2026年01月13日(火)公開
「自民党へ通告しなかったという意味でも"だまし討ち解散"」ジャーナリスト武田一顕氏が指摘 高市総理の「衆院解散検討」報道 国会追及を逃れるための「高支持率勝負」? 立憲・公明の協力は...
解説
「高市総理が23日召集予定の通常国会冒頭に衆議院を解散することを検討している」という衝撃的なニュースが永田町を駆け巡っています。報道から数日が経過する中、いまだ沈黙を続ける高市総理の真意はどこにあるのか。MBS『よんチャンTV』に出演した政治ジャーナリストの武田一顕氏は、この動きを「だまし討ち」と指摘。政界に広がる動揺の背景と今後の見通しについて言及しました。
自民党への事前の通告もない「だまし討ち解散」…?

武田氏によると、今回取りざたされている解散の検討を事前に把握していたのは、木原官房長官とごく少数の幹部のみだといいます。
武田氏:「自民党の麻生太郎副総裁や鈴木俊一幹事長も知らなかったといいます。自民党への事前の通告をしなかったという点でも『だまし討ち解散』と言えるでしょう」
党への根回しが一切なかったとされる今回の事態に、武田氏は党重鎮の心情をこう推察します。
武田氏:「麻生氏は激怒しています。選挙をするのは政府ではなく政党である自民党なのになぜ教えないんだ、と」
国会追及を逃れ「高支持率勝負」か
なぜ、今このタイミングなのか。背景には、通常国会での激しい野党の追及を逃れる側面があるといいます。
武田氏:「国会が始まると不都合なことが追及される。旧統一教会の問題で自民党の議員について新しい問題が出ているほか、高市氏自身にも『政治とカネ』の問題が浮上しています。これが予算委員会で追及されるでしょう。今、JNNの世論調査でも内閣支持率は70%台後半と非常に高い。しかし、これが長続きすることはあり得ないので、支持率が高い間に選挙をやってしまおうという算段です」
「高市人気」は地方ではあんまり…?自民にとっては公明不在の『大勝負』

一方で、武田氏は自民党が抱える「皮算用」の危うさにも言及します。
武田氏:「政党支持率を見ると、自民党への支持はあまり上がっていません。また、『高市人気』は地方での選挙につながっておらず、きのう(12日投開票)の前橋市長選挙や伊東市長選挙でも自民党が推す候補は負けました。高市人気が地方の選挙に直結していないのが現実。そしてもっと大事なことは、今回は公明党とその支持母体の創価学会の票をあてにできない。これがどう出るか、まさに大勝負になります」
自民党内の情勢調査では「260議席確保」という数字も出ているといいますが、武田氏はその見通しについても懐疑的です。
武田氏:「その(260議席という)皮算用だが、公明党なしの選挙は約26年ぶりで、それを今の情勢調査に当てはめることはできず、極めて読みにくい」
解散の「大義」はあるのか?説明責任をめぐる“整合性”

では、本当に解散総選挙が行われるとして、この選挙に大義はあるのでしょうか。この点については、高市総理として初めて国民に信を問う、また自民・維新の連立(閣外協力)について信任を仰ぐ位置づけであるとみられます。
武田氏:「高市さんは自民党員に選ばれただけなので、自分が総理にふさわしいかを問うという意味では『解散の大義はある』。ただこれまで主張していた『経済の成長を実感してもらう』など、これまでの主張との整合性が問われる。また、金曜(9日)深夜に“解散報道”が出てから一度も高市総理は説明していない。何日も経っているのに説明できないというのは、なかなか納得が得られないでしょう」
詰まる政治日程 今日明日中にも何らかの発表ある?

今後の政治日程についても、韓国の李在明大統領に続きイタリアのメローニ首相の来日が控えており、綱渡りの状況が続きます。
武田氏:「解散総選挙は大きな政治イベントであり、お祭りですから『はい解散します、明日投票です』というわけにもいかないわけです。公示期間もあります。そうすると、高市総理が早いうちに表明しないと大わらわになります。早ければ伊・メローニ首相が帰国したあと17日に表明か、あるいは19日に表明かという説も出ています。19日であれば(通常国会の召集予定まで)4日しかないのでいろいろな点で間に合いませんし、すでに『だまし討ち解散』と言われている以上、何かを言わないと…私は今日明日にも何らかの表明があるかもしれないと見ています」
2026年度予算案、年度内成立は「きわめて困難」

予算案の年度内成立についても、厳しい見通しを示しました。通常国会の冒頭で解散すれば、2026年度予算案の審議が止まり、期限内の成立は危うくなるとみられます。
武田氏:「最短の2月8日に投開票された場合、自民党が大きく勝てば成立させられると言っている人もいますが、私は日程的に厳しいと思います。しかも参議院は依然として少数与党のまま。国民民主党と組む話がうまくいっていたようだったのに、いま玉木代表は解散に怒っているから参議院でもめるだろう。なので、冒頭解散の場合は年度内の予算成立はきわめて困難だとみています」
立憲・公明が急接近 野党の協力は進むか

一方の野党はどう反応しているのか。立憲民主党の野田代表と公明党の斉藤代表は、次期衆院選に向けて「高いレベルで連携のあり方を検討する」ことで合意したといいます。また、国民民主党の玉木代表は「とにかく経済後回し解散はまずい」と自身のSNSで発信しています。
武田氏:「特に公明党は困っています。小選挙区で公明党の票だけで通るところはほぼないとみられるので、どうしても立憲の協力が必要になる。立憲民主党の議員に聞いたところ、選挙区によっては『自分たちの候補を降ろして応援してもいい』というところまで譲歩しているそうです。ただ、今まで自民を応援していた支持者に『立憲に入れてください』とお願いして票が入るかどうか。また、立憲の議員が創価学会の票が欲しくて『比例は公明』と言えるかどうか。このあたりがポイントになります」
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