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橋下徹氏「定数削減や副首都構想のゴールは『道州制』なんです」維新がこだわる2つの政策の裏側語る 「吉村さんは定数削減の話にエネルギーを割きすぎ。"ストーリー"を語って議論を起こして」

解説

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 2026年の高市政権が本格始動しました。通常国会が1月23日に召集方針ですが、議員定数削減など日本の政治・大阪の政治には去年から持ち越しになっている事案も少なからずあります。そんななか、大阪の政治は「超超ドタバタ劇」になるとの見方も…元大阪府知事の橋下徹氏は今後の政治をどのように見ているのか?徹底的に話を聞きました。

橋下徹氏「玉木氏は上手。吉村氏は“バカ正直”なほど一途」

 かつて日本維新の会の代表を務めた松井一郎氏は、MBSの番組に出演した際、自民党を「鵺(ぬえ 何でも飲み込み骨抜きにする妖怪)のような党だ」と評しましたが、通常国会の召集を控えた今、維新・自民、そして国民民主党をめぐる連立の動きが取り沙汰されています。

 国民民主党・玉木代表と、日本維新の会・吉村洋文代表(大阪府知事)。去年、MBSの番組にそれぞれ出演した2人の主張は、国会議員の定数削減を巡って“すれ違い”を起こしていました。

 定数削減はセンターピンだと主張する吉村代表が「玉木氏はかつて定数削減に賛成していたのに…」と述べた一方、玉木氏は「中身が決まっていない法案を提出し、成立しなかったら1年後に自動的に45議席削減、という案にはのれない」と慎重な姿勢を崩しませんでした。

 橋下氏は、2人の相性について「元々合いそうだったんだよね。僕が電話番号交換のキューピット役をやって、『仲良くやってよ』と言ったくらいだから」と話した上で、吉村代表について「もっと腹黒になったらいいんじゃないの」といいます。

 (橋下徹氏)「吉村さんは“できた人”で、どれだけ批判されても包容力がある。でも、政治には『腹黒さ』が必要。玉木さんはそこがうまい。高市早苗さんとの距離感を保ちながら政策を実現しつつ、自民党が一番嫌がる『政治とカネ』の問題では厳しいことも言う。吉村さんは一直線だから、高市さんと組むとなったら高市さんを大応援してしまっている。玉木さんはやりやすいですよ。高市さんが『うん』と言えば、吉村さんの同意を取る必要がない状況なので」

 「僕が思うところは、吉村さんは2026年は定数削減などよりも『副首都法案・大阪都構想の住民投票』に力を割くことなんじゃないですか。でもそうは言い切れず、国会議員のことを考えていろいろな政策を言いすぎてしまい、ポジションが(定まっていない)」

 高市総理が納得すれば3党連立もあり得るのか?という問いに対しては、「玉木さんは、連立に入るのがいいのか、この距離感がいいのか、そこはうまく見ていると思います」と述べました。

定数削減と副首都構想の先にある「ゴール」とは

 維新が掲げる「国会議員の定数削減」と「副首都法案」。この2テーマにこだわる理由は何なのでしょうか。橋下氏は、これらはあくまで「手段」であり、その先にある“本来のゴール”を語るべきだと指摘します。

 「定数削減で吉村さんが言っているのは『身を切る改革で姿勢を示して、国民の嫌がる改革をするためのメッセージだ』とか、副首都も『東京のバックアップ機能』と言われているんですけども、これらのゴールは『道州制』。維新が元々一番の柱にしていたのが道州制で、今の47都道府県を9~10ぐらいにまとめ直すということなんです」

明治以来のシステムを変える「道州制」のメリット

 橋下氏が言及した「道州制」。現在の国・都道府県ではなく、例えば“関西エリア”という一つの「道」や「州」にするものです。国は外交・安全保障などに集中し、保育・教育・雇用・環境・防災などは各エリアで対応します。

 「47都道府県は明治時代や大正時代、昭和の前半は良かったけど、今はシステムとして機能していないのではないかと。例えば熊対策をしたくても、秋田県ではお金がなくて熊の専門部隊を作れない。東北州がもしできたら、お金や権限ができる」

