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1億7000万円で工事発注...引き渡し2日前に『追加6000万円』が必要に!? 町会と施工会社のトラブル キーマンは監理者の建築士A氏?

2022年04月11日(月)放送

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 兵庫県尼崎市の東園田町会が「町の会館を新しくしたい」と、建て替え工事を約1億7000万円で施行会社と契約しました。しかし建物は完成したのに、施行会社は「追加の工事費を払ってくれないと鍵は渡せない」と言っています。建物はできているのに使えないのはなぜ?実は間に入っている『ある人物』の存在が話をややこしくしているということなのです。一体何が起きているのでしょうか。

完成から約8か月…今も利用できない新施設

 兵庫県尼崎市の阪急園田駅。その目の前に、去年7月に完成した4階建ての福祉施設「東園田町総合会館」があります。町会の事務所や会議室、地域住民が利用できる施設のはずでした。
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 中を覗くと、段ボールや脚立のほか、町会の看板も放置されています。完成してから約8か月。地域住民らは一度も利用できていないといいます。一体、なぜなのか?
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 建て替え前の会館などで気功サークルを主催していた徳永泰子さん。建て替えられた会館が利用できないため、徒歩20分ほど離れた別の施設を使わざるを得ないというのです。

 (気功サークル代表 徳永泰子さん)
 「やっぱり遠いからそれが一番ネックみたいですね。半分くらいに減りました。ちょうど今6人いるから、5人くらいはやめましたね」
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 活動場所が駅から離れたことで参加者が半減していました。

 (気功サークル代表 徳永泰子さん)
 「前の地区会館のようになってほしいなと思っています。場所はいいです。(Q使えないと聞いた時はどう思いました?)がっくりしましたね。えーどうして、なんでダメなの、ちゃんとできているじゃないのって思いました。(Qなんで使えないのかご存じですか?)だいたいはね。町会と施工会社がうまくいかないとかっていうのは聞きました」

 新会館が使えない理由は、町会と施工会社とでトラブルになっているからだというのです。

 新たな福祉施設が使えない。困惑しているのは気功サークルだけではありません。35年間にわたってフォークダンス教室を主催してきた金光仁志貴さん(84)。これまで利用してきた別の公共施設が閉鎖され、建て替えられた会館を利用する計画でした。

 (フォークダンス教室代表 金光仁志貴さん)
 「本当に使う気満々でした。電車に乗って来る方もいらっしゃいますのでね。やっぱり駅から降りてすぐですしね。だから『いいところにできるね』って皆さん大変喜んで待っていたんですけどね」
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 会館の引き渡し2日前に開かれた住民説明会の様子を撮影した写真があります。金光さんも参加していて、利用方法などの説明があり、まさか使えないとは思いもしなかったといいます。

 (フォークダンス教室代表 金光仁志貴さん)
 「せっかくできて、もう本当に中をちゃんと使えるようになっているのに、鍵が開けてもらえないというのは、もう皆さんなんでなんでって」

引き渡し2日前に求められた追加工事費6000万円

 施設は完成しているのに入口の鍵は閉まったまま…。取材班はことの真相について、会館の建て替え工事の施主である東園田町会に直接話を聞きました。

 (東園田町会 田中靖二会長)
 「(去年の)7月28日でしたね。施工会社とここで話をしたんです。当初の契約以外の追加費用が出ていますから、これを払ってもらわないと困るということで。そんなこと言うても、そんなもんうちは頼んだことないと」
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 町会側によりますと、2年前に工事の監理業務を建築士のA氏に委託して、会館の建て替え工事として約1億7000万円で施工会社と契約を結びました。しかし、引き渡しの2日前になって施工会社から突然、工事の追加費用として6000万円の支払いを求められたというのです。
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 (東園田町会 田中靖二会長)
 「鉄骨が値上がりになったとか、セメントが非常に高騰したとか、そういう基礎の部分でね。とんでもない話ですよ。そんなにかかるんだったらその施工会社には発注していませんしね。初めからわかっていれば」
 (東園田町会 橋本春雄事務局長)
 「(Q追加料金について施工会社は何と説明している?)監理者のA氏には話をしていると」
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 今回の建て替え工事は、尼崎市の公共施設の集約化をきっかけに行われていて、その原資は、近くにある園田競馬場の周辺整備事業費として市から町会に交付された2億円でした。追加費用を求められても、町会としてはほぼ全額使い果たしていました。

施工会社側は『間に入る監理者A氏から追加発注を受けた』と主張

 一方、工事を終えたものの追加費用を受け取っていない施工会社側。取材を申し込むと、新会館の鍵を開けて、その内部を取材することができました。
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施工会社は、町会側が監理業務を委託していたA氏から追加発注を受け、当初の契約よりも工事費は高くなったと主張しています。

 (施工会社側)
 「(Q元々はもっと薄いパーティションを用意していたんですか?)そうそうそう。(Qいくらぐらいこれでプラスになったんですか?)何百万円や、4ヵ所か。(Q1枚何百万円するんですか?)そうそう。鉄骨組んで走らせているから」
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 (施工会社側)
 「これもええもんやで。(当初の契約では)もっと安物やったんや。クーラーも増えとるねん。10台ぐらい入っているんちゃうかな。(下請け)業者からも全部うちの方に請求くるから」
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 工費が当初の約1億7000万円から増額されることは事前にA氏には伝えていたといいます。追加の6000万円が払われない限り、新会館の鍵を町会側には渡さない構えです。

 (施工会社側)
 「1日も早く鍵を受け渡して、皆さんに早く使っていただきたいわけやけど、お金が済まないことには、うちには下請けがいるからそうもいかないわけよ」

 こうした施工会社側の主張について改めて町会側に尋ねてみると…。

 (東園田町会 橋本春雄事務局長)
 「(Q監理者のA氏は追加の6000万円についてどう説明している?)監理者に責任は一切ないと。施主と施工会社で話し合ってくださいと。あなた監理者なんだから、それを調整してまとめる責任があるはずですよと(言ったら)『いや、ない』と」

A氏「施工会社が予算の範囲内で何とかしてくれるだろうと思っていた」

 施工会社との間に入っていたA氏が町会側に伝えずに勝手に追加発注したということなのでしょうか?取材班はA氏にも取材を申し込みましたが、A氏は取材を拒否した上で、次のように話しました。

 (A氏)
 「施工会社とは途中で工費が高くなるとお互い認識していたが、具体的な相談もなかったため、施工会社が予算の範囲内で何とかしてくれるだろうと思っていた。町会側には追加請求の話は事前にしていなかった」

町会と施工会社との間で『追加費用の契約書』は無い

 今回の追加費用を巡っては、そもそも町会側と施工会社との間で契約書などは交わされていません。
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 今回の問題について建築トラブルに詳しい弁護士は次のように話しました。

 (塚元健弁護士)
 「金額が増えることに関しては、普通は監理者の一存では決められないはずなんです。いろんな工事の段階を経て完成に至るという中で、どうしても認識の差が生じやすい。やっぱり途中途中で合意した内容、約束した内容とか、もしくは検討中の事項というのを書面化して、押さえていくというのが一番いいやり方」

 公金が投入されて完成した福祉施設なのに未だに誰も使えない。鍵が開くのはいつになるのか?町会側は建物の明け渡しなどを求めて、施工会社を相手に裁判でも争っています。

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