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「人が巻き込まれていないのが奇跡」通学路にある事故多発の『危険な交差点』横転する車・家に突っ込む車・ひしゃげたミラー...警察も市も動けないの?

特盛!憤マン

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 去年1年間に5件も事故が起きている「危険な交差点」が滋賀県大津市にあります。一見何の変哲もない交差点なのになぜ事故が絶えないのでしょうか。近くには小学校や中学校があり児童らの通学路にもなっているため、近隣住民は早急に対策が必要だと憤懣しています。

事故が多発する「危険な交差点」

 滋賀県大津市の住宅街にある交差点が今回の憤懣の舞台です。
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 近くに住む上田正治さん(55)。ここ数年、この交差点に悩まされています。

 (上田正治さん)
 「事故のたびに近隣住民としては不安がついてまわりますね」
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 去年8月に撮影された映像。車と車が衝突して、片方の車は反動でひっくり返りました。映像には動揺しながら駆け付ける上田さんの姿も映っていました。運転していた人に大きなけがはありませんでしたが…。

 (上田正治さん)
 「急ブレーキ音が聞こえたら、やはり夜中でも目が覚めますし、大丈夫かなというのは頭によぎりますね。住民は口々に、また事故か、またけがしはったんか…という感じで」 
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 それもそのはず、事故はこの1件だけではありません。去年2月には、一時停止せずに交差点に進入したバイクが車と接触して横転する事故がありました。
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 さらに事故はおととし12月にも起きていました。車が一時停止せずに交差点に進入、ワゴン車と衝突して住宅に突っ込みました。ひしゃげたカーブミラーが事故の大きさを物語っています。
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 この交差点では去年1年間に5件の事故が起きています。

 (上田正治さん)
 「死亡事故だけは発生させたくないので。今回も軽微なけがで済んでよかったんですけれども。それだけは願っております」
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 交差点の近くには小学校や中学校があり子どもたちの通学路となっています。その一方で通行する車の量が多く住民らの心配はつきません。

 (近くの住民)
 「大きな音するで。ようあるけど事故が多いな。怖いわ、ほんまに。孫やひ孫がいるから」
 「子どもらが歩いているので、もし何かあったときに大惨事になるおそれがあるのかなと。怖いなと思います。人が巻き込まれていなくてよかったなと、今までそんなことがないのが一番奇跡というか」

渋滞を避けるための「抜け道」…多くのドライバーが一時停止せず

 狭い道路にもかかわらず交通量が多いのには理由があります。交差点があるのは「琵琶湖大橋」という琵琶湖方面へとつながる道と「県道558号」のすぐ近く。県道は市街地へとつながっていて、交通量が多い時間帯はなかなか前へ進みません。そこで、混雑した県道を避けるために、この交差点がある市道が抜け道として使われているのです。
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 では、なぜ事故が多発するのか。この抜け道は優先道路ではないため、交差点に進入する車は一時停止する必要があります。ところが…。
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 (記者リポート)
 「こちらの交差点、このように『止まれ』の道路標識があり、『止まれ』の文字が道路にも書かれているのですが、一時停止をしない車が後を絶たないといいます」

 周辺には「止まれ」の標識が数多く設置されています。しかし、現場で取材をしていると、完全に止まることなく進む車の姿が多く見られました。一時停止すべき車が止まらないことで事故が相次いでいるのです。

 (近くの住民)
 「スピードを落とさないときもありますよ。朝の早いときは車がクラクションを鳴らしてワーっと行くときもありますしね。危ないなと思って」
 「縦の道(優先道路)は昔からの住民さんからしたら主要道路になってるので、あんまり気にせずまっすぐ行かれる。それで向こう(優先ではない道路)から抜けて来られる方も一旦停止されない。それで出会い頭が多い」

見通しが悪い交差点…信号は付けられない?

 ただ、問題はこれだけではありません。取材班が交差点に向かう抜け道を走ってみると…。

 (記者リポート)
 「車の中から見ますと、住宅などが左右にあって、車はちょっと見えにくい感じがしますね」

 道路の左手には住宅が並び、右手の駐車場には車が駐車しています。そのため左右から交差点に侵入してくる車が見えにくいのです。
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 (上田正治さん)
 「事故は絶えないので何らかの対策が必要じゃないかと私は思いますね」

 『信号機を付けてほしい』という住民の声もあります。しかし、地元の警察は信号機を設置することで道路幅がさらに狭くなり、歩行者の安全が十分に確保できないことなどを理由に、現状はこの交差点に信号機を付けることはできないといいます。

管理する大津市の考える対策は?

 こうした状況をどう考えているのか。道路を管理する大津市に聞いてみました。

 (大津市 道路・河川管理課 安部学さん)
 「交差点で事故が起きるということでありますので、何かしら一定の対策が必要であるということは考えております」

 新たな対策として、大津市は道路に傾斜をつけて車のスピードを抑制する「ハンプ」の導入などを例にあげる一方で…。
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 (大津市 道路・河川管理課 安部学さん)
 「ハンプをつけると騒音が出てきます。交差点に隣接している住人の生活に支障をきたすおそれが出てくるかもしれません。新たな対策については慎重にことを進めていかないといけないと考えております。通学路という意味で申し上げますと、地元の方が言う早急な対策の必要性については認識しているのですが、それと同時に地域全体のご意見を聞いた上で対策について協議を進めていきたいというのが大津市としての考えです。現時点でいつまでにという目途はございません」
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 新たな対策に進展がない中、近隣住民は今も不安を抱え続けています。

 (上田正治さん)
 「事故があってからでは遅いと皆さんおっしゃるので、事故の前に手を打つというのも大切なのではないかと。行政や警察には一度真剣に考えてもらいたいと思います」

 子どもたちも通る危険な交差点。新たな事故が起きる前に対策が急がれます。

2023年03月28日(火)現在の情報です

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