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夏休みのフェリーで見える人間模様『親子で冒険』『両脇を支えられた大学生』『60代夫婦の思い出』期間限定航路の旅

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 兵庫県洲本市(淡路島)と大阪府岬町の深日港を結ぶ期間限定のフェリー「深日洲本ライナー」。通常なら車で片道2時間半~3時間ほどかかるところを、約55分で行くことができます。便数は1日4往復で、始発は午前8時の深日発、最終は洲本発の午後6時55分。片道料金は大人1500円・小学生500円・自転車300円です。今回、取材班は「深日洲本ライナー」の始発から最終までを1日取材しました。どんな人たちが乗っているのでしょうか?

親子で150kmの自転車旅「アワイチ」へ!

 午前7時の大阪府岬町・深日港。
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 出航30分前、発券所に最初にやってきたのは1組の親子。友居真志さん(36)と和輝くん(8)です。淡路島を自転車でぐるりと一周する「アワイチ」に挑戦するのだといいます。

 (和輝くん)「淡路島1周。(Q何でするの?)自転車」
 (真志さん)「距離150kmくらいですかね。1泊してなんですけど走ってきます。夏休みなんで1個冒険したいなというのでチャレンジしてきます」
 (和輝くん)「いつも夏、自転車で行っているの」
 (真志さん)「そやな」
 (和輝くん)「(Qきょう走るんや。どう?)楽しみ」

 8歳で150kmも走るなんて、すごいね。乗客の5人に1人はサイクリスト。淡路島は人気があるようです。

「海水浴」「城めぐり」乗船の目的は様々

 午前8時に出航した第一便の乗客は30人。夏休みということで故郷へ帰る人や観光を楽しむ人が多いようです。船内で話を聞きました。

 (乗客)「きょうは大浜海岸という海水浴場に遊びに行きます。泊まりで。(Qどこに泊まるんですか?)安いホテルに」
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 乗客の黄達さん(35)は1週間前から城めぐりのスタンプラリーを始めたそうです。
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 (黄達さん)「大和郡山城と宇陀松山城です。きょう洲本城行って、和歌山城行って、岸和田城行きます。(Q洲本城もう見えてません?)あれです」
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 目標はスタンプ200個。洲本城に行ったら9つになるそうです。

明石海峡大橋などにより利用者が減り“期間限定”の運航に

 深日-洲本航路は約70年前の1948年に開設されました。当初は車が積める大型フェリーでしたが、明石海峡大橋ができたことなどで利用者が激減。現在は夏~秋の期間限定で運航されています。
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 操縦するのはこの道30年のベテラン・岸本武志船長(55)です。

 (岸本武志船長)
 「(Q波の状況とかはどうですか?)きょうはいいですね。今のところ。(Qこの辺りの航路って運転は難しいですか?)そうですね。紀淡海峡の出入りしてくる大型船を横切っていかないとダメなので、そのへんは気を遣っていますね」
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 (親子でアワイチに挑戦する友居真志さん)「あ~上陸や」

 第一便が無事、淡路島に到着しました。「アワイチ」に気を付けていってらっしゃい。

1人で乗船する小学生「おばあちゃんの家に行く」

 午前10時半、岬町から淡路島への船に1人で乗船した女の子がいました。山川優芽さん(11)です。

 (山川優芽さん)「おばあちゃんの家に行きます。(Q淡路島におばあちゃんが?)はい。(Qいつもひとりで行くの?)いつもではないけれど、船が出るときは行くってなる感じ。お姉ちゃんは船が酔うから苦手で、妹は『ママと一緒に行きたい』と言うから、だから1人」

 まだ11歳だけどこうして1人で乗るのも3回目。もう慣れたものです。
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 船を降りると、おじいちゃんが迎えに来ていました。

 (祖父)「そりゃやっぱり嬉しいわね、孫が来てくれるというのは。この子はほんま行動力があるからね。ちょっとご飯でもええもんを買って帰りますわ」

 小学生最後の夏休みを楽しんでね。

ツーリング中に足をつるハプニング…大学のサイクリング同好会

 午前11時45分、折り返しの淡路島から岬町への便の出航時間が迫る中、あわてて1人で2台の自転車を押す男性がやって来ました。
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 その後ろには両脇を支えられながら自転車に乗ってやって来る人の姿が。

 (サイクリング同好会の大学生)「(Q大丈夫ですか?)ちょっと足つっちゃったみたいで」

 彼らは立命館大学のサイクリング同好会。ギリギリで到着してなんとか乗り込むことができました。大阪の茨木市から淡路島までツーリングしていた時に足をつるハプニング。心配した船のスタッフが氷を手渡します。
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 (足をつった大学生)「あーやばい、痛い。めっちゃ痛い」
 (サイクリング同好会の大学生)「(Qどのあたりでつったんですか?)ラスト10kmから15kmくらいのところで」
 (足をつった大学生)「(Q足つったまま来たんですか?)つったまま来ました。みんないたので。仲間がいたので」

 1時間しばしの休憩をへて岬町に到着。
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 (足をつった大学生)「(Q帰れますか?)頑張って帰ります」

 茨木市まであと80km、仲間に支えてもらいながらゴールを目指します。
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 この日は合計117人が乗船しました。午後になると乗船客はわずかに。

最終便に乗船した60代夫婦「僕は船の通信士になりたかった」

 午後7時、淡路島から岬町への最終便に乗り込む60代の夫婦。中川善通さん(69)と千代美さん(66)です。
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 (千代美さん)「主人がね、この船に乗りたいからね」
 (善通さん)「それだけの目的やけれども」

 船には特別な思いがあるといいます。

 (善通さん)「僕は学生の頃、船の通信士になりたかったんで、その学校も行っていたんですけれども、家庭の事情で乗れなかったです」
 (千代美さん)「その思いがずっと残っているんです。私も結婚してね、モールス信号取れと言われて、モールスの無線の免許を取らされたんです。新婚時代『ツーツートトト』とかずっと勉強した」

 2人で全国各地の船に乗ることが今の楽しみです。

 午後8時、最終便が到着しました。

 (岸本武志船長)「お疲れ様です。(Qとりあえず一安心ですかね?)そうですね。まだ明日もあるんですけれどもね。やっぱり喜んでもらえればこちらとしてもやりがいがある」
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 最初の便が出航してから12時間以上、たくさんの思い出を運んだ深日洲本ライナーの1日が終わりました。

 深日洲本ライナーの運航期間は11月27日までの毎週土・日・祝で、お盆期間は毎日運航。運航状況や予約は公式ホームページをご確認ください。

2022年08月09日(火)現在の情報です

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