2025年09月22日(月)公開
「休んでも回復しない」それ"秋バテ"かも?急に涼しくなって食欲不振・頭痛などの症状が...今日からできる「自律神経をサボらせない」予防法とは?
解説
長くて暑かった今年の夏。統計開始以降で最も早い梅雨明けとなり、平均気温は平年の基準値から+2.36℃を記録するなど、晴れて高温の日が続きました。一方、急に涼しくなるこれからの時期に要注意なのが「秋バテ」です。 様々な体の不調につながる秋バテのメカニズムや予防法とは?済生会横浜市東部病院・患者支援センターの谷口英喜センター長への取材をもとに、詳しく解説します。
通常の疲れとは異なる「秋バテ」とは?
秋バテとは、秋特有の気候の変化で起こる“バテ”のこと。通常の疲れとは異なり、「休んでも回復できない状態」になるのが特徴です。秋バテが回復しないと、病気にかかるリスクも…
秋バテになると、主に次のような症状があらわれるといいます。
▼疲れやすさ
▼食欲不振
▼睡眠の質低下
▼頭痛・肩こり・関節痛
▼精神的な落ち込み
20代以上の男女1000人を対象に行った調査(大正製薬 2025年8月)によると、約6割が秋バテを感じているといいます。
秋バテはなぜ起こる?不調につながる3つの“変化”
いま秋バテに注意しなければいけないのは、季節の移ろいによる「気温」「気圧」「日照時間」の変化が影響しているためだといいます。
気温や気圧の変化は、無意識のうちに体温・血圧などを調節する自律神経の乱れにつながります。変化が大きいと自律神経が疲れてしまい、腸内環境が乱れ食欲が落ちて栄養状態が悪化したり、睡眠の質が低下したりして、疲れや免疫低下にもつながります。
また、秋になって日照時間が短くなると、日光を浴びると分泌される“幸せホルモン”=セロトニンの分泌量が減少します。また、“睡眠ホルモン”=メラトニンは、日中に分泌されたセロトニンが夜に変化することで作られるため、セロトニンが不足するとメラトニンも十分に分泌されず、睡眠の質が低下します。
「自律神経をサボらせない」秋バテ対策とは?
免疫低下、肌のハリ悪化、うつ状態などにつながる秋バテ。予防のポイントは「自律神経をサボらせない」ことだと済生会横浜市東部病院・谷口英喜センター長は話します。
自律神経に良い刺激を与えることが肝心だということで、具体的な対策は次のとおり。
▼朝のルーティン
・朝日を浴びてセロトニン分泌
・運動や深呼吸
・水を1杯飲んで胃腸を刺激
⇒寝ている間にサボっていた自律神経を整える。
▼夜はお風呂
・温度はぬるめ(38~41℃程度)
・10分程度
・寝る2時間前に入浴
⇒入浴で上昇した体温が元に戻っていくことで、入眠効果が高まる。
食べて幸せ&睡眠ホルモン分泌!おすすめ秋バテ予防フード
秋バテ予防におすすめの食材はサンマ・サバなどの「青魚」だと谷口医師は指摘。オメガ3脂肪酸(EPA・DHA)が多く含まれ、“幸せホルモン”=セロトニンの分泌を促進します。また、疲労回復効果のあるタウリンもとることができます。
ヨーグルトなどの「乳製品」もおすすめです。腸内環境を整えるのに役立ち、“幸せホルモン”=セロトニンや、“睡眠ホルモン”=メラトニンのもとになるトリプトファンも含まれています。
なお、日常生活に影響がある場合は、秋バテではなく、気象の変化による体の不調=「気象病」の可能性も考えられます。その場合は自己判断せずに、医師の診断を受けるようにしてください。
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