2023年03月07日(火)公開
脱毛エステでトラブル急増『30年間通い放題』で契約したのに...店舗が次々『閉店』で怒りの声「詐欺にあったみたいな気持ち」
特盛!憤マン
低価格化や男性の美意識向上などで脱毛エステの利用者が増加しています。その一方でトラブルも増加していて、国民生活センターの2022年度(2月末まで)の相談件数は1万6921件で、2021年度の約4倍となっています。契約トラブルに巻き込まれた人たちは「話が違う!」と憤っています。
「脱毛エステのA社に騙された」書き込み相次ぐ
最近、利用者が増えている脱毛クリニックは、価格もリーズナブルになり、10代や20代の若者たちの間でも人気となっています。
(20歳 大学生)
「(Qどこを脱毛している?)全身やっています」
「結構している人多い。やっぱり処理が楽になるし、将来の自己投資」
(20代 学生)
「(脱毛は)全身ですね。(脱毛している人は)多いと思います」
(22歳 大学生)
「ひげと顎の、顔のパーツを脱毛していますね。顔とかひげはやっている友達も多いですね」
人気の一方で脱毛エステをめぐるトラブルも。
【SNS投稿より】
『詐欺の契約をさせられました。悔しくて涙が止まらない』
『最悪…返金してほしい』
『今から契約する人絶対やめた方がいい』
脱毛エステ店を展開するA社に「騙された」という書き込みが相次いでいました。
Bさん:『きょうなら半額30万円で30年間通い放題』で契約したが…
そのうちの1人、兵庫県内に住むBさん(25)。大学生だった2017年にA社の店舗を初めて訪れた際、店員から通い放題の全身脱毛コースを勧められたといいます。
(Bさん)
「全身脱毛を最初の契約では、倍以上の値段から『きょう契約されたら半額になります』ということで、半額で30万円。お得だなと思ったので契約をしました」
30年間通い放題で30万円という値段に魅力を感じ、Bさんはその場で契約。ところが契約してから1年後、問題が起こります。
(Bさん)
「最初に3か月に1回通えると言っていたんですけど、半年に1回とかしか予約が取れない。(Q予約が取りにくいなどの説明はあった?)全くなかったです」
半年に1回でも何とか通い続けたBさん。その後、施術のルールが変わると突然告げられます。
(Bさん)
「次の予約を取るために連絡をしたら、『有償のコースは8回、お客さまはもう11回通われているので、次からはセルフのご案内になります』というふうに案内されて。何を言っているのかなと思って」
店員が施術するのは8回まで。すでに11回施術を受けていたBさんはセルフ脱毛になると言われたのです。
当初と話が違うと思ったBさん。契約前に交わした同意書を確認すると…。
【同意書より】
『無制限コースの場合、8回目まで有償、9回目以降は無償サービス提供とさせて頂きます』
9回目以降の施術はあくまでも店側がサービスとして行っているもので、30万円分の施術はすでに終わっているというのです。Bさんは契約時にはこの記載について一切説明がなかったと話します。
(Bさん)
「契約したときには、今までと同じ施術が30年間保証で何回でも受けられますというふうに説明されていたので、セルフの話を聞いて見返した時に『本当だ書いている』というふうに思っただけで。何も知らなかったので、その時にすごく衝撃を受けたなというのを覚えています」
通っている店舗が突然閉店…一切連絡なし
店員に掛け合っても相手にされず、Bさんはしぶしぶセルフでの脱毛に通うことに。ところが事態はさらに悪化します。
(Bさん)
「去年の年末に予約を取ろうとしたら取れなくて。なんで取れないんだろうと思って口コミとかを見ていたら、『今月で閉店ってあっけらかんに言われた』みたいなことが書いてあって」
通っている店舗が突然閉店したのです。しかし、A社からの連絡は一切なかったといいます。
(Bさん)
「あきれるしかないですね。私たちのことはどうでもいいのかっていう状態。利用者側からしたら詐欺にあったみたいな気持ちになるので、許せないというか。何かしらの補償とかは受けたいと思います」
Cさん:契約後まもなく最寄り店舗が閉店…1時間半かけて通った別店舗も閉店
被害に遭った人は他にもいます。東京都内に住むCさん(39)は2016年、A社の通い放題のコースを30万円で契約しました。契約してまもなく、通っている最寄りの店舗が閉店したといいます。
(Cさん)
「横浜に通うように言われて、解約もできないというふうに話を進められて。私としては無制限を契約したばかりだったので、やっぱり通うしかないかなという気持ちしかなかったんですよ」
片道約1時間半かけて横浜店に通い始めたCさんでしたが、今年1月に横浜店も閉店したのです。
現在は大阪の1店舗のみに…「あくどいことをやっているのに平然と今も営業」
Cさんはその後、A社に対して補償を求めるべく「被害者の会」を結成。現在約100人が参加しています。
被害者の会のメンバーが横浜店の閉店後の対応についてA社に説明を求めたところ…。
【実際のスタッフとのやり取り】
(被害者の会・メンバー)「この後はどうすればいいですか?通うとしたら」
(A社・スタッフ)「通っていただける店舗が大阪にしかなくて」
(被害者の会・メンバー)「もうあと1店舗しかない?」
(A社・スタッフ)「そうなんですよ」
「大阪の店舗に通ってほしい」と言われたのです。
調べてみるとA社はかつて東京や大阪などに9店舗を展開していましたが、今年3月6日時点では大阪の1店舗以外は閉店していました。
(Cさん)
「とんでもない会社だなと思いますね。あくどいことをやっているのに平然と今も普通に営業しているし。そんな会社が普通にずっと営業を続けていたら、同じような被害に遭う人がどんどん増える」
契約時に説明がなかったセルフ脱毛への変更や店舗の閉店。取材班はA社に取材を申し込みましたが、取材対応は一切行わない、書面でも回答しないと話しました。
弁護士「法的には書面に不備…しかしA社が返金に応じるかは不透明」
A社に返金を求めることはできないのか。消費者問題に詳しい林尚美弁護士は、A社が作成した契約書には不備があると指摘します。
(林尚美弁護士)
「かなりいい加減な契約書だなと思いますね。9回目以降は無償サービスという内容が、どういう内容なのか書かれていないですし。法的には書面に不備があるということになるので、クーリングオフするということが可能になってくると思います」
一方で実際にA社が返金に応じるかは不透明だといいます。こうした被害に遭わないために甘い言葉には注意が必要だといいます。
(林尚美弁護士)
「その日じゃないとダメだとか言われて、今がお得とかね。そういうのにのせられて契約してしまうと損をすることがよくありますので、一呼吸置いていただいたほうがいいかなと思います」
被害者の会を結成したCさん。今後、集団訴訟も視野に入れて情報収集を進めています。
(Cさん)
「みんな女の子はきれいになりたいと思っていると思うので。良かれと思って契約したものが、こうして自分に悲しい形で返ってくるようなことになるというのはあってはいけないと思うので。自分のお金がもちろん返ってきてほしい気持ちもありますけど、これ以上同じような気持ちになる人が増えてほしくないっていう気持ちの方がやっぱり強いですね」
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