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【大谷翔平選手】レジェンド掛布雅之氏・福本豊氏が分析する『すごさのワケ』とは?ポイントは「バッティング技術」&「盗塁に必要な3つのS」

解説

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 今季3回目、通算10回目の週間MVPを獲得した大谷翔平選手。9月20日に前人未到の50-50を達成し、日本中が喜びと驚きに包まれました。改めて大谷選手は何がすごいのか?その異次元ぶりを示すデータを名城大学・鈴村裕輔准教授に聞き、日本球界のレジェンド、掛布雅之氏と福本豊氏の分析も交えてまとめました。

ミスタータイガース・掛布雅之氏が大谷選手のバッティングを分析

 まず、生涯本塁打数349本のミスタータイガース・掛布雅之氏に、大谷選手のバッティングがいかにすごいか分析してもらいました。掛布氏によりますと、通常ボールを遠くに飛ばそうと思ったら、下から上に振り上げるアッパースイングの方が高く飛びますが、当てるのは難しい。一方、水平にバットを振るレベルスイングでは、ボールは当たりやすいものの遠くへは飛びにくいということで、これを水平で当てながら遠くへ飛ばすのが大谷選手のすごいところだといいます。

世界の盗塁王・福本豊氏が語る大谷選手のすごさ「3つのSの技術」

 そして生涯盗塁数1065盗塁である世界の盗塁王・福本豊氏にも聞きました。盗塁には3つS「スピード」「スタート」「スライディング」の技術が必要ですが、大谷選手の場合は、スピードとスタートだけで盗塁が成功するそうです。スピードに関しては1歩が大きいので、人よりも進むことができる。そしてスタート技術は、自身も投手ということで投手の動きと癖を盗み、投手によって異なるタイミングも見極めることができるということです。
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 さらにルールが変わったことも大谷選手にとって有利になったと言われています。2023年にメジャーリーグが導入したルールでは、牽制球が2回までとなり、3回目以降は走者をアウトにできなかった場合反則となります。また、試合時短のためランナーなしでは15秒以内に投球、ランナーありでは18秒以内に投球しないといけないピッチクロックが導入されました。さらに、ベースが約7.6cm大きくなった分、塁間が従来より約11.5cm短くなりました。

数値で見る大谷選手の“偉業”

 大谷選手の“偉業を”データで見てみましょう。直近4試合は18打数14安打、打率は7割7分8厘、5本塁打13打点6盗塁でした。他にもさまざまなデータがあります。

 鈴村裕輔准教授によりますと、スイングスピードは時速120~130km。バットは950gくらいなので、1リットルのペットボトルを振っていると考えると、すごさがイメージしやすいのではないでしょうか。そして打ったボールのスピードは時速153kmくらいだということです。ちなみに、こうしたデータが知れるようになったワケは、ミサイルを発射するスピードや飛距離を測る軍事技術を、民間転用したからだそうです。

 また、数字が大きいほどチームに貢献する選手であるOPS(出塁率と長打率)。0.8を超えたらすごいと言われますが、大谷選手とジャッジ選手の2人だけが1を超えているということです。このジャッジ選手がこの先もライバルになりそうだと言われていることを知っておくと、今後のメジャーリーグをより楽しめるかもしれません。

数々の恩恵をもたらす大谷マネー スポンサーは順番待ち状態!?

 大谷選手にはたくさんのスポンサーも。「コーセー」では日焼け止めカテゴリーの売り上げ(今年2月~4月)が前年比2倍、30代~50代男性の購入者が10倍になるなど、世間にもさまざまな影響をもたらしています。なんとドジャースとのスポンサー契約は今、順番待ちになっているようです。

 ちなみにメジャーリーグの本塁打数は50本以上が32人いますが、60本以上は長いメジャーリーグの歴史でも6人しかいません。もしここに到達するようなことがあれば、さらに盛り上がるのではないでしょうか。

(2024年9月24日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)

2024年09月25日(水)現在の情報です

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