2023年07月27日(木)公開
【天神祭の影】駐車場で飲み食いする若者...指摘した記者には「黙れお前」大量のゴミ散乱・立ち入り禁止も無視・多くの人が信号無視も「酔うとってわからへん」
特盛!憤マン
4年ぶりに完全復活した「天神祭」。3000発の奉納花火が夜空を彩り、多くの人たちが“戻ってきた大阪の夏”に心躍らせました。その一方で問題となっていたのが『迷惑行為』です。大量のゴミ、私有地で酒盛り、信号無視…。にぎわう祭りの“影の部分”を取材しました。
天神祭『迷惑行為』に備える街
7月26日午後4時、花火打ち上げまで3時間余り。大阪天満宮の周辺には既に多くの人が集まっていました。
一方で、あちこちでこんな貼り紙が…。
(記者リポート)
「こちらの住宅では『ゴミ捨てや立ち入りはご遠慮ください』との紙が貼られています」
会場近くの住宅街では、天神祭のたびに起こる迷惑行為に悩まされ続けていました。
(地元住民)
「この辺に座ってちょっと食事をしてゴミをそのまま置いていったり、もっとひどいこともいろいろ…用を足されたりということもあったので、それで書かせてもらっているんです」
対策は周辺のビルでも。バリケードを張って敷地に入れないようにするなど迷惑行為に備えます。
約132万人が訪れた天神祭。大量のゴミが出ることが予想される中、周辺には100個以上のゴミ箱が設置されました。
各所で迷惑行為への対策が進められる一方で、「トイレ1回300円」と書かれた店を発見しました。
(店の人)
「毎年トイレ問題があるので、貸しますよということです。どこも貸していないんで。目標は3000円ですね、10人。10人で3000円です。(Q今まで利用した人は?)いまはまだゼロです。これからです」
翌日確認すると、この日は2人のトイレ利用があったということです。
「立ち入り禁止エリアに座り込む人」「あふれかえる大量のゴミ」
午後5時、花火の時間が近づいてくると会場周辺は人でごった返してきました。
(記者リポート)
「時刻は午後5時45分過ぎですが、道路に人があふれかえり車が通れなくなっています」
同時にあちこちに座り込む人の姿が目立つようになってきました。よく見ると、立ち入り禁止のシールの上に堂々と座り込む人たちもいます。
(記者)「ここは立ち入り禁止のエリアになっているんです。ご存じでしたか?」
(座る人)「いいえ、知りません」
(記者)「知りません…書いてあるんですけど」
(座る人)「なんていうの、ずっと座っている人もいたので、座っていいのかなと」
しかし、その後も座る人の姿が絶えません。
(記者)「ここはマンションの所で立ち入り禁止って書いてあるんです」
(座る人)「すみません、ごめんなさい」
(記者)「気付かなかったですか?」
(座る人)「いっぱい座っている人がいたので」
また、周辺では花火前にもかかわらず設置したゴミ箱がゴミであふれかえります。人出が増え、辺りにあっという間に空き缶や空き瓶が散乱。置かれた自転車のかごの中にも大量のゴミ。さらに…。
(記者リポート)
「こちら、ゴミ箱ではないのに、ゴミが山のように捨てられています」
屋台の隣で、本来ゴミ箱ではない場所にも続々とゴミが捨てられます。
(記者)「そこはゴミ箱?」
(屋台の人)「違う、ここにみんな捨てていくんや。
(記者)「店の隣で迷惑?」
(屋台の人)「迷惑や」
いよいよ花火がスタート…天満橋を大勢の人が埋め尽くす
そして午後7時半、花火が始まりました。4年ぶりに大輪の華が夏の夜空を彩ります。そのころ天満橋は大勢の人が橋を埋め尽くします。
(警察)
「橋の上では立ち止まらずにお進みください。雑踏事故の原因となります」
呼びかけもむなしく…カメラ片手に『橋からの特等席』を譲る気配はありません。また一方通行にもかからず逆走する人もいました。別の場所でも…。
(記者リポート)
「橋の上で座りこんではいけない場所なんですけれども、橋の欄干の上と下に関係なく大勢の人たちがここで立ち止まったり座り込んだりしている状況ですね。交通がふさがっていて非常に危ないです」
さらに、こんなトラブルも。
(記者リポート)
「京橋方面に渡ってすぐのところです。交通規制が敷かれているんですけれども、道路には乗用車1台が止められています。なにかトラブルでもあったのでしょうか」
通行止めのエリアに軽自動車が侵入する事態がありました。けが人はいなかったということです。
信号無視!私有地でたむろ!悪びれる様子もない不届き者たち
そして4年ぶりの奉納花火が終わりました。その直後、午後9時には…。
(記者リポート)
「現場でいま体調が悪くなった人がいるということで、救急車が現場に向かっています」
体調不良を訴えて搬送される人もみられました。ここから一気に駅方面に向かう人たち。辺りは大混雑です。中には交通ルールを守らない不届き者も!
(記者リポート)
「危ないです!赤信号にもかかわらず多くの人が横断しています。危ないです」
(警察)
「信号の色が変わってから移動してください。小さな子どもが見ていますよ。ルールぐらい守ってください」
(記者)「お父さん信号が赤ですよ、危ないですよ。いま信号赤じゃなかったですか?」
(男性)「酔うとってわからへん」
(記者)「危ないかなと思ったんですけど?」
(男性)「ごめんね」
(記者)「ひかれたら危ないなと」
(男性)「死んでもいいんですわ、ジジイやから」
そして会場近くの駐車場。私有地にもかかわらず多くの若者がたむろし、ゴミが散乱した状態。その場に寝そべる人の姿も…。
(記者)「駐車場なので食べないほうがいいのでは?」
(若者)「黙れ、お前!」
(記者)「ゴミやタバコも捨てていますし、持ち帰ったほうがいいと思うが?」
(若者)「そのつもりです」
(若者)「他の人も食事されてますけど?」
(記者)「他の人もそうなんですけど」
(若者)「ばいば~い」
大量のゴミはボランティアが回収『天の神様のお祭りにこれだけ汚して…』
周辺に散乱した大量のゴミ。これらを回収する人たちがいました。
(ボランティア)
「すごいですよ、ホンマに。見たこともないゴミの量ですね」
ボランティアグループの「ダストバスターズ」です。100人規模で祭りを影から支えます。
屋台の隣にゴミが散乱していたあの場所も、きれいにゴミが集められました。これには店の人も…。
(屋台の人)
「ありがとうね、ご苦労さまです。こんなうれしいことないわ、ありがとう。みなさんありがとうございました」
回収したゴミは100箱以上にもなりました。活動は深夜2時ごろまで続きました。
(ダストバスターズ 河本あゆ子さん)
「天神様は『天の神様のお祭り』にこれだけ汚してしまっているというのは、私はそれが気になって参加しているので。結局、誰かが掃除している。それが誰かということに思いをはせてもらえたらいいかな」
そして午前7時、朝になり…。
(記者リポート)
「こちらの駐車場では飲み食いをしたのでしょうか、酒の缶や食べ物の容器などが捨てられている状態です」
一部では空き缶や食べ物の容器などが残されたままになっていました。朝から掃除をする人の姿もありました。ボランティアや住民の活動のかいがあってか日常を取り戻しつつあります。
4年ぶりの花火に心躍らせた夜。楽しい思い出を汚さないためにも、ひとりひとりがルールを守ることが求められています。
2023年07月27日(木)現在の情報です