2025年10月03日(金)公開
【どうなる携帯料金】各社"値上げ合戦"の中、なぜ楽天モバイルは『値上げしない宣言』できる? スマホは"どの機能を求めるか"で二極化時代へ...あなたは新品派?中古派?
解説
今や生活の必需品となっているスマートフォンなどの携帯電話。実は大手各社の携帯料金がジワリと値上げしています。その一方で、楽天モバイルは9月30日、“逆張り”ともいえるプランを発表。また、スマホ本体でも「価格の二極化」が進んでいるということです。 今後、携帯料金は値上げが続くのか?そして、日本人のスマホ選びにも新たな傾向が?スマホ/ケータイジャーナリスト・石川温氏への取材を含めてまとめました。
「携帯料金」値上げ合戦が始まる
各社、サービスを付帯するなどしているものの、値上げの動きを見せています。
▼docomo(6月5日~)※価格は税込み
利用料無制限プラン 月額8448円(1000円以上値上げ)
スポーツ配信サービス「DAZN」見放題
「Amazonプライム」最大6か月実質無料 など
▼KDDI(8月1日~)
使い放題プラン 7788円(330円値上げ)
スターリンクの利用
海外でのデータ使い放題(月15日) など
▼Y!mobile(9月25日~)
最安プラン
4GB→5GBに増量も
基本料金は2365円→3058円へ(約3割値上げ)
値上げの主な理由は、電気代・コスト・人件費の高騰です。
2020年、菅義偉総理(当時)が「日本の携帯料金は高すぎる」と各社に料金の見直しを要請し、通信料が4割近く下がるということがありました。スマホ/ケータイジャーナリスト・石川温氏によると、値下げした料金は「各社にとって経営的に大きな負担。直後の決算では、収益が大幅に減少した」ということです。
KDDI・ソフトバンクは3年で回復することができましたが、NTTドコモはいまだに値下げの影響を解消できていないということです。KDDIやソフトバンクは、2020年より前から少しずつ価格のプランを増やしており、格安プランを準備していました。しかしNTTドコモは、要請があってから動き始めたということで出遅れたため、こうした違いが生じているということです。
格安プランを提供できるようになった背景には、人件費削減のためにショップ経由ではなく、オンライン専用プランを導入した点があるといいます。
楽天モバイルは『値上げしない宣言』
そんな中9月30日、楽天モバイル・三木谷浩史代表取締役会長は「我々は低価格・無制限を継続します」と、値上げしない宣言をしました。
発表したのは最強UーNEXTというプラン。10月1日~4か月間、ギガ無制限+動画配信サービスUーNEXT見放題を合わせて月額3278円(税込み)、他社と比べても非常に安くなっています。
楽天モバイルはなぜ低価格にできるのか?石川温氏によると、新規参入というところが大きいということです。
▽電気代削減
AI制御で利用が少ない時間帯には電力消費を抑え最適化することで電気代を削減。大手キャリアは元々大きな設備があるため難しい。
▽設備コスト削減
従来は高価な通信機器が必要だったが、楽天はサーバー上で通信ネットワークを構築。
▽安価で構築できる
世界中のメーカーの機器を柔軟に組み合わせることができる
一方で、電波塔が少ないため、通信がしづらい場所があるところもデメリットとしてはあるということです。
楽天モバイルは9月25日時点で、契約数930万件ですが、年内目標として1000万件以上に増やしていくということです。
“iPhone”信者が減っている?
スマートフォンの本体については、二極化が進んでいるといいます。
iPhoneシェアは、2019年1月は78%でしたが、今年8月は57%まで下がっています(StatCounterより)。石川温氏によると、日本では当初、大手3社がこぞって大幅割引を行った結果、普及が加速。しかし割引がなくなってきて値段が高いことや、革新性が薄れてきたことなど、珍しさが薄れてきたことなどでiPhone離れが進行しているということです。
また、「9万円の壁」という言葉があり、スマートフォンを1台買うときに10万円を超えてほしくない消費者が多いことから、メーカー側は価格を抑えながら高機能製品を開発しているということです。
あなたは新品?中古?スマホは二極化時代へ
そうした中、中古市場ではiPhoneが圧倒的人気です。できるだけ安くiPhoneを買いたいという人が増えてきているということです。
新品スマホが年間約3000万台出荷されているのに対し、中古スマホはその10分の1、約320万台販売されている状況です(MM総研調べ)。iPhoneは流通量が多く在庫が豊富、2年使用でも高値で売れる点がこの人気につながっているということです。
中古スマホを選ぶときの注意点を石川温氏に聞きました。
中古スマホには業界統一基準が設置されていて、状態によってランク分けされています。
A 傷や使用感がほとんどない
B 多少の傷や使用感がある
C 傷などが目立つ
また、重要なのは「バッテリー残量」。90%以上が理想で、80%を切ると実用性が下がります。そのため、こうした情報が記載されたタグを確認することが中古スマホを買う上で重要だということです。
毎日ゲームや動画を楽しむ人はハイスペック機能を選び、メールやLINEなどの連絡、インターネットがあればいいという人は、安価な機種を選ぶ傾向があり、二極化してきているということです。
アプリのアイコンがなくなる!?スマホの今後
スマートフォンは今後どうなっていくのでしょうか。
石川温氏によると、AIとの融合で操作が不要になっていくそう。アプリのアイコンはなくなり、AIが裏で自動操作するためシンプルな見た目になっていくということです。メーカー側は、人に寄り添い行動を先回りして支援するスマートフォンの開発競争をしているということです。
石川温氏によると、“自分を一番知っているのはスマホ”となっていき、「すべて知られることへの不安や怖さはあるが慣れていくだろう」といいます。
今後のスマホ料金については「値上げは一旦落ち着く見通しだが、電気代高騰などで将来的に、再度見直しの可能性がある」ということです。
また、携帯料金だけ見ると高くなっていると感じると思いますが、キャッシュレス決済など“経済圏”の活用をするとお得な場合があります。
▼docomo
d払い、dポイント
▼au
au PAY、Ponta
▼ソフトバンク
PayPay、PayPayポイント
▼楽天
楽天ペイ、楽天ポイント
など
皆さんもこの機会に、改めて携帯料金を見直してみてはいかがでしょうか?
2025年10月03日(金)現在の情報です