 「国際情勢が激しい状態になっているから、国会議員や首相はもっと外交・安全保障など国家運営に集中して、保育所や給食など国内的な問題は、道州に任せたらいいじゃないかと。そうすれば国会議員の仕事が減るので、それほど議員数はいらない、というのが定数削減の本来の意味なんです」

 「副首都法案は、副首都が一つとは言っていないんですよ。まさに道州の都がそれぞれ副首都。ただ、吉村さんは大阪都構想を副首都の条件にやっているけど、僕はそれは違うでしょうと。他の地域でも副首都になれるようにしないといけないと思う。道州制がゴールであって、それに向けての定数削減や副首都法案ですが、そこのストーリーが今見えていない」

中野雅至教授「道州制は10年前のレベルの話」

 一方で、神戸学院大学の中野雅至教授は「道州制は時代に合わない」と、違う見解を述べます。

 (中野雅至教授)「雇用や教育を地方がやればいい、それは正しいと思います。問題なのは有事。例えばコロナ禍の時に、緊急事態宣言を出せず地方とずれたわけですよ。その後、緊急事態宣言を出せるように地方自治法を改正してわざわざ中央に権限を戻している。もう一つは産業政策を道州がやるかどうか。例えば今、半導体やAIでは、投資金額や研究者のレベルが中国ともアメリカとも全然違うわけです。今日本は必死になって半導体に巨額の投資をしていますが、それは道州レベルではできない話。だから(道州制は)10年前のレベルの話だと思う」

 これに対して、橋下氏は…

 (橋下徹氏)「それは役割分担をどう作るか。産業は半導体や宇宙やAIではない。99%が中小企業で、国会議員が中小企業の支援まで行うのは無理なんです。韓国は半導体をどんどん企業合併で集約化させていったわけなので、そういうことは国がやる。今は大規模なものも中小企業も全て国がやることになっているから、そこは役割分担をしていけばいい」

 「吉村さんは定数削減の話にエネルギーを割きすぎたので、通常国会もその話ばかりになってしまいます。そうではなく、こうした物語を語って議論を起こしてもらいたい」

増税ではなく…国民にお金を使ってもらう仕組みを!

 経済界では万博レガシーの活用やIR開業への期待が高まっています。そうした中で橋下氏は、「国民の懐に手を突っ込む増税」ではなく「お金を使ってもらう仕組みを作ってほしい」といい、一案として「交際費の上限引き上げ」をあげています。

 多くの企業で「ひとりあたり1万円」と決まってる接待・交際費。企業が行う接待はひとり1万円以内なら全額損金計上できるためです。

 「国会議員は税金のかからないお金で無制限で飲み食いしているけど、国民にはすごく厳しい枠をはめている。(交際費の上限引き上げで)飲食店も好転するのかなと思います。ただこれで日本経済が良くなるということではなく、国民にお金を使ってもらい、そこから国にお金が入るような仕組みを考えてほしい。その一つがIR。2030年開業のIRは、約5600億円の売上のうち1100億円を大阪府・市に毎年納付させるんです。そして約500億円を府と市が折半して、医療・教育・福祉に回すんです」

 「あと、外国人観光客から入国税を取るべきです。日本全体が巨大なテーマパークのようなもの。1人3万~4万円取っても、これだけ安心・安全でご飯がおいしい国なら支払ってくれますよ。何でもかんでも増税や社会保険料アップという発想はやめるべきです」

2026年、大阪は「超超ドタバタ劇」が確実?

 最後に、橋下氏は2026年の大阪政治について「超超ドタバタ劇」になることが確実だと指摘。

 「吉村知事の任期満了(2027年4月)を控え、副首都構想の奥にある『大阪都構想の3回目住民投票』を吉村さんは確実に行うと思います。ただ、実は独自情報によると、大阪市議会、維新の内部でも『やる・やらない』で意見が割れています。吉村さんはまず維新の内部をまとめられるかどうか。維新内部の大混乱に政府も巻き込まれ、超ドタバタ劇になる。賛成・反対いろいろな意見も出てくるので、そういう意味では“良いドタバタ劇”になると思います」

2026年01月06日(火)現在の情報です

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