たまごの黄身は「黄色」というのが一般的なたまごですが、その黄身が「白色」のたまごを高校生が開発したということです。MBSの前田春香アナウンサーが、黄身が「白いたまご」を開発した京都にある農芸高校を取材しました。
農業や畜産を学ぶため校内に牛舎や鶏舎がある『京都府立農芸高校』
京都府南丹市にある『京都府立農芸高校』。
生徒たちがいる建物へ案内してもらうと、たくさんの牛がいました。
(畜産コースの実習担当 村西聡先生)
「毎朝まずは来て作業をするというのが基本になっていますので」
京都府立農芸高校では、農業や畜産を学ぶため校内に牛舎や鶏舎があります。生徒が主体となって牛46頭、ニワトリ98羽(今年7月現在)を飼育しています。
(前田アナウンサー)
「すごくきれいな牛舎ですね。私、北海道出身で幼い頃、牛の乳しぼりしていたんですが、こんなきれいな牛、あったことないです」
実は前田アナウンサーは、人より牛が8倍多い街、北海道別海町出身で、乳しぼりに熱中して過ごしたという畜産女子。
(前田アナウンサー)
「もうね、本当に子どもみたいですね。かわいらしい」
牛好きな女子高校生ならではの「あるある話」も
今回、前田アナウンサーが出会ったのは畜産コースに通う3年生の生徒たち。宗川さくらさん・三崎優愛さん・池田真央さん・小瀬千笑さんの4人です。
全員、家の仕事が農業や酪農ではありませんが、このコースを選んだ「牛大好き女子高校生」なんです。
牛の世話や乳しぼりをなんなくこなす彼女たち。前田アナウンサーも乳しぼりを手伝うことに。
(前田アナウンサー)
「お、出るー!結構出る。温かい。すごく久しぶりに触って懐かしいです」
生徒たちに牛好きならではの「あるある話」を聞いてみると…。
(宗川さくらさん)
「牛の臭いにあまり気づかなくなって、外に出たときとかに『なんか牛の臭いがする』みたいな感じで言われることはあります」
(池田真央さん)
「(授業中)牛を引っ張ったりすることが多くて、女子がみんなたくましい」
さらに、こんな「あるある」も。
(小瀬千笑さん)
「牛の写真がSNSのアイコンになってたりとか」
(小瀬千笑さん)
「自分の好きな子のめっちゃうまく撮れた写真をアイコンにします」
(前田アナウンサー)
「ちょっと衝撃なんですけど!私の高校時代と全然違いますね」
一見「普通のたまご」だが茹でると…!?
本題の「白いたまご」がある場所へ案内してもらいました。
(前田アナウンサー)
「元気にニワトリたちが鳴いていますね。白いたまごを見せてもらえますか?」
(宗川さくらさん)
「こちらが白いたまごです」
(前田アナウンサー)
「見た目は普通のたまごですね」
生のままではまだ黄色いですが、このたまごを茹でると…。
(前田アナウンサー)
「見てください。全く黄色じゃないです。遠くから見たら、白身と黄身の境目がわかりにくいと思います。全部白身のようです」
茹でると、黄身の白さが際立ちます。
気になるのは味ですが…。
(前田アナウンサー)
「おいしいです。普通のたまごと変わらない」
白いたまごを「継続的に産ませられず」開発断念の過去も
白い秘密は、ニワトリの種類ではなく、エサの違いです。黄身の色は、エサであるトウモロコシの黄色に由来するとされ、トウモロコシの代わりに玄米を与えると「白いたまご」になるといいます。
この高校では、以前から「白いたまご」はできていたものの、安定した供給ができず開発を断念した過去がありました。今回、京都府立農芸高校の生徒4人が成し遂げたのは、白いたまごを「継続的に産ませること」なんです。
(宗川さくらさん)
「(エサを玄米にして)2週間を過ぎたころから一気にたまごを産まなくなったので、エサが違うっていうのはわかっていたんですけど、どうやったら産ませられるかわからないので」
そうした中、府の畜産センターの助言で、たまごを産むために必要なリノール酸などが不足している可能性をつきとめました。そこでリノール酸を含むサラダ油をエサに混ぜ込むなどし、3か月後には安定して「白いたまご」を産ませることができるようになりました。
(前田アナウンサー)
「高校の勉強と並行して、白いたまごの研究をやられているわけですよね?」
(宗川さくらさん)
「毎日残っていましたね。産み続けてくれたのが何よりもうれしかった」
(池田真央さん)
「みんなで残って飼料作ったりするのも楽しかった」
白いたまごを食べてもらい「学校の発信にも繋げていきたい」
安定供給に成功した白いたまごは「玄米タマゴ」という名で現在、京都市内のホテルのレストランに出荷され、ランチメニューに使われています。
(前田アナウンサー)
「これからどうしていきたいっていう展望はありますか?」
(宗川さくらさん)
「例えばロールケーキを白くしたりとか、白にこだわったらそこにも付加価値をつけられるのではないかなということで、今後もいろんな方に『白いたまご』を食べていただいて、学校の発信にも繋がっていったらいいなと思います」