2026年01月14日(水)公開
【なぜ今?】維新の"勝つまでジャンケン"か...都構想の民意問う『大阪ダブル選挙』"国保逃れ"など不祥事隠す狙いも?「維新代表としてメディアに出られるのも反則では」とジャーナリスト・武田一顕氏
解説
突如浮上した、大阪の吉村知事・横山市長の「出直しダブル選挙」。維新の関係者によりますと、2人は2月にも実施の可能性が浮上している衆院選にあわせて辞職し、出直し選挙に臨む意向を固めたということです。「大阪都構想」の実現に向けた3度目の住民投票を実施するために、選挙で民意を問うことが目的とされています。 2度否決された都構想をいま持ち出すのは妥当なのか?なぜ今のタイミングなのか?そこには、解散総選挙に向けた維新の“ある狙い”があると専門家は指摘しますが…今回の「出直しダブル選挙」について、法政大学大学院・白鳥浩教授の見解をもとに解説します。
都構想“勝つまでジャンケン”!?吉村氏は過去に「挑戦することはもうありません」と発言も…

出直し選挙に臨む意向を固めた吉村知事と横山市長。任期はともに2027年4月までですが、辞職を検討しているということです。
その背景について、横山市長は「大阪都構想の実現に向けて民意を問う必要があるという議論のなかで、選択肢となっている」と説明しています。
これまでに2度、住民投票で否決された大阪都構想。2度目の否決後、2020年11月に吉村氏は「僕自身が大阪都構想に政治家として挑戦することはもうありません」と話していました。
<大阪都構想 過去の住民投票>
▼2015年5月
賛成:49.6%
反対:50.4%
▼2020年11月
賛成:49.4%
反対:50.6%
2度、僅差で否決されてきた都構想。しかし、副首都構想の法案をまとめた2025年9月には「3回目の挑戦なら民主的なプロセスが必要。大阪の将来を考えたら都構想は絶対必要」と発言。再び意欲を見せています。
ここでいう“民主的なプロセス”=今回のダブル選挙 というのが維新の言い分とされていますが、果たしてこのやり方は妥当なのか?後出しジャンケンならぬ「勝つまでジャンケン」ではないのか?勝つまで続けることは民主主義と言えるのか?そもそも選挙にはお金がかかる、など否定的な意見も出てきています。
有権者は1つの政策だけで首長を選んでいるわけではありません。大阪都構想という1つの政策=ワンイシューで知事・市長選挙を行うことに正当性があるのか、という疑問も生じかねません。
「国政で“埋没”しないため」解散総選挙と同日に実施か “国保逃れ”など隠したい思いも?

また、気になるのが選挙の時期です。2月実施の可能性が浮上している衆院選と同日に実施する狙いだといいます。なぜこのタイミングなのか?
法政大学大学院・白鳥浩教授は「維新が国政で“埋没”しないため」と指摘。国政選挙と同日に行うことで「メディアに露出できる」というメリットを挙げています。
また、藤田共同代表の“政治とカネ”の疑惑や所属議員の“国保逃れ”といった「不祥事を“隠したい”思い」があるのではとの指摘も。吉村知事の支持率が高い大阪でダブル選挙を戦い、“禊”を済ませたいのではという見立てです。
定数削減が進まないなか…「維新の代表としてメディアに出られるのも反則では」

一方、ジャーナリスト・武田一顕氏は「維新は存在感や実績を出せていない」と指摘。連立入りしたものの、その条件としていた議員定数削減も進んでおらず、自民に埋没している…そんな状況で、今回大阪で存在感を示したいのではと見ています。
また武田氏は、「吉村氏が維新の代表としてメディアに出られるのも反則では」と指摘。大阪の選挙に出る吉村知事が、国政政党である日本維新の会代表としてメディアに出ることの是非を問うています。
現行の法律では「地方自治体の首長が国政政党の党首を兼ねる」ことを想定しておらず縛りはありませんが、公平性に欠けるのでは、という意見です。
自民市議団「知事選につきあう必要ない」

大阪府・市ダブル選挙をめぐっては、各党から批判的な意見が出ています。まずは自民党内の声です。
▼自民党大阪府議団幹事長・鹿田松男府議
「副首都法案が不透明な状況の中、“出直し選”は理解できない。なぜ今のタイミングなのか疑問がある」
▼自民市議団
「知事選に再度出るとなったら、つきあう必要がない。府連も思いが一緒」
自民党大阪市議団は緊急で会議を開き、吉村知事が知事選に横山市長が市長選に出馬する出直し選の場合は、対立候補を擁立しない考えを固めています。
「“民意を愚弄している”という声も」野党からも批判の声

次に野党の声です。
▼立憲民主党大阪府連副幹事長・山田健太府議
「衆院選も急で候補者がそろわない中、選挙ができるのか。驚きをもって受け止めた」
「過去の住民投票を軽視している。“民意を愚弄している”という声もいただいている」
▼公明党大阪市議団幹事長・西徳人市議
「民意そっちのけで選挙を道具にしている。衆院選を優位に戦うための策だ」
▼共産党・辰巳孝太郎衆院議員
「連立を組んでも成果がない。国保逃れから目をそらすために都構想を争点化したいのでは」
これまで「反自民の受け皿」(武田氏)となっていた大阪の維新。連立入りした今、「維新にも投票したくない人」の票はどこに行くのか?「15日(火)夕方までに結論を出す」としている吉村知事の動向に注目が集まります。
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