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【墓じまいのトラブル】離壇料だけで300万円!?"永代じゃない" 永代供養!?お墓はつくるよりしまう方が大変...知っておきたい手順・費用など徹底解説

解説

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 1年で一番“お墓”について考える時期が、お盆休み。帰省した際、お墓参りをする人もいるかもしれません。ただ、近年増えているのが「墓じまい」。家族や親族のお墓を撤去・返却する人が目立ってきています。 なぜお墓の需要が減っているのか?墓じまいにかかるお金は?コストがかからない方法は?起こり得るトラブルは?行政書士・ファイナンシャルプランナーの松尾拓也氏、正覚寺住職・鵜飼秀徳氏への取材も含めて、墓じまいについて解説します。

10年で約2倍…墓じまいが増えるワケ

 近年急増している「墓じまい」。厚労省によると、墓じまいを含む改葬の年間件数は10年前の約2倍。2023年度で16.7万件となっています(厚生労働省 衛生行政報告例)。なぜ墓じまいが増えているのか。行政書士・FPの松尾拓也氏は、次の理由が考えられると言います。

 <墓じまいが増えている理由>
 ▼家族の形の変化
 ▼墓じまいの報道・身近な体験談の増加
 ▼経済的理由
 ▼“ご先祖さま”とのつながり希薄化

 ほかに影響が大きいのは「長寿化」。大往生で亡くなった場合、葬式・墓などは比較的簡素になる傾向があるそうです。また、施設で過ごす期間が長くなり、“送る側”の子どもも高齢になり施設に入るなど、お互いのつながりが薄れてしまうことも、墓じまいが増えている理由の1つだそうです。

離壇料が300万円!?墓じまいのトラブルあれこれ

 「墓じまいは新しく墓をつくるより時間も手間もかかる」と話す松尾氏。というのも、墓じまいとは今の墓から新しい納骨先へお骨を移動することを言いますが、その際、3つの証明書を手に入れる必要があるのです。

 (1)「埋葬証明書」を今の墓の管理者から取得
 (2)「受入証明書」を新しい納骨先から取得
 (3)「埋葬証明書」「受入証明書」を役所に提出→「改葬許可書」を取得

 証明書を取得するだけで一苦労ですが、さらにその間、トラブルが起こる恐れもあると言います。

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 <墓じまいトラブル・その1>法外な「離檀料」
 (80代女性)「墓じまいを寺に申し出たら、約300万円の離檀料を要求された。払えないと言うと、ローンを組めると言われた」
 (70代女性)「過去帳に8人の名前が載っているので700万円かかると言われた。不当に高いと思う」
 このような相談が国民生活センターには寄せられています。国民生活センター・自治体などに相談すれば、話が先に進むことがあるということです。

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 <墓じまいトラブル・その2>“永代”供養の勘違い
 寺院の合同墓で“永遠に供養”するというのが、「永代供養」の本来の意味ですが、樹木葬・納骨堂などでは、“永代”と言いつつ、17回忌まで・33回忌まで・50回忌までなど期限付きの契約もあると言います。

「30万円~300万円程度」墓じまい費用はピンキリ

 墓じまいには、どれくらいお金がかかるのでしょうか?費用の総額の目安は「30万円~300万円程度」だと言います(お仏壇のはせがわによる)。納骨方法などによって金額は変わってきますが、内訳は次のとおり。

 ▼今の墓を撤去⇒23万円~50万円程度
  離壇料・閉眼供養・撤去費用
 ▼新しい納骨先⇒8万円~260万円程度
  納骨先費用・お布施(寺院の場合)
 ▼行政手続き⇒数百円~1500円程度

 一般墓の平均購入金額は「平均155.7万円」で、内訳は、墓石(工事費含む)が100.1万円、土地の使用料(区画代金など)が47.9万円(出典:株式会社鎌倉新書「いいお墓」より 「第16回 お墓の消費者全国実態調査」)。正覚寺住職の鵜飼秀徳氏によると、国産の墓石を使った場合、外国産の倍程度の値段がかかると言い、そのほか約1万円の年間管理費がかかってくるということです。

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 ちなみに、ほかのお墓・納骨の方法と比較すると…
 ▼納骨堂⇒平均79.3万円
 ▼樹木葬⇒平均67.8万円
 (出典:株式会社鎌倉新書「いいお墓」より 「第16回 お墓の消費者全国実態調査」)

 なお海外では、森などに遺体の入ったカプセルを置き数年で分解させて土に帰す「きのこ葬(オランダ)」や、バクテリアなどが入った特殊なカプセルに遺体を入れて分解させる「コンポスト葬(アメリカ)」など、 “エコな埋葬方法”も取り入れられています。

「一番安く抑えられるのは手元供養」

 「費用のことだけ考えると、一番安く抑えられるのは手元供養」と鵜飼氏は指摘します。日本では、お骨を家に置くことは“仮置き”として認められていて、一番コストがかからないと言います。一方で、遺骨をどんどん入れていけるため、「家族で墓を持っておくことが、結局安くつく場合もある」という考え方も。

 最近では、「“縁の薄い遺骨”をどうするか」が社会問題化しつつあり、「家に置くのは嫌だけどお金をかけたくない」という状況に置かれている人もいるそうです。電車の網棚の上に火葬証明書のない遺骨が置いてあった、商業施設のトイレに遺骨が流されていた、といった例も。

 お盆休みの帰省の際など、家族でお墓について話し合ってみてはいかがでしょうか?

2025年08月11日(月)現在の情報です

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