2025年03月27日(木)公開
【備蓄米もうすぐ出回る?】店頭に並ぶのは2023・24年度産「特別古いわけではない」 価格は「スーパーではそんなに安く売られないかも...」と専門家【解説】
解説
止まらないコメの価格高騰。農林水産省によると、3月10日~16日に全国のスーパーで販売されたコメ5kgあたりの平均価格は前の週より95円高い4172円で、11週連続の値上がりとなりました。こうした中、農水省は26日、備蓄米の2回目の入札を始めていて、今回は7万tが対象。1回目に放出した備蓄米14万tの流通は始まっているとみられています。JA全農は、スーパーなどに備蓄米をブレンドしたコメが本格的に並ぶのは4月以降になるとの見通しを示しましたが、気になる価格は?通常のコメは安くなるのか?日本米穀商連合会の相川英一専務らへの取材を含めてまとめました。
11週連続値上がりが続くコメの価格
農林水産省の資料によりますと、3月10日~16日のスーパーでのコメ5kgあたりの平均価格は4172円。11週連続で値上がりしていて、去年3月と比べると約2倍となっています。
政府が放出した「備蓄米」。初回の入札は14.2万トンで、その9割以上をJA全農が落札しました。スーパーなどに本格的に並ぶのは4月以降とみられていて、早ければ来週以降に並ぶのではないかということです。また、3月26日には2回目の入札(7万トン)を開始しました。落札業者への引き渡しは4月中旬を予定しているということです。
混乱を防止のため「備蓄米」と明記せず店頭へ?
「備蓄米」は店頭でどのように売られるのでしょうか。JA全農によりますと、流通の混乱を避けるため「備蓄米」と明記せずに売ることを求めているということです。
日本米穀商連合会の相川英一専務は、消費者が買うときに「備蓄米」を区別する方法は無さそうだといいます。ただ、「備蓄米」といっても、特別古いわけではないとのこと。初回入札の備蓄米のうち約10万トンほどは2024年産(店頭に並んでいるコメと同じ)で、約5万トンは2023年産(店頭に並ぶこともある)だということです。
消費者が買う備蓄米はそんなに安くはならない?
気になるのは「備蓄米」の値段。初回の「備蓄米」の入札は玄米60kgあたり平均価格は2万1000円あまりです。
相川英一専務によりますと、この取引価格は“少し安め?”程度だということです。また、銘柄や産地がバラバラで通常のコメにブレンドするパターンも多くなりそうだといいます。ただ、スーパーなどで備蓄米はそんなに安く売られないかも…というのが相川専務の見解です。初回入札では41品種、2回目入札では35品種のコメが入っていますが、どのコメでブレンドするかによって価格は変わるのではないかということです。
「通常のコメも安くなることは期待しすぎないほうが…」
備蓄米が出回ればコメの総量が増え、結果としてコメの価格が下がるのでは?と期待したいところですが…食品スーパー「フレッシュマーケットアオイ」の内田社長に聞くと「まだ仕入れられそうな気配はなく、備蓄米の倉庫は東日本なので西には来ないというウワサまで…」と話します。
相川英一専務によりますと、「西に来ないことはないと思うが、スーパーに並ぶ備蓄米は非常に限られると思う」といい、「備蓄米が出ることで通常のコメも安くなる的なことも期待しすぎないほうが…」ということです。
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