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最大震度6弱だった四国地震と南海トラフ地震との関係はあったのか マグニチュードと震度の違い、そして認知度わずか29%の「臨時情報」

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 4月17日の夜、豊後水道を震源とするマグニチュード6.6、最大震度6弱の地震が発生しました。まずはマグニチュードと震度の違いを確認します。「マグニチュード=地震そのものの大きさ(エネルギー)」で、マグニチュードが1増えれば(M6→M7)規模は約32倍、2増えれば(M6→M8)規模は約1000倍と、桁違いに大きくなります。

 これに対して「震度=その場所の揺れ」のことで、▼震度6弱=立っていることが困難、耐震性の低い木造は倒壊も ▼震度6強=這わないと動けない、耐震性の低い木造倒壊が増加 ▼震度7=鉄筋コンクリートでも耐震性が低いと倒壊増加 など被害の目安が示されています。

 では今回の豊後水道を震源とする地震と、南海トラフ地震との関係はあるのでしょうか。

地震は「南海トラフ地震の想定震源域」で発生した

 気象庁などによりますと、南海トラフ地震は、駿河湾から日向灘沖にかけてのプレート境界を震源域とし、100~150年間隔で繰り返し発生してきた大規模地震で、今後30年以内の発生確率が70~80%と言われています。またM9クラスの超巨大地震が発生した際には、最悪の場合、死者32万人超ともされています。

 今回の地震は、「東海・東南海・南海の太平洋側の広いエリア、南海トラフ地震の想定震源域」の中で発生しました。では今回の地震は、南海トラフ地震に関係があるのか、この点について気象庁は会見で、『南海トラフ地震の想定震源域内で発生した地震だが、南海トラフ地震との関係を調査するマグニチュードの基準未満の地震だった』と話しました。

関係を調査するマグニチュードの基準未満の地震…とは

 この発言を理解するために知っておくべきことは「南海トラフ地震の臨時情報」というものです。2019年に本格運用をはじめ、まだ発表されたことはありませんが、「南海トラフ全域を対象に、地震発生の可能性の高まりを知らせるもの」が臨時情報です。

 どういうケースなら臨時情報が出されるのか。その前提条件は「南海トラフ地震の想定震源域で▼M6.8 以上の地震が発生した場合、または、▼通常とは異なるゆっくりすべりが発生した可能性がある場合」です。その際、「南海トラフ地震臨時情報(調査中)」というものが出されます。今回は想定範囲内ではあるが、マグニチュードが6.6で、前提条件より0.2小さかったことから、「調査中」にならなかったということです。

臨時情報とは、どんな内容が発表される?

 さて、臨時情報が出る場合は、以下3種類「巨大地震警戒」「巨大地震注意」「調査終了」に分かれます。境界でM8以上の地震が起きた場合の「巨大地震警戒」なら、発表後1週間まで「日ごろの備えを再確認し、津波からの避難が間に合わない地域は避難を継続する」などの目安が示されています。

 いっぽう「巨大地震注意」と発表された場合は、1週間程度は「日ごろの備えを再確認」、その後は「地震に注意しつつ通常の生活を送る」といった目安が示されています。

 「臨時情報」を正しく知ることは大事で、基準となるM6.8という数字も覚えておくのがよいのですが、それより何より、地震はなんの前触れもなく突然起きることが多いことも、けっして忘れてはいけません。(2024年4月18日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)

2024年04月19日(金)現在の情報です

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