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「あなたならこの家に住みますか?」新築マイホームが『床下に水たまり』『壁一面にシミ』『全体がカビ臭い』怒る家主に...業者Xは「責任ない」と主張

特盛!憤マン

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 夢のマイホームが雨漏りだらけ!?「こだわりの注文住宅が欠陥住宅に…」と家主は憤っています。ところが、家を建てた業者らは「責任はない」と主張しているというのです。一体なぜこんなことになってしまったのでしょうか?

「床下がプールみたいに…」

 大阪府枚方市の閑静な住宅街にある2階建ての一軒家に住む田中さん夫婦(仮名)。

 (記者)「すごくきれいでおしゃれな家ですね」
 (田中さん・妻)「ありがとうございます。一見そうなんですけど…」
 (田中さん・夫)「ぱっと見、そうなんですけど…」
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 田中さん夫婦は子ども3人と母親の6人暮らし。10年前に約3800万円をかけてこの家を建てました。白を基調とした内装が自慢ですが、住み始めてまもなく、家のあちこちで異変を感じるようなったといいます。
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 まず案内されたのは1階の部屋。なんと床板がありません。

 (田中さん・妻)
 「ここにそもそも家財道具を置いていたりすると、例えば桐ダンスとかが下からものすごいカビがくるんですよ。なんでだろうと思ってたんですけど、1回床下を開けてみたんですね。そしたらもう5cmくらいの水が一面に溜まっていて」
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 床板をめくると、なんと床下一面に水たまりができていたのです。床板は今も取り外したままで、部屋としてはまともに使えないといいます。

 (田中さん・妻)
 「ここは元々は子どもとかの寝室にしようと思っていたんですけれども、床下がプールみたいになっていて。もう今は物置ぐらいにしか使えないです」

「シミが壁一面に…」

 天井には雨漏りの痕もあります。

 (田中さん・妻)
 「屋根裏収納庫がこの上にあるんですけど、浸水で中の木が腐っていまして。シミが壁一面にものすごく濃く出てしまって。漏水で木がダメになっていて、それが染み出ているっていう感じですね」
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 さらに2階の寝室。

 (田中さん・妻)
 「ベランダからの水漏れなんですけれども、建築士さんに点検構を作っていただいて見たところ、ここ一面に水が入っていた形になります」
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 家のあちこちで起こる雨漏り。田中さん夫婦は雨の日は気が気じゃないと話します。

 (田中さん・妻)「大雨が降るとね、怖いですね」
 (田中さん・夫)「梅雨や大雨の時は漏れないか心配になりますよね」
 (田中さん・妻)「雨が続くと家の中全体がカビ臭いので、子どもを住ませたくはないです。正直言うと。カビ臭い家に住ませてしまうというのが子どもに申し訳なく思います」

一級建築士「屋根の張り方に問題がある」

 なぜこれほど雨漏りするのか。一級建築士の石井修二さんに見てもらいました。まず向かったのは屋根裏部屋。

 (一級建築士 石井修二さん)
 「こういうふうに木の所が非常に腐っています」
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 壁を触ると…。

 (一級建築士 石井修二さん)
 「ボロボロと落ちてしまっている」
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 (一級建築士 石井修二さん)
 「黒く見えるのは全部カビなんです。屋根全体でどんどん水が漏っているということなんですね。ここまで腐食したものは見たことないですね」
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 石井建築士は、屋根の張り方に問題があり、雨水が屋根から入り込み、壁を伝って他の部屋に流れ落ちている、と指摘します。

 (一級建築士 石井修二さん)
 「この屋根は金属板を張ってありますが、上の方が勾配が緩い。緩い所までこういうふうに重ねていくと、重ね部分から水が入りやすいから、緩やかな所は重ねて張ってはいけない」

建築業者Xは一部の施工ミスは認めたが…

 雨漏りを防ぐには屋根を全て作り替える必要などがあり、少なくとも約2200万円の費用がかかるといいます。そこで田中さん夫婦は、家を建築した業者Xに対して修繕費を支払うよう求めました。
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 ところが業者Xは次のように返答しました。

 【業者Xからの示談書案より】
 『解決金として880万円をお支払いすることで解決したいと考えています』

 一階床下の漏水については施工ミスを認めたものの、他の漏水箇所については責任はないというのです。

 (田中さん・妻)「こちらの請求額(約2200万円)に対して約800万円という返事なので、最初きた時はびっくりしました。調査報告書というすごく分厚い報告書を送らせていただいているんですけどね」
 (田中さん・夫)「調査報告書に対する見解等は一切なく、弁護士を通じて約800万円で手うちでどうですかと連絡してきた」

 取材班が改めて業者Xに取材を申し込むと、代理人から文書で回答がありました。

 【業者Xからの回答書より】
 『漏水箇所については、設計者であるA氏の設計と指示により施工した工法であり、これら工法選定から生じた過誤の責任は、施工業者である弊社ではなく、設計・施工監理者であるA氏が負うべきものです』
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 田中さんは、外国人のデザイナーA氏に家のデザインを依頼して、このデザイン案を基に業者Xから依頼された建築士B氏が設計、業者Xが建物を建築したといいます。設計と工事監理については誰とも契約を結んでおらず、業者Xは責任があるのは工事監理者であるA氏だと主張しているのです。
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 しかし、市に提出した建築計画書などには、設計者と工事監理者としてA氏ではなく、建築士B氏の名前が書かれていました。取材班はB氏に取材を申し込みましたが、B氏は「何も答えません」と回答を拒否しました。

住宅問題に詳しい弁護士の見解

 一方で住宅問題に詳しい辻岡信也弁護士は、建築士B氏に設計を依頼したことから業者Xが責任を免れるのは難しいと話します。

 (辻岡信也弁護士)
 「デザイナーA氏が設計の内容になるようなものを持ってきたというのであれば、その内容を確認する必要がありますけれども、それが仮にデザインだけだというのであれば、それを建物の形にしてつくりあげるのが設計のお仕事ということになります。その設計の仕事を誰がやったかという認定がされていくことになる。それが今回、業者Xの範ちゅうだということになると、業者Xの責任は免れない」

「あきれと怒り。あなただったらこの家に住みますか?」

 田中さん夫婦は、話し合いではらちが明かないため、業者Xらに対して損害賠償を求める訴えを起こすことも検討しています。

 (田中さん・妻)
 「怒りというか、あきれと怒り。あなただったらこの家に住みますか?と思いますね。本当に危ない場所に住んでいるので、早く何とかしたいという気持ちはありますね」

 終の棲家で起こった雨漏り被害。まもなく来る梅雨のシーズンにおびえながら、住人は解決の日を待ち続けています。

2023年05月02日(火)現在の情報です

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