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あわや事故!"映え"な大鳥居を求めて『危険な横断』が頻発...車が行き交う道路を無理やり渡る人々 理由は「近くから撮ろうと思ったくらいの話」 対策しても飛び出す状況に宮司困惑

特盛!憤マン

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 人気の“映えスポット”で命知らずの危険行為が横行しています。絶景を写真に収めようと、車が行き交う道路を横断歩道も信号機もないのに無理やり渡る人たちが後を絶たないのです。

琵琶湖の中に立つ大鳥居 絶景を求めて道路を無理に渡る観光客たち

 滋賀県高島市にある白鬚神社。琵琶湖の中に立つ大鳥居は、その美しさからSNSで話題になり、海外からも多くの人が訪れる絶景スポットとなっています。
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 (訪れた人)「広々としていて本当に気持ちがいいです」
 (台湾から訪れた人)「ビューティフル。ベリーナイス。大好き」
 (訪れた人)「写真に収めました。美しいですよね、向こうにお伊勢さんを拝むという」
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 しかし、この大鳥居をめぐり宮司の高橋さんは長年、ある問題に悩まされているといいます。

 (白鬚神社 高橋敬一宮司)「きょろきょろして車が途切れた瞬間に向こうの方に渡られる。ここは横断歩道も信号機もない。急に車が止まったということで追突事故が何件かございました」
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 神社の本殿と鳥居を隔てる国道を無理に横断する人が後を絶たないというのです。道路には横断歩道はなく、トラックなどの大型車両が猛スピードで行き交います。交通量も激しく、歩いて渡るにはかなり危険な場所です。

次々に道路を横断する人々 ドライバーも困惑

 現場の様子を知るべく、取材班が張り込んでみました。朝日が昇りはじめた午前7時、日の出とのショットをとらえたいのか、ひとり、またひとりと道路を横断する人がいます。
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 柵を乗り越え、立ち入り禁止のエリアまで行ってしまいました。
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 その後も、次から次に道路を横断する人が。中には小さな子どもを抱えて横断する親子連れの姿も見られました。

 あわや事故一歩手前。危険を顧みない行動にドライバーたちも困惑しています。

 「人がぱっと出てきたりするので、気を付けてここは走るようにしてます。(Qひやっとした瞬間は?)結構ありますね」
 「嫌ですね、やっぱり。向こうはちゃんと見てるつもりなんでしょうけど、運転している方から見るとやっぱり怖かったですね」
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 道路の先は緩やかなカーブになっていて、走ってくる車が見えにくい状態になっています。また、そもそも人が渡る場所ではないので、車もスピードを緩めません。

 3年前には、鳥居の写真を撮りに来ていた男性が道路を横断中に車にはねられ死亡するという悲惨な事故が起きました。

危険なのになぜ渡る?「近くから撮ろうかなと思ったくらいの話」

 それでも続く命知らずな行為。なぜこうまでして渡りたいのでしょうか。道路を横断していた人に話を聞きました。

 「神社の写真を撮ろうと思って。近くから撮ろうかなと思ったくらいの話です。(Q車にひかれそうになっていなかったか?)ひかれそうにはなってなかったです。(Q見ていて危なかったが?)なるほど。すみませんでした、それは」
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 「子どもがいたので怖かったのはありますけど、タイミングを見てという感じですね」
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 インスタグラムに上がっている白鬚神社の写真を見ると、鳥居全体がきれいに映ったものや、湖のぎりぎりまで近づいて撮影されたとみられるものが多く投稿されています。
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 こうした“映え”な写真を道路の手前から撮影することは難しいようで…。
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 (横断せずに撮影した人)「ガードレールが邪魔でだいぶひどい…ひどいというかよくわからない写真になってしまいました。(Qここからでは撮りにくい?)道路を渡ったら危ないということなので。控えめに後ろから撮ろうとするとなかなか難しいですね」

 画角にどうしても納得できないのか、道路を無理やり渡って写真を撮る人が後を絶ちません。

「展望台」や「外国語で注意喚起するスピーカー」で対策するが…

 こうした状況に神社側も手をこまねいているわけではありません。3年前には、地域のボランティア団体の協力を得て展望台を建設。ここから鳥居全体の写真がきれいに撮れるようになりました。

 (白鬚神社 高橋敬一宮司)「今となりましては高島市内で有数の利用数を誇るスポットになりました」
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 また、3か国語の看板で外国人観光客にも横断の危険を呼びかけます。さらに、人が近づくと外国語で注意喚起の音声が流れるスピーカーも設置。ところが...
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 (記者リポート)「ガードレールがない場所で写真を撮れるのはあそこだけだからでしょうか。道路を渡って写真を撮っています」

 看板は目に入らなかったのでしょうか。話を聞くと…

 (香港から訪れた人)「(Qあの看板は見た?)はい、とても危ない。(Qでも渡った?)いい写真が撮りたかったんだよ、だから渡ったんだ」
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 なくならない危険な横断。“神社だけで対策するには限界がある”と、宮司の高橋さんは2022年4月、国や県に対策を要望しました。

 (白鬚神社 高橋敬一宮司)「神社の方でも考えましたし、悩みました。ただこのままの状態ですと、以前と変わりなく横断される方がこれからもいらっしゃるかもしれないということで、神社としては参拝者・観光客の安全確保が第一と考えました」

 そしてついに今年2月、新たな一手が。鳥居側の道に、より高さのある柵が新設されることになったのです。柵は高さ110cmあり、鳥居の前100mにわたって設置することで渡ろうとする人への抑止力になればという狙いです。
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 約1週間の工事を経て、以前は70cmしかなかった木製の柵をひとまわり大きい鉄製のものに新調しました。景観は損ねてしまうものの、安全対策を優先させた苦渋の決断でした。

それでも道路を渡る人たち 神社側「残念」

 では、その効果はあったのでしょうか。取材すると、まだ渡る人がいました。走ってくる車などお構いなしに横断する男性や、皮肉なことに完成したばかりの柵によりかかって写真撮影する男女も。その後、男女は駆け足で戻ってきました。こうした状況に宮司の高橋さんは…
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 (白鬚神社 高橋敬一宮司)「どうしても、向こう側がどうなっているんだろうと渡ろうとする方はいなくなったわけではありませんので、そういう意味では残念な気がいたします」

 いくら注意をよびかけても聞く耳を持たない向こう見ずな人たち。神様の手前、身を滅ぼすような危険な行為は控えるべきではないでしょうか。

2024年03月08日(金)現在の情報です

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