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「典型的な関係希求型ストーカー」犯罪心理学から見る谷本容疑者の動機・人物像「女性を追いかけること自体に...」【神戸女性刺殺事件】

解説

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 8月20日、神戸市のマンションで女性の胸などをナイフで刺し殺害した疑いが持たれている谷本将志容疑者。 MBSが入手した事件2日前の映像からは、被害女性の後ろを谷本容疑者が追う様子が確認されました。また、防犯カメラ映像を独自解析したところ、事件発生までの3日間で少なくとも50回、女性の勤務先の近くを歩く姿も確認され、執拗さがうかがえます。 犯行の動機は何だったのか?谷本容疑者の人物像は?筑波大学・原田隆之教授(犯罪心理学)の見解も交え、犯人像に迫ります。

「非常に珍しいケース」知らない相手にストーカー行為

 被害女性について「全く知らない人」と供述していた谷本容疑者ですが、事件2日前に女性に目をつけていたとみられることが明らかになりました。改めて谷本容疑者の供述を見ていきます。

 (谷本将志容疑者の供述)
 「事件の2日前、勤務先近くで歩いている女性を見つけ、好みのタイプの女性だと思って後をつけて、勤務先ビルに入っていくのを確認した」
 「勤務先近くで女性が出てくるのを待ったり、朝に出勤するのを見ていた」

 この行動について筑波大学・原田隆之教授は「見知らぬ女性と関係を築きたい目的で追いかける、典型的な“関係希求型ストーカー”」だと指摘。

 ただ、ほとんどのストーカー行為は何らかの人間関係(恋愛関係など)がある相手に対して行われますが、今回の谷本容疑者のように、全く知らない相手に対してストーカー行為に及ぶのは非常に珍しいケースだということです。

 また、「当初は殺害目的ではなかったと考えられるが、なぜ殺害に至ったかは不明」だと述べています。

【犯行の動機】なぜ居住地の東京から神戸へ?

 過去にもつきまとい行為を繰り返していた谷本容疑者。3年前には神戸市内の女性につきまとってマンションに侵入し、首を絞めるなどしたとして殺人未遂容疑で逮捕、執行猶予付きの有罪判決を受けていました。さらに、5年前にも別の女性のマンションに侵入し、つきまとい行為を4回繰り返したとしてストーカー規制法違反などで罰金の略式命令を受けています。

 谷本容疑者の犯行の動機について原田教授は、「女性を追いかけること自体に性的興奮・楽しみを感じていたのでは」と指摘します。

 勤務先が東京であるにもかかわらず、神戸で犯行に及んだ理由については「東京に馴染めなかったのではないか」。また、谷本容疑者が過去に神戸で働いていたことから、「土地勘のある神戸の女性に愛着を感じていたのではないか」と推測。「土地勘のある場所で犯罪を犯すのは自然な流れ」と話しています。

防げなかった再犯…容疑者の人物像は?

 また、谷本容疑者の人物像について原田教授は、「後先を考えない衝動性」「人との距離感を誤り相手の気持ちを理解できない」と指摘。「過去の裁判でも“思考のゆがみは顕著”という指摘があった」ということです。

 谷本容疑者の再犯は防げなかったのか?2021年のデータでは、執行猶予で保護観察をつける割合は約6%にとどまっていて、裁判官が更生プログラムを強制できる制度が必要だという意見もあるようです。

 今後の捜査では、「エレベーター内で何があったのか?」「なぜ凶器を持つようになったのか?」などがポイントとなり、「精神鑑定が必要と思われる」とも原田教授は話しています。

2025年08月31日(日)現在の情報です

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