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橋下徹氏は「食料品の消費税は減税すべき」 "社会保障に穴があく"という議論には怒り「消費税で賄うのは2割ほど。メディアはもっと説明して!」【解説】

解説

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 与野党から声が上がる消費税をめぐる主張。一方、石破総理は減税に慎重姿勢を示しています。元大阪府知事の橋下徹氏は各党の主張の狙いを解説、持論も述べました。そして橋下氏は「社会保障の財源が足りなくなるのではないか」という議論に対し、「ここに怒ってんの!」と声を荒げました。

消費税減税は「景気対策」か「物価高対策」か

参議院選挙を控える中で、消費税減税についての各党の主張は以下の通りです。

 自民党:石破総理は減税に否定的 参議院の一部議員は食料品について2年間0%を主張
 公明党:食料品を5%という案
 立憲民主党:食料品を原則1年間0%
 日本維新の会:食料品を2年間0%
 国民民主党:時限的に一律5%
 共産党:廃止を目指し緊急に一律5%
 れいわ新選組:廃止

 各党の主張について、橋下徹氏はまず同じ消費税減税でも「国民民主・共産・れいわは景気対策」、「自民・公明・立憲・維新は物価高対策」にわかれると述べ、減税の目的が異なると話します。

 (橋下徹氏)「トランプ大統領の関税問題で日本の景気が下がるから早めに手を打つという考え方だが、物価が上がっているときに景気対策をやるのは、経済学的には本来やってはいけないこと。

 物価が上がっているのは食べ物とエネルギーで、その他は、ほどほどなんですよ。僕はエネルギー(の支援)は反対だけれど、政府はエネルギーに補助金を入れると言っているので、ガソリンとか電気には補助金で、食料品は、消費税減税で物価高対策をすればいいというのが僕の持論です。」

橋下氏が怒りの主張「消費税は財源の一部でしょ」

 消費税の減税で社会保障の財源が足りなくなるのではないか、という指摘も聞かれますが、橋下氏はこれに「ちょっと待った!」と怒りをにじませます。

 社会保障の給付費は総額137.8兆円(2024年度予算ベース 財務省・厚労省資料より)必要ですが、消費税で賄われるのは約2割(27兆円あまり)だと述べ、食料品の消費税8%が0%になっても「財源の減少は5兆円くらい」だとしたうえで、次のように指摘します。

 (橋下徹氏)「消費税が減る!って国会議員や大手メディアの人は言うんだけども、日本の税収は消費税だけじゃないです。法人税も所得税も全て含めて税収が上がっているなら、消費税の分の税収を、緊急の物価高対策で少し縮めても十分賄える、というのが僕の持論。」

「いろんな意見あるかもしれないけど、メディアはこの辺りをもっとちゃんと説明してほしい。日経新聞社が世論調査で『社会保障の財源として消費税は維持しなければいけないか』みたいな質問しているけど、いやこれ(財源の)一部でしょ、っていうのは認識しておかないといけないと思います」

 消費税減税に関しては識者の中でもさまざまな議論・意見があります。元厚生労働省キャリア官僚で行政学者の神戸学院大学・中野雅至教授は、「確かに消費税より社会保険料で賄う割合が大きい」と、橋下氏の主張に同意しつつ、トランプ関税の影響でGDPが1%下がると言われていることなどを挙げ、税収の上振れ分だけで長く保つのは難しいという見解です。消費税は法人税や所得税より安定した財源になっているといい、消費税を減税するというなら、逃げずに新しい財源をどうするのか示す必要があるといいます。

 (中野雅至教授)「例えば法人税。法人税はずっと下げていた、法人はグローバルに事業所を移すからなかなか課税ができなかった。それが最近は経済安保で移しにくくなってきたから、法人からもらえばいいと思うんですよ。だから消費税を下げるなら、法人税あるいは金融の分離課税をなくしてもう少し富裕層からお金もらうとか、財源の議論をすべきだと思います」

 中野教授のこの主張に対して橋下氏は…

 (橋下徹氏)「日本の今までの国家財政の視点で一番抜けてるのは財政マネジメント。価格を下げたら、より物が売れてトータルで売り上げが伸びるというのが財政マネジメント。いろんな議論がありますが、法人税を上げると全体の法人税が下がるという見方もあるんです。景気が悪くなったり設備投資が悪くなったり。」

 「だから何でもかんでも税収を上げて財源を確保するんじゃなくて、トータルの税収が増えればいい。岸田政権のときに行われた定額減税では財源が5兆円必要だと言われたんです。5兆円の穴が開くと言われましたが、蓋を開けてみたらトータルの税収は増えてるんですよ。単純に税率を上げることで税収が増えるという議論に陥っちゃいけない。」

年々増える“国の借金”をどう考える?

 一方で、普通国債残高が1105兆円(2024年度末)という現状を考えると、税収の上振れ分で賄う余裕はないのでは?という見解も聞かれます。これについて橋下氏は、「約1100兆円はそのまま国の借金ではなく、半分は日銀が持っている」と述べ、「いろんな議論があるが、日銀が持つということは1100兆円の借金がそのままの借金じゃないという点も考える必要がある」と主張します。

 (橋下徹氏)「大阪府がどれだけ借金を抱え込めるか1年間研究したときに、結局結論は出ず。国の借金もどこまで負えるのかは理論値は多分出てこなくて市場が判断する。借金をどんどん増やせばいいわけじゃないけど、これ(赤字国債の現状)だけを見て危ない危ないっていうのは冷静にならないといけないかなと思います」

高市早苗氏の発言に「選挙を見通して権力闘争に入った」

 消費税減税について、自民党の高市早苗衆院議員は「国の品格として食料品の消費税率は0%にするべき」と発言。この動きを橋下氏は次のように見ています。

 (橋下徹氏)「完全にポスト石破を狙っていますね。政局。石破総理は消費税の減税をやらないと言っているのに堂々と反対して、高市さんに付くグループもありますから。参議院選挙後を見通して、権力闘争に入っていますね、高市さん。(自民党内で)グループ化して、参議院選挙の結果が悪ければ石破総理を引きずり降ろして、高市さんを擁立させる動きを狙っているんじゃないですか」

財源の議論、借金の実像、そして政局。消費税減税をめぐる政党の主張や政治家の発言は、背景も見極める必要がありそうです。

2025年05月27日(火)現在の情報です

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