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知っておきたい「いまどき葬儀事情」9日先まで予約が埋まる!?増える"火葬待ち"遺体安置のドライアイスは1日1万円 "待ち"での追加費用はどれくらい?

解説

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 高齢化が進み、死亡する人が増加していく「多死社会」の傾向は2040年ごろまで続くと考えられています。 実はすでに、火葬場が足らず、葬儀までに何日も待たされるという事態も起きているそうです。また、「思っていたより葬儀にお金がかかってしまった」というようなトラブルも起こっているといいます。 私たちが直面する「多死社会」のリアルを、葬儀・お墓・就活コンサルタントの吉川美津子氏の話を交えて解説します。

関東では「約9割が4日以上遺体安置」多死社会で増える“火葬待ち”

厚労省によると、年間死亡者数は2040年にピークを迎えると予想されています。その数は165万人。この時期は、団塊の世代が90代を迎えるタイミングでもあります。

日本が“多死社会”へ向かっているなか、今、葬儀で問題になっているのが「火葬待ち」です。特に深刻なのが、関東。亡くなってから火葬までの日数が、関西と関東で違っているというデータもあります。

<関西>
▼2日後まで 52%
▼4日後まで 39%
▼5日後以降 9%
<関東>
▼2日後まで 12%
▼4日後まで 40%
▼5日後以降 48%
※鎌倉新書「第6回お葬式に関する全国調査(2024年)」

関東では、9割近くが4日以上遺体を安置しなくてはならない状況で、火葬待ちの深刻さがうかがえます。

葬儀屋がPC前で予約待ち!?

 大阪市によると、「普段から火葬場の予約はほぼ埋まっている状態」。火葬の予約は早い者勝ちで、深夜0時ちょうどにスタートするため、葬儀屋がパソコンの前で待機しているという状況のところもあるそうです。

 また、「それでも通常は亡くなって3~4日で火葬を終えられているが、今年1月には9日先まで予約が埋まった」という事例もあるということです。

“火葬待ち”が長くなる時期がある?

 葬儀・お墓・就活コンサルタントの吉川美津子氏によると、火葬待ちの原因としてまず考えられるのが、「火葬場の炉の数の不足」です。「関東では都心よりもその『周辺地域』で火葬待ちが発生しやすい状況」で、都心から離れると、隣接する市などが火葬場を自前で持っていない場合も。

 また、冬は死亡者数が多くなるため火葬待ちが長くなりやすく、 年末年始は火葬場の稼働状況がまちまちで、長く待つことがあるということです。

自宅・安置所・介護施設…遺体安置の費用は?

 火葬待ちが増えると問題になるのが「遺体の安置」。安置する場所によって費用が変わってきます。

▼自宅
⇒ドライアイス代 1日約1万円(約20kg)
▼遺体安置所(寺・病院・葬儀場など)
⇒個室タイプ 1日2万円~3万円程度
⇒棚タイプ  1日5000円~1万円程度
+それぞれ別途ドライアイス代
▼介護施設
⇒施設により安置費用がかかる場合も
+別途ドライアイス代

 一方、吉川氏は「火葬待ちには十分にお別れの時間が取れるという良い面もある。その時間をどう過ごすか考えておいてほしい」と指摘しています。

葬儀業界の人手不足 2つの理由とは?

 葬儀業界の人手不足も“多死社会”で問題となっています。2024年12月時点の有効求人倍率(経産省資料より)は、全産業で1.35倍。一方、葬儀関連(葬儀師・火葬師)は7.59倍という数字が出ています。

 吉川氏によると、葬儀業界が人手不足になりやすいのは、いくつかの要因が考えられると言います。

 1つ目が、宗教・慣習が違う外国人スタッフの雇用が難しいという点。2つ目が、中小・零細企業が多くデジタル化が遅れているという点です。葬儀業は事業所の7割が従業員9人以下(経産省「経済センサス活動調査」)で、業務の効率化が難しい状況に置かれています。

 特に人手が手薄になりがちなのが、「夜間の受付業務」。葬儀依頼の約60%が夜間に発生(鎌倉新書より)するということですが、終活サービスを提供する「いい葬儀 鎌倉新書」が今年8月、葬儀業者の「夜間受付代行サービス」を開始しました。宗教・宗派による段取りの違いなど、葬儀知識を習得したスタッフが24時間対応してくれるということです。これにより、葬儀業者のスタッフの負担軽減・離職率低下につながることが期待されています。

やはりお金…いまどきの葬儀トラブル

 最後に、葬儀トラブルについて見ていきます。吉川氏によるとやはり多いのは、お金の話。90年代後半~2000年ごろにかけ、葬儀業界では料金の透明化が進み、「見積もりと請求額が違う」といったトラブルは減ってきたそうです。

 しかし、最近目立つようになったのが、インターネット広告などで「格安」をうたう会社のトラブル。見積もりを取ってみると追加料金がかかり高額になった例もあるそうです。

 一般的な葬儀の流れと必要になる可能性のある追加費用は次のとおり。

▼搬送⇒距離によってかかる場合も
▼安置⇒ドライアイス代 日数・場所による 
▼納棺⇒棺桶の種類(木材の種類・彫刻の有無など)
    遺体のケア(化粧・エンバーミングなど)
▼通夜・葬儀告別式⇒祭壇・供花のグレードアップなど
▼出棺⇒霊柩車の種類・火葬場までの送迎距離による
▼火葬後⇒骨つぼのグレードアップなど(焼き物の種類、形、入れ物など)。

葬儀トラブル避けるため「生前の準備」を!

 葬儀トラブルを避けるためには、「生前の準備」が大事だと、吉川氏は指摘します。具体的には…

▼見積もりをできるだけ厳密に取る
・実態に近い参列人数
・追加費用が必要か
▼近所の葬儀業者3社に説明を聞く
・葬儀には地域性がある
・3社聞けば相場がつかめる

 今のうちから準備をするのが良いかもしれません。

2025年11月10日(月)現在の情報です

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