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「石破総理は意固地になっている」内々に漏らした『退陣』が号外に出て人間不信に? 麻生氏ら大物議員は「表立って辞めろと言わない」青年局からは「事実上の退陣要求」 "泥船自民"どうなる?

解説

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 自民党内で活発化する「石破おろし」の動き。7月25日、自民党青年局が森山幹事長と面会し、総理ら執行部に対して「選挙結果の総括を速やかに行った上で“自ら責任を取ることを求める”」文書を提出しました。一方、SNS上で「#石破やめるな」の投稿が相次ぐなど続投を応援する動きも。 混乱続く政局の中で、与野党はどう動くのか?ジャーナリスト・武田一顕氏に見解を聞きました。

『号外』が石破総理を変えた!?

 石破総理は「号外で“意固地”になった」――そう語るのはジャーナリスト・武田一顕氏です。

 (ジャーナリスト 武田一顕氏)「石破総理は自分が親しいと思っている人にだけ『8月で辞めると言う』と漏らした。しかし、それがすぐに新聞に出てしまい、人間不信に陥って意固地になり『辞めない』と言っている状況」

 大物議員の動向については…

 (武田一顕氏)「表だって『辞めろ』と、麻生氏などの大物議員が言っていない。“大物議員も自民党の混乱は良くないと思っているから辞めろと言わない。だから自分はもう少し続けよう”と石破総理は考えている節がある」

 一方、武田氏は「都議選も含めて選挙で3回負けた石破総理には、自民党を変えるパワーが残ってないのが残念なところ」とも述べています。

水面下で連立模索も…野党は “泥船自民”に警戒感

 今、自民党内はどういった状況なのか?武田氏曰く、「1993年の自民党分裂の記憶があり、同じことにならないよう、党としての方向性を決めている」とのこと。

 (武田一顕氏)「1993年の宮澤内閣のときに内閣不信任案が可決されて、小沢一郎氏らが外に出て細川政権ができた。そういった分裂が起こらないようにするという点については、石破総理も大物議員も一致している」

 また、武田氏は「水面下で“組める相手”を探しているが、野党は“泥船自民”に警戒感を持っている」と言います。

 (武田一顕氏)「石破総理が辞めても過半数は取れない。自民党は、なんとか野党側とパイプを使って組めないかと意見交換しています。ただ、今は選挙が終わったばかりで、野党としても“泥船”には乗れない状況。まだしばらく混乱は続きます」

 水面下での調整がうまくいった場合、連立の可能性はあるのでしょうか?

 (武田一顕氏)「自民党と他の党で連立はあり得る。一番大きいのは、自民・立憲の大連立。これだけ混乱していると、今は何でもありの状況」

「両院議員総会が開かれたら総理は辞める」

 地方からも辞任を求める圧力が高まるなか、自民党総裁を辞めさせる手続きとしてあり得るのが、両院議員総会における“総裁選の前倒し”です。

 (武田一顕氏)「両院議員総会で総裁選を前倒しすれば、選挙に負けた石破総理は総裁選に出られないので、自動的に総裁から引きずり下ろされる」

 ただ、両院議員総会の開催には、「所属議員約300人の3分の1(約100人)」が必要で、可決には「所属議員と都道府県連代表の過半数」が必要。そのうえ、大臣・副大臣・政務官・委員長など100人以上いて開催するには高いハードルがあります。

 (武田一顕氏)「実際に両院議員総会が開かれるとなれば、石破総理は辞めると思います。引きずり下ろされることになるので、みっともないから辞めると思います」

「不信任案提出はほぼ無い」立憲は単独提出できるが…

 一方、野党の動きはどうなっているのか?7月23日、国民民主党・玉木代表が「衆議院選挙の準備を加速したい」と発言しました。

 (武田一顕氏)「まずは石破総理に辞任を求めた上で、自民党がどうするかを見ている。私は秋の臨時国会までは持たないと見ていますが、総理がどうするのか分からないと、野党としては対応が決められない。それぐらいグチャグチャだということ」

 (武田一顕氏)「石破さんが続けるということも分からなかったのだから、高市氏や小泉氏の名前が上がっているが、誰が(次期総裁に)なるかは分からない。国会議員もわかっていない」

 8月1日には臨時国会の召集が予定されていますが、武田氏は「不信任案提出は、ほぼ無い」と指摘。提出条件は衆議院51人(発議1人と賛成者50人)が必要で、単独で提出できる立憲民主党は「提出しない」と見ています。

 武田氏によると、各党の今の“気持ち”は…
 ▼立憲「候補者が足りない」
 ▼維新「参院選で勝てていないし…」
 ▼国民「この勢いで早く選挙を!」
 ▼参政「イケイケー!」
 といった状況で、現在の政界には“キーマン不在”のため混乱は続くと見ています。

 (武田一顕氏)「以前は、政局が混乱したときには、野中広務氏や小沢一郎氏などの“キーマン”を取材すれば大体の流れが分かった。今は“キーマン”がおらず余計にグチャグチャな状況になっている」

 7月28日に開催される自民党両院懇談会に注目が集まりますが…

 (武田一顕氏)「週末に地元に戻った自民党議員がいろんな意見を聞いてくる。両院懇談会が荒れることは必至です」

2025年07月28日(月)現在の情報です

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