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弾丸は「時速720km」ベニヤ板4枚貫通...発射実験から見えた山上被告の手製銃の威力「人や動物を殺傷する能力がある」【安倍元総理銃撃事件 第6回公判】

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 6日目となった安倍元総理銃撃事件の裁判。山上被告の手製銃について鑑定した警察職員は「人や動物を殺傷する能力がある」と証言しました。

弁護側は一部の罪について「成立しない」などと主張

 6日目となった安倍元総理銃撃事件の裁判。山上被告は長く伸びた髪を後ろで束ね、マスク姿で法廷に出廷しました。

 山上被告は2022年7月、奈良市で応援演説に訪れていた安倍晋三元総理(当時67)を手製のパイプ銃で撃ち、殺害した罪などに問われています。

 これまでの裁判で山上被告は起訴内容を全て認め、弁護側は、一部の罪について「成立しない」などと主張しています。

「自作の銃は法律上『銃』なのか?」

 その根拠となるのが、「自作の銃は法律上『銃』なのか?」という点です。

 弁護側は山上被告が自作したパイプ銃は、「片手で照準を確かに定めて発射することが必ずしもできない」などと主張。

 一方、検察側は、山上被告が作ったパイプ銃を法廷で示し、裁判官らに手に持ってもらうなどして銃刀法で定められている「けん銃」にあたる、と訴えています。

「パイプ銃全てにおいて人や動物を殺傷する能力を有する」

 こうしたなか、11月6日は奈良県警の科学捜査研究所の研究員が出廷。

 山上被告に面会し、銃の構造などについて説明を受け発射実験などを行った結果、弾丸の速度は、時速720キロにも達し、ベニヤ板4枚を貫通するなど人を殺傷できるエネルギーの10倍以上の威力があることが分かったということです。

(研究員)「7種類のパイプ銃、全てにおいていずれも人や動物を殺傷する能力を有する」

 また法廷では安倍元総理を撃ったパイプ銃の弾丸の威力を調べる実験映像が流されました。その際、山上被告は発射とともに6つの弾丸がバラバラに軌道を描く様子を食い入るように見ていたということです。

 一方、弁護側はパイプ銃の重さや形状などから銃刀法上の「銃」には当たらないと主張しました。裁判官や裁判員はどのような判断を下すのか。

 関係者によりますと、今後、山上被告の母親が証人として出廷し、判決は来年1月21日に言い渡される予定です。

2025年11月06日(木)現在の情報です

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