2025年08月21日(木)公開
エレベーター内"密室"での犯行か 神戸のマンションで女性刺殺事件 帰宅時に身を守るためには...自宅近くで「ながら」をしない、オートロックの「"共連れ"をしない・させない」
解説
8月20日夜、神戸市中央区のマンションで24歳の女性が男に刺され死亡した事件で、男はマンション入口から女性の後をつけて犯行に及んだとみられることがわかりました。 オートロックでも油断できない、エレベーターの安全な利用法など、改めて気を付けたい帰宅時の防犯ポイントを防犯アドバイザー・京師美佳さんへの取材をもとにまとめました。
女性の後をつけて建物に…エレベーターの中で犯行に及んだか
事件が起きたのはJR「三ノ宮駅」からほど近い神戸市中央区のマンション。発覚は8月20日午後7時半ごろ、住人からの「男が女性を羽交い絞めにしている」との通報がきっかけでした。警察などが駆けつけたところ、このマンションに住む会社員の女性(24)が6階のエレベーター前で血を流して倒れているのが見つかりました。女性は病院へ搬送されましたが、死亡が確認されました。
警察によりますと、女性の上半身には刃物で刺されたような複数の傷があったということで、警察は殺人事件として捜査しています。
(マンションの住人)「私が廊下からのぞいたときには、下で何かしていると思って非常階段をおりたらそこが血の海でした。本当に残念ですね。亡くなられたと聞いたので」
防犯カメラの映像には、女性がマンションへ入った際、男がその後をつけて建物に入る様子が映っていて、男はエレベーターの中で犯行に及んだとみられています。現場から、刃物などは見つかっておらず男は凶器を持ったまま逃走しているとみられています。
女性はこのマンションの部屋で一人暮らしをしていたとみられ、これまでに警察へのストーカー被害などの相談はなかったということです。
逃げた男は年齢が20代~30代とみられ、金色っぽいメッシュ混じりの黒髪で中肉中背、黒の半袖Tシャツに長ズボン、白色の靴をはいていたということです。
絶対にこれだけは忘れてほしくない「自宅近くで“ながら”をしない」
“密室”であるエレベーター内で行われた犯行。帰宅時の防犯について防犯アドバイザー・京師美佳さんに聞きました。
京師さんは、自宅近くで“ながらスマホ”などをすると異変に気づかなくなるため「ながら」をしないでほしいと警鐘を鳴らしています。
また、帰宅時に自宅近くのコンビニを利用する場合、「お箸1膳ください」と言ったり「アイスを購入」したりすることは一人暮らし・家近を推測されるおそれがあるといいます。そのため、箸をもらわないようにするほか、“1膳”と口に出して言わない、中身の見えないエコバッグを使うといったことが対策になるということです。
もし“つけられている”と思ったら、「走らずに遠回りしてほかの店に入る」「誰かに連絡して迎えを依頼する」ことも大事です。毎日同じ道で帰らないことも有効かもしれません。
オートロックのマンションに住む人は、帰宅時に「オートロックの“共連れ”をしない・させない」。共連れとは、他人があけたオートロックに乗じてマンション内に入る行為のことです。敷地内に入る前に周囲を確認する、人がいるときにポストを開けない(部屋番号がわかってしまうため)など対策することが大事です。
エレベーターに乗るときは「原則ひとり」を京師さんは推奨しています。それでも乗り込んでくる人がいたら「操作パネルの前で垂直に立つ」ようにしましょう。操作パネルをいつでも操作できる場所に立ち、以下のポイントに気をつけることが重要だといいます。
■先に降りる階を聞き、別の階で降りる
■非常ボタンに手をかけるそぶりをする
■降りるときに背を向けない
自宅に着いたら、モタモタしていると隙を与えてしまうためカギをすぐに出せるようにすること。そして開いたドアが死角になることがあるため、ドアを開けるのは最小限に。自宅に入ったらすぐにカギを閉めましょう。ただし、チェーンロックは自宅内を確認してから行うべきだということです。
「最悪の事態を回避するのが防犯対策。備えすぎ・やり過ぎはない」
また、今回の事件のケースのように「羽交い締め」にされた場合、抵抗する時は「相手の目」を狙うこと。目が痛いと戦意喪失するためです。ただ、これは最終手段で、基本的にはここからどうにかすることは難しいということです。
相手がナイフを持っている場合は「言うことを聞く」ほうが被害を減らせるということです。
最悪の事態を回避するために行うのが防犯対策。京師さんは「備えすぎ・やり過ぎはないのでぜひやってみてほしい」といいます。
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