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玄米を精米して食べる!備蓄米は「スピード重視」の玄米販売に注目 創業150年・お米マイスターが教える精米のポイント

解説

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政府による備蓄米の放出が始まり、にわかに注目が集まっているのが、一部で検討されている玄米での供給です。玄米と白米との違いや栄養価、お米マイスター直伝の精米のコツ、さらに古古米や玄米を美味しくいただくヒントまで。改めてイチから学びたい「コメの基本」をまとめました。

小泉農水相「スピード重視。玄米は検討材料だろう」

備蓄米の放出が本格化すれば、多くの場所で5キロ2000円程の米が買えるようになりそうですが、実際店頭に並ぶまでには「精米作業」のため時間がかかる可能性があります。

このため備蓄米を「玄米のまま」売るケースもあるとみられ、ホームセンターのカインズでは、5キロ単位での精米販売に加えて、玄米のまま30キロ単位で販売することも予定しています。小泉農林水産大臣は「スピード重視。玄米のままいち早くお届けできることは、一つの検討材料だろう」とその重要性にふれています。

お米マイスターに聞く精米の重要性

大阪市平野区にある「西川米穀店」は、仕入れるお米のほぼ100%が玄米です。お米の専門知識を持つ「お米マイスター」の西川信一さんは「玄米から精米した時に、もう味がどんどん落ちていきます」と話し、精米したてが最も美味しいという考えから、玄米仕入れと、店頭精米にこだわっています。

精米は、玄米を機械に投入してぬかを取り除き白米へとしますが、西川さんは、「白米の周りに目に見えない旨味層があるので、それを残すため少し緩めにかけてます」と味を最大限に引き出すこだわりを明かしてくれました。

3年や4年経ったお米の味について西川さんは、「自分の経験からすると、あまり美味しくないんじゃないかな」と正直な感想を述べつつも、「やっぱり、ひと工夫がいる」と、食べ方次第で美味しくいただける可能性を示唆しました。

玄米と白米を徹底比較 何が違う?

まず、お米の基本工程から見ていきましょう。収穫された稲穂から籾(もみ)を取り出す作業が「脱穀」です。米はこの時点ではまだ硬い籾殻に包まれています。次に籾殻を取り除く作業が「籾摺り(もみすり)」です。籾殻が取り除かれた状態のお米が、いわゆる「玄米」となり、玄米から周りの層「ぬか」を取り除く作業が「精米」であり、この工程を経てようやく「白米」になるのです。

では、玄米はどのような構造になっているのでしょうか。

亜糊粉層(あこふんそう)が重要

私たちがふだん食べているのは、お米の中心部にある「胚乳(はいにゅう)」白い部分です。玄米の状態では、胚乳の周りが何層も複雑に覆われています。

最も外側の籾殻は前の工程で既に取り除かれていますが、その内側に「ぬか層」が存在し、それも果皮、種皮、糊粉層の3種にわかれていて、お米の先端には「胚芽」もあります。精米とは「ぬか層」と「胚芽」を取り除く作業を指します。これらの部分が取り除かれると、消化しやすく、柔らかい食感が特徴の白米になります。

一方、玄米の構造で特に注目されるのが、ぬか層の中でも胚乳の表面を薄いベールのように覆っている「旨味層(うまみそう)」です。専門的には「亜糊粉層(あこふんそう)」とも呼ばれ、お米の旨味や甘みに関わる重要な部分とされています。

この薄皮一枚を巧みに残せるかどうかが、お米屋さんの職人技だということでした。

栄養の面から比較すると…

漢字で書くと「糠」。ぬかの部分には、お米の栄養が凝縮されています。白米と米ぬか部分を比較すると、重さでは「白米90% ぬか10%」ですが、栄養素の観点から見ると「白米5% ぬか95%」になっているというのです。

白米に精米しても、エネルギーや糖質はしっかり残りますが、ビタミンやミネラルといった他の重要な栄養素は大幅に減少してしまいます。だからこそ玄米を混ぜるとか、玄米の要素をすこし残す精米は、栄養価の面でも非常に重要と言われています。

3分づき、5分づき 栄養と食感のベストバランスは?

「3分づき」「5分づき」「7分づき」といった言葉を聞いたことがあるでしょうか。玄米の表面にある「ぬか層」をどれだけ取り除くか、つまり精米の度合いを示しています。図のように、精米の度合いによってぬか層の残り具合が変わります。

「5分づき」は、ぬか層を半分程度取り除いた状態を指します。「3分づき」は、ぬか層を3割だけ削り、約7割を残したもので、玄米に近い栄養価が期待できますが、ややパサついた食感になることもあります。どの分づき米を選ぶかは、栄養価をどれだけ重視するか、また食感の好みによって変わってきます。

人生で初めてコイン精米機で精米体験

町で見かけるコイン精米機はどのように使うのか、山中真アナウンサーが人生で初めて精米を体験しました。

「クボタJA大阪市巽支店」ではまず、好みの精米加減を選びます。この機械では10キロ100円から利用でき「標準」「上白」「クリーン白米」の3種類から選択可能です。

〇クリーン白米 →ゆっくり精米機を通すことで無洗米に近い仕上がり
◎上白 →スーパーで一般的に売られている白米程度
●標準 →旨味成分を残した精米

今回5キロの精米にかかった時間は、わずか2分足らず。10キロを精米する場合でも時間はほとんど変わらないそうです。精米したてのお米は、ほんのり温かさが感じられました。


「コメ騒動」以降、無人精米所のユーザー増!

昨年の「令和の米騒動」以降、玄米を購入する人が増え、それに伴いコイン精米機の利用者も増えているといいます。

利用者に話を聞くと、「1ヶ月に30キロの玄米を買い、なくなると精米している」という方も。理由は「1か月くらい保存するので、白米だと味が変わってしまうのが心配だから」とのことでした。
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お米の専門家「お米マイスター」の西川信一さんは、「コメは精米した瞬間から酸化が始まる」といい、時間が経つにつれて味が落ちていくものと話します。また今後コメは3つのパターンにわかれるのではないかと話します。

それは、2000円前後の随意契約備蓄米(古古米や古古古米)。3500円前後の入札備蓄米(新米や古米のブレンド)。4000円超の銘柄米です。


専門家直伝!備蓄米を美味しく食べるコツ

備蓄米として供給されるお米や、少し古い米を、家庭で少しでも美味しく味わうためのコツも紹介されました。
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手軽に試せる方法として、お酒やみりんを大さじ1-2杯加えることや、冷水を使用したり、炊飯前に冷蔵庫で約1時間しっかり浸水させることも美味しく炊き上げるための重要なポイントです。

専門家によると、冷たい状態からゆっくりと加熱することで、お米の芯まで均一に水分が行き渡り、炊き上がり時の温度上昇も緩やかになるため、ふっくらとした食感と甘みが引き出されるとのことです。備蓄米や少し時間が経ったお米を調理する際には、試してみてはいかがでしょうか。

2025年05月30日(金)現在の情報です

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