2025年09月18日(木)公開
【NTT通信障害】"スマホしか使わない人"も無関係じゃない!火事・救急の「119番通報」つながらない時どうする?2022年にはKDDIで『61時間25分』の通信障害も
解説
9月16日にNTT西日本で発生した大規模な通信障害。午後3時45分ごろ~午後4時36分の約50分間、京都・大阪の全域と兵庫の一部地域の固定電話、最大227万契約が通話できない状況になりました。 専門家から見た今回の通信障害の原因とは?今後の対策は?早稲田大学・内田真人教授の見解をもとにお伝えします。
「119番がつながらない」意識不明の52歳男性が…

9月16日にNTT西日本の通信障害が起こったエリアと回線数は次のとおり。固定電話や、光回線を利用した「ひかり電話」にも影響しました。
▼大阪 ⇒ ひかり回線:最大約79万契約 固定電話:最大約81万契約
▼京都 ⇒ ひかり回線:最大約26万契約 固定電話:最大約27万契約
▼兵庫(一部)⇒ ひかり回線:最大約6万契約 固定電話:最大約8万契約
この間、兵庫・伊丹市で緊急通報にも影響が出たのではないかと思われる事案が発生しました。
▼午後4時20分ごろ
⇒市内のリサイクル会社で男性従業員(52)が意識不明の状態に。
▼午後4時22分
⇒社長が携帯電話で「119番通報」をするも(尼崎市の通信指令センターに)つながらず。
▼午後4時26分
⇒社長が「110番通報」して(神戸市の兵庫県警本部に)つながる。
▼午後4時37分
⇒通信障害が解消された後、警察が消防に連絡し、救急車が出動。
▼午後5時42分
⇒搬送先の病院で男性従業員(52)が死亡。
通報の遅れと男性の死亡、その関連性は分かっていません(9月17日時点)。
「基幹設備に問題が起きた可能性」二重化など対策されているが…

119番通報の仕組みを確認します。火事や救急の際に119番通報をすると、大阪の場合、大阪市消防局の指令情報センターにつながります。
そして、その指令情報センターは、住所が特定でき、ある程度の現場状況が分かった時点で、現場に一番近い消防車・救急車に指令を行います。
NTT西日本の担当者によると、今回障害があったエリアでは緊急通報の“受け側”はNTTの回線を使っていたということです。
これについて、早稲田大学・内田真人教授は「今回はアクセス回線ではなく、地域を束ねる『基幹設備』に問題が起きた可能性。重要設備は二重化など対策がされているが…」と指摘しています。
今年度末の運用開始目指す「事業者間ローミング」障害時に別キャリアの回線利用

2022年7月には、携帯電話・スマートフォンのトラブルが発生しました。
KDDIの“通信障害”が61時間25分続き、au・UQモバイル・povoなど、データ通信765万人以上、音声通話約2278万人に影響。緊急通報が利用できないケースもありました。
このトラブルを受けて、総務省は「事業者間ローミング」の検討を進めています。
これは、利用するキャリアの障害時に、別キャリアの回線を利用するというもので、通信障害時の緊急通報など、今年度末の運用開始を目指すということです。
普段当たり前のように使っている通信サービスですが、トラブル発生の可能性もある中で、もしもの時にどうやって家族と連絡を取るかなど、事前に対策を考えておく必要があるかもしれません。
2025年09月18日(木)現在の情報です
