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【大阪・兵庫・奈良で緊急点検】下水道管に異常は?レーダーで地中に空洞がないかも確認 専門家は「今できるのは検査の頻度を上げて技術の進歩を待つこと」と指摘

解説

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 埼玉県八潮市で起きた「道路陥没事故」。関西各地でも下水道管の異常や地下に空洞がないかなどについて、点検が進められています。八潮市の事故現場と“同じような下水道管”がある大阪府・兵庫県・奈良県に対しては、国交省から点検結果の報告を求められ、路面陥没の可能性について詳細な調査も行われます。

関西では大阪府・兵庫県・奈良県が『点検結果の報告』を求められる

 今回、事故が起きた埼玉県八潮市の現場と“同じような”下水道管(※直径2m以上で、晴天時1日あたり最大30万t以上処理できる処理場に接続されている)が通る大阪府・兵庫県・奈良県・埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県の7都府県に、緊急点検の結果報告が求められました。

 調査は大きく2つあり、「下水道管の点検」と「路面下空洞調査」。各処理場に接続する下水道管とその上の道路を調査し、大阪では約73km、兵庫県では約31km、奈良県では約15kmの範囲で行われました。
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 「下水道管の点検」については、マンホールに実際に人が入り、目視で確認をしました。その結果、大阪府・兵庫県・奈良県では異状がなかったということです。
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 「路面下空洞調査」は、調査車両を道路の上を走らせ、レーダーを地面にあてて地中に空洞があるかどうかを確認します。その結果、大阪府と兵庫県では、路面陥没の可能性が『高い』ものはなかったということです。しかし、路面陥没の可能性が『中程度』『低い』ものに関しては大阪府と兵庫県ともにあり、詳細は調査中としています。

 奈良県では、路面陥没の可能性が『高い』とされたところが2か所ありました。ただ、実際に工事で地中を確認したところ、空洞はなかったということです。また、『中程度』『低い』とされる場所が37か所あり、今後調査するとしています。

専門家「現状、深い場所での空洞化を知る術がない」

 道路陥没のリスクについて、公共インフラに詳しい神戸大学大学院の工学研究科・小池淳司教授は「地上からの調査はやらないよりはいいが、精度に限界がある。また、現状では深い場所での空洞化を知る術がない。今できるのは5年に1度という検査の頻度を上げて技術の進歩を待つこと。下水管の調査を自治体が担うのも、予算の観点から疑問。国がもっと予算をつけるべきでは」とコメント。小池教授によりますと、地上からの調査は深さ2~3m程度の状況しかわからないということです。

 今回の下水道管の調査で路面陥没の可能性が『中程度』『低い』と判断された場所は、手持ちの地中レーダーで空洞の有無を確認し、空洞が確認された場合は、小さな穴をあけてスコープカメラを挿入し、さらに調査していくということです。

2025年02月11日(火)現在の情報です

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