2025年09月01日(月)公開
石破総理は『ワンチャン解散総選挙』狙い!?あの元総理が"成功体験"を伝授? 心の支えは最側近「タバコと赤沢はやめられない」 "石破おろし"いよいよ嵐がやってくるか... あす両院議員総会
解説
自民党・総裁選の前倒し議論が本格化していますが、それでも辞めない石破総理。その背景には“2人のキーパーソン”がいるそうです。その1人は総理に対して「絶対に辞めないで」と言っている人物、もう1人は自らの成功体験を伝授している人物だということです。 政界を引退した、あの元総理と会談したとされる石破総理。政権存続は果たせるのでしょうか。ジャーナリスト・武田一顕氏の解説です。
総裁選の前倒し賛成で氏名公表「二の足を踏む議員が出るのではという思惑」
総裁選を前倒しするには「党所属の国会議員295人」と「都道府県連代表47人」を合わせた342人の過半数=172人の賛成が必要です。賛成の際には、議員本人が党本部に署名・捺印した書類を提出することが求められます。
9月8日には所属する国会議員らを対象に意思確認がされる見通しで、その際、賛成した議員の氏名が公表されることが決まっています。つまり、賛成した議員の「石破総理は辞任すべき」という意思が明らかになってしまうのです。そのため、「二の足を踏む人が出てくるのではないかという思惑がある」とジャーナリストの武田一顕氏は指摘します。
一方で武田氏は、「総理の辞任を求めるのであれば、名前を明かすのは当然。にもかかわらず、選挙管理委員の中で揉めたということ自体、自民党が世間からずれている証拠」だと言います。
「ギリギリまで待ちたい」前倒しめぐり6割以上が態度示さず
JNNの独自調査(党所属295人のうち219人が回答)によると、総裁選の前倒しについて、63%(137人)の議員が態度を明確にしませんでした。この数字について武田氏は「ギリギリまで態度を表明するのを待ちたいというのがある」と指摘。
一方、前倒しを「行うべき」という意見は22%(49人)にとどまりました。これについて武田氏は「議員総会の開催を求める署名が120集まったと言われている」とした上で、「総裁選の前倒しという実際の事柄になると人数が減る」と述べています。
前倒しを行うべきと主張する議員からは、「選挙結果の責任はトップにある」「石破総裁が党の分断を招いている」「責任を取らない自民党という不信感を払拭できない」といった声が上がっています。
一方、前倒しは必要ないと主張する議員からは、「敗因は裏金問題であり、石破総理に落ち度はない」「総裁選を行えば、政局に走っていると思われ民心が離れる」「政治的空白を作らず課題に対応すべき」といった意見がみられます。
党内で割れる意見…西田氏・大岡氏・島田氏の見解
総裁選の前倒しをめぐっては、関西選出の自民党議員の間でも意見が分かれています。
▼西田昌司参院議員『前倒しすべき』
「前倒しすべきだと思います。もう一度党勢を立て直すためにも、総裁を選びなおすのは当然。そのためにもフルスペックの、党員投票含めた総裁選をやるのが一番望まれるところ。筋だと思いますね」
▼大岡敏孝衆院議員『前倒しの必要はない』
「私は一定程度の責任はあると思っています。トップですから。ただ、トップが何らかの目的、何らかの理由で、続けさせてくれと決めたわけですよね。くびだけすげ替えて、じゃあ自民党が全て良くなりました、今まで問題とされた体質はこれで全てきれいになりました、こんなことあり得ないですよね」
また、記名投票については…
▼西田昌司参院議員『無記名でするべき』
「基本的には無記名でやるべき。例えば政務三役を務めてる方とか、いろんなそれなりの立場を持っておられる方にとっては、石破さんが任命者で。任命者のくびをはねるようなことをしていいのかと」
▼大岡敏孝衆院議員『記名でするべき』
「名前を公開されるということで萎縮するというのは、それは議員に向いていないのではないかと思います。常に自分はこういう考えでいるということを堂々と示すのが私たちの仕事です」
▼島田智明衆院議員
「前倒しについて、事前には意思表示しない。普通の選挙で投票先を言わないのと同じ」
「地元では両方の意見があり、両方一理ある」
「前倒し要求議員の氏名公表は賛成。市長のリコールでも氏名・住所など必要」
「9月2日の両院議員総会を前に、党内はまだ激しい動きはない。嵐の前の静けさかも」
今後の動きについて武田氏は「9月から大きく動きます。両院議員総会も予定されていますし、総括の取りまとめも表に出てきますから。いよいよ嵐がやってきます」と述べています。
参院選敗北の要因 石破総理個人の責任へ言及は?
