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「大阪の医療は崖っぷち」"第4波"で満床続く重症病床の今を取材 基礎疾患ない20代も人工呼吸器が必要な状態に

2021年04月23日(金)放送

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新型コロナウイルスの感染拡大により重症病床がひっ迫する大阪で、1床でも病床を空けるために奮闘する医療従事者。『第4波の患者急増で大阪の医療は崖っぷち』。救急現場の切実な訴えです。

“第4波”は経験したことのない最悪の状況「どう今を乗り切るのかという状態」

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大阪府守口市の関西医科大学総合医療センターで撮影された映像。防護服に身を包んだ医師や看護師がコロナ重症患者の痰を吸引しています。肺に水がたまらないように患者をうつぶせにしますが4人がかりの作業です。
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(電話で話す医師)
「1S(重症病棟)からフォローアップセンターに頼める人がいないみたいなんです」

(医師)
「常に電話があって、大阪府とやりとりです」

患者を診る医師が電話の前で転院先の調整に奔走する。これが重症病棟の日常です。関西医科大学総合医療センターでは、2020年から新型コロナウイルスの患者を受け入れ、病床を52床に増やしました。そのうち20床は重症病床で満床が続いています。

4月22日の取材。入院患者のリストには「変異株」の文字が並んでいます。

(関西医科大学総合医療センター 中森靖教授)
「これは、きのう(21日)にあがってきた変異ウイルスのPCRですけれども、陽性患者全員が“プラス”。全員変異株、イギリス株なので。スクリーニングしても意味がない」
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当初からコロナ患者を診てきた救命救急センターの中森靖教授は「“第4波”はこれまで経験したことのない最悪の状況だ」といいます。

(関西医科大学総合医療センター 中森靖教授)
「完全に受け入れのキャパシティーを超えてしまっているので、どう今を乗り切るのかという状態ですね」

「自宅待機」から重症病院に来る患者が増加

今、どんなことが起きているのか。表を見せてもらいました。

(関西医科大学総合医療センター 中森靖教授)
「これがちょうど“第4波”の始まりのころです(3月末~4月初旬)。この人たちがどこから来たかということなのですが、全部ずらっと並んでいるのは病院・病院・病院って並んでいて、スムーズに流れているときは中等症の病院で治療して、その一部の人が重症化して重症病床に来るという流れ」

しかし、今は…
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(関西医科大学総合医療センター 中森靖教授)
「自宅・自宅・自宅・ホテル・自宅、病院がたまにある。これはどういうことかというと、重症病院に来る患者の多くが自宅待機中やホテルで療養中に悪化して重症病院に来ているということ」

関西医科大学では、感染拡大に伴って重症病床を増やしてきましたが、限界がきているといいます。

(関西医科大学総合医療センター 中森靖教授)
「本来なら全部救命センターなので、交通事故の患者や心筋梗塞とか脳卒中の人が入っていた病棟なのですが、もう誰もいません。全員コロナ患者になっている。ここから先、さらに重症病床を増やすのであれば、通常医療をどんどん止めていく。手術をやめてICUを確保するのか、通常の部屋を改造してそこで人工呼吸していくのか、その選択を迫られている」

そのため重症病床では毎日患者の「入れ替え」が行われています。この日も、ある患者が中等症の病院に転院していきました。本来なら経過を見続けたい状態の患者ですが、1床でも重症病床を空けるためのやむをえない判断です。

(関西医科大学総合医療センター 中森靖教授)
「コロナ肺炎というのは、人工呼吸器が抜ければすぐ良くなるものではなくて、そこから先でまた悪くなってしまう人がいます。先方(中等症の病院)で悪化している患者も、一部いるんじゃないかと予想されます。本当にひやひやしながら転院していただいています」

軽症で自宅療養していた70代男性 12日後に救急車で搬送

救急車で運ばれてきた70代の男性。4月10日に感染が確認されたのですが、軽症のため自宅療養となっていました。しかし…

(関西医科大学総合医療センター 中森靖教授)
「4月10日(感染確認時)のCTと今日(4月22日)のCTを並べているが、4月10日にPCR陽性になったときには肺炎像はほぼ無いんです。それが12日後の今日(4月22日)には、いっぱい肺炎像がある。」

肺には12日前にはなかった白い影が写っています。状態は悪化していました。

“重症化リスクの低い”20代でも人工呼吸器が必要な状態に

そしてこの第4波。厳しい状況に置かれているのは高齢の人たちだけではありません。若い人でも重症化が起きているのです。大阪市内から救急搬送されてきた20代の男性。基礎疾患や喫煙歴もない重症化リスクの低い患者でしたが、人工呼吸器が必要な状態だったといいます。

(関西医科大学総合医療センター 中森靖教授)
「第4波になって、うちの病院でも20代で肺炎があって入院した人は4例目になります。20代の人もコロナにかかったら自分の命がなくなるのかもわからないという思いで新型コロナウイルスのことを考えてほしいと思います」

さらに、この患者は…

(関西医科大学総合医療センター 中森靖教授)
「搬送にすごく時間がかかってきて数時間待ちではもう済まなくなってきている。この患者も10時間現場で行き場がなくて、いよいよしんどくなって我々のところに運ばれてきた」

「大阪の医療は崖っぷち」

緊急事態宣言が出てこの先、日々の感染者数が減少傾向になっても、医療現場には今より厳しい状態が遅れて訪れるだろうと中森教授は予測します。

(関西医科大学総合医療センター 中森靖教授)
「第4波の急激な患者さんの増加で大阪の医療は崖っぷちの状態です。この状況を打破するには医療の提供体制を拡充するか感染者を減らすしかないと思います。我々も微力ながらできる限り頑張ろうと思いますが、急に病床を増やすのは極めて困難な状況です。みんなで力を合わせてこの難局を乗り切っていきたいと思います。みなさんご協力をよろしくお願いします」

(4月23日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)

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