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【小川泰平氏のスジ読み】カップ麺用のお湯の量では「広範囲に重い火傷は無理がある」...浴槽で男性死亡の事件 同居女が逮捕

解説

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男性に熱湯を浴びせたとして同居する女が逮捕され、男性が死亡した事件。女は「カップラーメン用の湯を誤って男性にかけた」「わざと熱湯をかけていない」と容疑を一部否認しています。また、男性はケンカの後に風呂に入った、自分が風呂に入ろうとしたら男性の意識がなかった、とも供述しています。しかし、これについて犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は「酷い火傷をして風呂に入るというのは矛盾があると感じる」「カップラーメンに入れるお湯の量はしれているので、それで広範囲に重い火傷というのは無理がある」と話します。(2023年5月2日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)

小川泰平氏(元神奈川県警刑事 30年の勤務経験 第一線で数々の事件を解決)

―――大阪市浪速区で、浴槽内で31歳の男性が死亡、同居する29歳の女が逮捕されました。4月30日の夕方、女が「同居の男性が風呂場で意識がない」と119番通報しました。その後、救急隊員が浴槽で裸の男性を発見します。男性は上半身などに重いやけどがあり、下半身と額に複数の傷があったということです。女は、警察の調べに対し「カップラーメン用のお湯を運ぼうとして男性に誤ってかけた。お湯をかけてしまったあと喧嘩があり、その後男性は風呂に入った。容疑者が風呂に入ろうとしたら、男性の意識がなかった」と話しています。女の供述に関して犯罪ジャーナリストの小川泰平さん、どう受け止めましたか。

小川泰平氏: はい、まずお風呂についてですが、男性が入ったのは、『水風呂でなく、お湯を張った浴槽』というふうに聞いてます。ただ実際、発見時は衣服を着用していない状態。ということは、例えばお湯がかかったときは服を着ていたのかどうか、例えば服を着ていたとしても着てないにしても、「お湯がかかる」、しかも上半身広い範囲で火傷をしているとなれば当然ですけども、冷やす=冷水をかけるっていう発想が浮かぶ。

ただ実際に、お風呂に入るっていうのは、ちょっと信じられないというか、供述に矛盾が相当あるなという感じがします。あと、司法解剖の結果、水を飲んだことによる窒息死というんですけども、発見された状態は「足を前に伸ばした長座の姿勢」ですね。別に顔が水に浸かってるわけではない。ということは、1回水を含めたあと誰かが体を動かした可能性も非常に強いのかなというふうに思ってます。

―――容疑者自身が119番通報をしていますが、これはどういうふうに考えたらいいですか。

当然ですけども、事件自体が、事故だというふうに言えると、本人が判断したのかなとは思います。

―――不可解なことも多いです。司法解剖の結果、直接の死因は水を吸い込んだことによる窒息死です。ただ、風呂の水かどうかは不明だということです。また、他殺かどうかも不明です。

小川泰平氏: 水も、今説明があったように、風呂の水かどうかわからないということですから、鑑定をすれば、風呂の水なのかどうかは、ある程度わかってくるというふうに思います。生活反応があるか、ないか、によってですけれど、水を吸い込んだというのは、ご遺体の体に水が入ったのではなくて、生きているときに身体に水が入ったんだろうということが、司法解剖から明らかになったということが言えますね。

―――他殺かどうかわからないけれど、女性の力で男性を押さえつけ、水を吸い込んでしまうような状態に持っていくことはできるんでしょうか?

女性の方が力が強い場合も絶対ないわけではないですが、なかなか通常はやはり男性が力が強い。今回上半身に非常に強い火傷を負っています。そういったことを考えると、体力が低下し、自分で歩くのも大変だったぐらい、ということをもし考えれば、女性の力でも十分可能なのかなと思います。

―――お湯をかけられて、それほどひどい火傷というのは考えられるんですか。

今回、お湯がかかったことによって、例えばカップラーメンのお湯といえば、沸騰してる温度に近いんですけれども、ただカップラーメンに入れるお湯の量はたかが知れてるので、その量で、背中を中心に非常に広範囲に重いやけどっていうのはちょっとどうなのかな、その供述には無理があるのかなと思います。

―――この2人を巡っては、過去に3回警察に相談や通報があったこともわかりました。1回目は2020年9月、今回死亡した男性から「彼女が暴れる」と相談があった、そのとき制止しようとしたところ、もみ合いになり、女は傷害容疑で現行犯逮捕されています。

―――2022年1月には、近隣住民から「男女の争う声がする」と通報があります。当時、家庭生活に関するトラブルとして『分離措置』が行われましたが、その後2022年4月にも同様の内容で相談通報があり、そのときは指導で終わったということです。

『分離措置』というのはですね、支援措置というのがあるんですが、シェルター等に一時的に警察が用意してあるところに引っ越すというか、被害者だけそこに入るということをしたんですが、その後また一緒に住んでいる。実際に女性名義のマンションに男性が入っているということなので、ここは本当に、何があってまた一緒になったのかわかりませんけども、そういったことがあったにも関わらず現在も一緒に住んでいたということなんだと思いますので、今後捜査の進展が注目されます。

2023年05月02日(火)現在の情報です

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