8月29日に参院選敗北の要因を協議した自民党。「政治とカネの問題」「物価高対策としての現金給付」などが挙げられたと見られています。また、石破総理個人の責任に言及するかについては詰めの協議中だということで、執行部の1人は「党全体の責任だ」と話しています。
(武田一顕氏)「どういうふうに文案の中で書くかが、今最大の注目点になっています。最高司令官ですから責任はある。『ない』とは書けないが、どういうふうに書くのか。あるいは、9月2日に両院議員総会が予定されていますから、そこまでに付け加えるのかどうか。いろんな駆け引きが続いている状況ですね」
また、辞任の可能性が取り沙汰されている森山幹事長については…
(武田一顕氏)「幹事長も総裁も責任取らないでは、誰も言うことを聞かなくなる。森山さんは総括を取りまとめた段階で進退を明らかにする、事実上辞めるということを言っていますから、幹事長は辞めざるを得ないのでは」
キーパーソンその1・赤沢大臣 「石破さんの珍しい側近なんですよ」
石破総理は今、「異常な緊張状態」に置かれていると武田氏は見ています。
(武田一顕氏)「失言なんかしたら石破総理は即アウトですから。もうすでに3アウトなのに、失言したら4アウトになりますから、ものすごい緊張状態。海外の首脳との日程があって、ニコニコしているけど、心の中は気が気じゃないですよね」
ただ、そんな石破総理の心の支えとなっている“キーパーソン”が2人いると言います。1人目は赤沢亮正経済再生大臣です。
(武田一顕氏)「石破さんの珍しい側近なんですよ。『タバコと赤沢はやめられない』というのが石破さんの口癖なんです。それぐらい赤沢さんは最側近。その赤沢さんが『辞めちゃ駄目だ』と言っている。石破さんはそれが心の支えとなって、いわば地獄の中を歩いている状況」
キーパーソンその2・小泉元総理 「石破さんワンチャン狙ってるよね」
一方、8月実施の各社の世論調査によると、内閣支持率は前月(7月)より上昇しています。この数字について「こんなこと考えられない。普通は選挙で負けたら『辞めろ』で終わりなのに、そうならない状況になっている」と武田氏は指摘。また、「このまま支持率が上がれば、年内に解散総選挙も視野に!?」と見ています。
(武田一顕氏)「今、永田町で議員同士が会ったときの挨拶が『石破さんワンチャン狙ってるよね』。つまり、衆議院を解散総選挙してリセットすることを石破さんは狙っている、それが“ワンチャン狙い”です。それに対してみんなビクビクしている」
この“ワンチャン”を成し遂げるためのもう1人のキーパーソンが、小泉純一郎元総理だと言います。8月24日、石破総理は“先輩”にあたる小泉純一郎元総理・武部勤元幹事長・山崎拓元副総裁と会食を行いました(赤沢大臣も同席)。取材によると、ここでは2005年の郵政解散の話が主に話されたということです。
郵政解散後の選挙では“抵抗勢力”に刺客を送るなどして大勝し、多くの小泉チルドレンが誕生しました。
(武田一顕氏)「石破さんは解散総選挙をどこかでやりたいと思っている。郵政解散で小泉さんは大勝利したが、その前の2004年の参議院選挙では自民党は目標に届かなかった。そういう意味でも、参議院選挙で負けた後、解散を狙うという側面があるというのが、このホテルでの会食」
(武田一顕氏)「解散総選挙になったら困るが、今の衆議院の勢力図を考えると、どこかでリセットしなきゃいけないというのがあって、“ワンチャン”あるのではというのが石破さんの希望なんですよね」
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