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新型コロナ第8波到来?中国では感染者が6億人超えか...水際対策「中国の狙い撃ちは意味なし」欧米で急拡大のオミクロン派生型『XBB.1.5』のリスクは?

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 新型コロナウイルス第8波の感染拡大が世界的な広がりを見せつつある中で、中国ではすでに6億人以上が感染しているとの見方もあります。中国人インバウンドが期待される日本の水際対策について大阪公立大学大学院・城戸康年教授は「検疫を強化してもすり抜けがあるので中国狙い撃ち水際対策は意味がない」と話します。そんな中、気になるのがオミクロン株の派生型「XBB.1.5」が欧米で急拡大しています。これまでで〝最も感染力が高い〟といわれ、日本への上陸が懸念されていますが、城戸教授は「重症化リスクはどうやら『なさそうだという意見が大勢』との見方を示します。(2023年1月5日MBSテレビ「よんチャンTV」より)

感染「一日100万人」数字をどう評価する

「脱ゼロコロナ」の中国では、人口の半数近く、6億人以上が感染かと見られています。中国東部の浙江省(人口6500万人)では、1日当たり感染者が100万人を超え正月前後は200万人感染者がいたとみられています。また感染対策が緩和されたため、感染者数と死者数の発表も月1回となっていまして、感染状況は不透明な状況です。城戸教授はこの数字をどういうふうに見ていますか。

(城戸康年 大阪公立大院教授)これまで厳しいゼロコロナ政策を行ってきた中国ですが、一気に開放してかつてないほどの感染の波がやってきている状況かと思います。

―――ワクチン接種の状況はどうなってるんでしょうか?

中国が国内で開発したワクチン接種を広く進めていて、少なくとも1回接種をした人は中国産ワクチンであれば90%程度が接種していると公表されているようです。これまで3年間、欧米や日本が大きな山に苦しんできたのと同じように、中国が初めての大きな山ですので、一時的な死者の増加など社会的な混乱が続くと思いますが、このスピードで感染が広がれば、ほとんどの人が感染した状況というのがまもなくやってくるので、そうすると、沈静化が予測されます。

―――世界にウイルスが拡散されることになるのではないか、ということについては。

これは中国だけではありませんが、欧米が新規感染者のカウントを積極的にすることはやめ、海外旅行も広がりました。そのため欧米がウイルスが広がったもとになったんですが、これまで感染をしていなかった中国の余地があったところに感染をして、外に広がるということになると、世界中でウイルスがかつて3年間ないほど広がる状況になることは、間違いないと思います。

中国「狙い撃ち」の水際対策に実効性は

―――日本と中国の行き来です。中国は今月8日から水際対策が緩和され、入国者のこれまで8日間あった隔離措置が撤廃されます。また、国外旅行も事実上の解禁となりそうです。いっぽう日本は岸田総理が、今月8日から中国からの入国者に臨時的な措置を強化すると発表しています。ただ、城戸教授の考えとしては、「検疫を強化してもすり抜けが多発し、実効性が無い」と疑問視されています。むしろ医療費負担や、医療アクセスの問題、マスクの習慣など、このあたりに関する「法整備」などをするべきとお考えなんですね。

はい。今中国がゼロコロナ政策をやめて大きな波が来たので目立っているだけですが、いま全世界的に第8波に相当するような感染の流行があることは間違いないです。なので、中国だけを狙い撃ちにするような水際対策をやっても、実効性はかなり乏しいと思われます。日本は外の国を心配するのではなく、今後持続可能な日本のシステムをどう取り戻していくのかということに議論やエネルギーを集中していくべきかと思います。

―――岸田総理は「マスク着用」に関しては専門家の意見を聞きながら考えていかなければならないと話しましたが、マスクに関して先生はどうお考えですか。

今までユニバーサルマスクといって、全ての人がマスクをどんなときも着用するということが求められてきたわけですけれど、それをやっても感染しているわけなので、その実効性というのは乏しいと言わざるを得ないと思う。必要なときに必要なところ、例えば病院の中とかそういうところに集中して、メリハリの効いたマスク着用というのが必要かなと思います。

(三澤解説委員)長い目で見ると先生の言う通りですが、今波が来ている中で、政府として防疫措置をきちんと取らなきゃいけないというのは確かだと思うんです。台湾の現地紙によると、空港に着いた中国本土からの客の4分の1が陽性だったという話もあったと。短期的に見ると広がっちゃうので、国としては防疫措置を取らざるを得ないんでしょう。また長い目で見ると、こういった法制度の整備をやっていかなきゃいけないので、そこのバランスなんでしょうか。

―――そんな中、気になるデータがオミクロン株の派生型「XBB.1.5」が欧米で広がりつつあります。ニューヨーク州ニュージャージ州のデータではこの1ヶ月でぐっと増えてきてるのが「XBB.1.5」で72.2%がその株に感染しています。ものすごく早い置き換わりが進んでいることがわかります。WHOは、これまでで最も感染力が強い。免疫を回避する。4日時点で29カ国で確認されたと発表しています。

XBBは、オミクロン株の仲間ではあるんですが、これまでの免疫からは逃れる作用が強いと言われてます。ワクチンを打ってても感染しやすいということになります。

―――ただ先生の見立てですと、日本への上陸も考えられるが、リスクはそれほど大きくないんじゃないか。

はい、リスクといっても様々なものがあるわけですが、感染力が強くて、免疫を逃れるリスクの可能性が高いのは間違いないと思います。しかし、多くの人が気になるのは、オミクロン株では「弱毒化」したと言われますが、それが元の世界に戻って重症化するようなことが多いかということですが、それはどうやらなさそうだという意見が大勢のように思います。元に戻ってしまうとようなリスクは切迫していないのではないかと思います。

2023年01月05日(木)現在の情報です

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