求めて26日に大阪地裁に提訴するということです。

ーーー争点としては「布亀」が違法な業務を強いていたのかというところになるわけですか?

(森亮介記者)「その部分を『布亀』がどのように反論してくるのかというところです」

ーー業務停止命令中の訪問販売は刑事罰を受ける可能性もあるということですが?

(森亮介記者)「今回の命令は特定商取引法違反に基づくものです。命令に背いた事実が確認された場合は、同法に基づき、会社だけでなく指示を出した個人に対しても刑事罰が科される可能性があります」

 今後、「布亀」側がどのような主張をするのか。引き続き注目していく必要がありそうです。

2025年12月25日(木)現在の情報です

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