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【ガソリン】野党7党が暫定税率廃止法案を提出「こんなに野党がまとまるのは珍しい」「選挙を前に対立軸を示したのは意味ある」マイナス15円は実現する?自民側は「あまりに唐突な提出」

解説

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6月11日に発表されたレギュラーガソリンの価格は、政府が先月から実施している補助金制度の効果もあって前週より2円以上値下がり、1リットルあたり172円20銭となりました。7週連続の値下がりです。いっぽう同日、立憲民主党、日本維新の会、国民民主党など野党7党は、ガソリン税の「暫定税率」を来月1日から廃止する法案を提出しました。"暫定的"な上乗せぶんが廃止されると、現在の価格より、さらに15円ほど下がると見られています。

きっかけは「自公国」3党合意

暫定税率をめぐっては、去年12月に自民、公明、国民民主の3党協議で廃止することを決めましたが、合意文書には、『いつ廃止するか』は明記されませんでした。

党首討論では、立憲の野田佳彦代表が「地方生活にとっても大事なことだし、物流コストを下げることにもなる」と述べると、石破総理が「問題は、国・地方あわせて1兆5000億円。この財源をどこに求めるべきかと7党は考えているのか」と返します。自民の森山幹事長は、「あまりにも唐突な提出」と述べ、代替財源の確保やガソリンスタンド、流通への影響を考慮すれば、2週間で廃止することは「とてもできる話ではない」と批判しています。

複雑なガソリンと税金の内訳を知る

ガソリン価格の内訳をみます。レギュラーガソリン1リッター180円とした場合の内訳は、▼世界の原油価格によっても変動する本体価格が123.4円で、▼税金が56.6円。そしてこの両方に消費税がかかります。

次に税金部分の内訳は、▼温暖化対策税0.76円、▼石油石炭税2.04円、▼ガソリン税本則税率28.7円と、▼暫定税率25.1円の計53.8円になります。

暫定税率は、道路整備のため1974年に制定された税率で、50年以上あり続けています。この暫定税率を廃止しようというのが野党の動きです。もし野党案が成立すれば、いま補助を受けている状態の価格から、さらに15.1円下がるイメージです。

「踏み絵を踏ませる」

今回の提出は、自民・公明・国民の3党が合意した暫定税率の廃止案が原点にあります。合意をしながらも具体的な動きを見せない与党に対し、立憲民主の野田代表が「踏み絵を踏ませる」と表現したように、野党7党が共同で7月1日開始の暫定税率廃止法案を提出しました。野党が与党に、「何してるの、早くしてくれ」と突きつけた、ということでしょう。

これについて、ジャーナリストの立岩陽一郎氏は、以下のような視点で話しました。

「道路を整備するためのお金は目的税ではないと言っても、基本的にこれを使ってるわけです。高度経済成長のときに造った道路は、今いろんな場所でひずみを生んでいるので、どうするのかという議論や、7党が合意した以上は、そこも考えて答えは欲しいです。いっぽう、今の日本ではあらゆる道路を直して、我々が無駄な工事ではないか?と感じる工事があることもみんなが知っている。だから与党が言う額などにも眉に唾つけて聞かないといけない。本当に必要な道を直すっていうなら、実は1.5兆円もいらないかも知れない。そういう議論が本当は欲しい」(ジャーナリスト・立岩陽一郎氏)

6人獲得できれば衆院通過の可能性?

今後、暫定税率廃止法案は衆議院を通過するのか、というところが一つの肝になってきます。過半数233のうち、野党7党合わせて227ですので、無所属など9人とれいわ9人から6人獲得できれば、衆院通過の可能性も見えてきます。

政治取材歴の長いジャーナリストの武田一顕氏は、「こんなに野党がまとまるのは珍しい」とし、「立憲と国民が中心になって働きかけた結果」だと話しています。

ただ先行きについては、「与党が過半数を持つ参議院で否決される可能性」があるとし、理由について、▼国民民主の支持率が落ちていること、▼自民は米政策がうまくいっていること、▼対アメリカ政策も表面上うまくいってるように見えるというプラスポイントがあるため、「ガソリン減税をやらなくても選挙には影響がない」と判断しているのではないかとみました。

いっぽう立岩氏は、「選挙があることをみんながわかってる中で、与党と野党が対立軸を示したことは意味があり、我々がそれを選べばいい。仮に、参議院で与党が否決したとしても、それを基に、我々はまさに参議院選挙をするわけですから、わかりやすいと思います」と解説しました。

2025年06月13日(金)現在の情報です

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