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被災地でダウンジャケットなど配布 モンベルの『アウトドア義援隊』リーダーに聞く「災害時にも役立つキャンプ用品」 災害対策の"極意"は「事前に自然の中で楽しみながら使ってみる」こと

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 能登半島地震の被災地で支援活動を行うアウトドア用品メーカー「モンベル」の義援隊。そのリーダーに、災害時に役立つキャンプ用品や災害対策の“極意”を聞きました。

国内・海外の被災地で活動 モンベル「アウトドア義援隊」

 1月10日、石川県輪島市の避難所で配られたのは、ダウンジャケットやトイレキットなどの支援物資。配っているのは、大阪市のアウトドア用品メーカー「モンベル」の『アウトドア義援隊』です。
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 配布された上着を着た被災者は...

 「あったかいです。最高。正月から着替えていないから」
 「食べ物は間に合っているから、いろいろな支援もいただいているので。夜は寒いんですよ。きょうはとってもうれしいです」

 義援隊のリーダー・渡辺賢二さん。渡辺さん自身も第1陣の現場責任者として被災地に入り、活動しました。

 (モンベル「アウトドア義援隊」 渡辺賢二さん)「アウトドアというのがやっぱり災害に強い。実際に自然の中で泊まったりする技術がありますので、それを生かした能力をもとに被災地支援ができるということで活動を始めました」

 阪神・淡路大震災をきっかけに誕生したモンベルのアウトドア義援隊。これまでいくつも国内・海外の被災地に赴き、活動してきました。今回の支援では震災3日後に第1陣が大阪を出発。
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 石川県羽咋市の倉庫を拠点に、特に物資不足が深刻だった規模が小さい35か所以上の避難所や老人ホームと約40軒の個人宅を回りました。

 (渡辺賢二さん)「一番喜ばれたのは防寒衣料ですね。ダウンジャケットだったりフリース。車中泊の人は寝袋をすごく喜びました。エンジンをかけているとガソリンが無くなってしまいますので」

 さらに…

 (渡辺賢二さん)「我々は灯油を老人ホームとかにも届けたりしました。(届けるのが)相当夜が遅かったんですけど、すごく喜んでくださった」

活動の中で感じた「能登半島ならではの支援の難しさ」

 今回の活動では、能登半島ならではの地形が支援を難しくさせたと渡辺さんは話します。

 (渡辺賢二さん)「東日本大震災の時は、被災地から若干距離を置いた安全な場所に前線基地を構えたんですけど、今回の場合は半島で細長くなっていますので、そういう基地がとりにくくなった。羽咋市から行ったり来たりの無駄な時間ができてしまった」

 アウトドア義援隊を率いる渡辺さんは、災害への備えで大事なことは「防災用品を一度使ってみる」ことだと話します。

 (渡辺賢二さん)「南海トラフ地震は数十年の間に必ず起きると言われています。防災用品をそろえようとすると、そろえただけで満足してしまったりする。キャンプの趣味を持ったりすればエンターテインメントというかレクリエーションが先になるので楽しみが先になるんですよ」

災害時に役立つ「キャンプ用品」と「使い方の極意」

 “楽しみながら災害に備えてほしい”。そんな渡辺さんに、災害にも役立つキャンプ用品を教えてもらいました。

 (渡辺賢二さん)「まず食料。キャンプ用のフリーズドライ食品なんですけども、これの特徴としては一般のフリーズドライと比べて生でも食べられます。(Qいざというときのために食べておくことも大事?)そうですね、いきなり災害の時に食べて『想像と違う』となるよりも、1回食べて『こんなものなのかな』と」

 そして、今回の震災でも各地で問題となったのが水不足です。そんな時に渡辺さんがおすすめするのがウォーターパック。

 (渡辺賢二さん)「これの特徴としては、使わない時はぺちゃんこにできるのがペットボトルと違うところ。自分が1日どのくらい水に使うかってご存じですか?言えないでしょう?使ってみないと量ってわからないんですよ」

 事前に、1日に必要な水の量や手で持てる量を把握しておくことが大事だといいます。

 また、生活の中に防災を取り入れる方法も。紹介してくれたのは、ファスナーを開けるとライフジャケットになるという「浮くっしょん」(大人用:税込み8250円 キッズ:税込み3980円・4400円)。

 (渡辺賢二さん)「災害になった時にスムーズに使うようにしたほうがいいので、自然の中で楽しみながら使ってもらうのが一番がいいかなと思います」

2024年01月12日(金)現在の情報です

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