2022年04月05日(火)公開
ベンチやシャッター傷だらけ...夜な夜な『禁止エリア』に現れる「迷惑スケートボーダー」に直撃 街中で滑るのは「かっこいいから」
特盛!憤マン
東京五輪の影響などで、近年人気が高まりつつある「スケートボード」。無料のスケートパークが開設されるなど、練習施設の整備が各地で進められています、そんな中、滑走禁止エリアで滑って物を壊すなどの迷惑行為を繰り返すスケートボーダーたちがいます。なぜそういった場所でスケートボードをするのか、憤懣取材班が直撃取材をしました。
迷惑スケートボーダーに傷つけられた“ベンチやシャッター”
神戸市中央区にある三宮センター街。
今年1月、衣類品店のシャッターがボコボコに凹み上がらなくなるなど、損壊しているのが見つかりました。
(商店街振興組合 桂隆事務局長)
「ボードごと当たってターンするというかね。だからこういうような跡がいっぱいついてるんですよね。これほどひどいのは今まで見たことないし。それで被害届を出したんです」
被害はこれだけではありません。
(商店街振興組合 桂隆事務局長)
「この辺なんか全部そうですよ。この上を滑るんですよ。ボロボロですよこれ…」
憩いの場所として3年ほど前に設置されたベンチ。その側面を見てみると無数の黒い筋や削られたような跡がついています。ほかにもたくさんの傷があります。
(商店街振興組合 桂隆事務局長)
「この辺り多いんです。スケートボードする連中が」
夜な夜な現れ…ベンチに『乗り上げ』『飛び越える』様子も
日中は、多くの人が行き交う三宮センター街。しかし、夜10時をすぎると、人はほとんど歩いていません。そんな中、三宮センター街をスケートボードで走る少年たちが現れました。
(記者リポート)
「あっ、何人かの少年たちでしょうか。かなりのスピードでセンター街を走っていきます。ここはスケートボード禁止エリアですが、少年たちが走っていきます」
三宮センター街は歩行者専用道路になっていて、スケートボードの走行は禁止されています。しかし、夜な夜なスケートボーダーたちが現れるというのです。
(記者リポート)
「2人組がスケートボードに乗ってセンター街に入っていきました。1人はおぼつかないような感じで、スケートボードを練習しているようです」
今年3月、憤懣取材班の前をスケートボーダーが現れましたが、ベンチなどには接触することなくそのまま走り去っていきました。
三宮センター街で特に被害が多いのが道幅が広い場所だといいます。
(商店街振興組合 桂隆事務局長)
「この端っこなんか黒くなっていたんですよ。表面をちょっと削ってもらったと思うんですけど。これなんかは削れていた所を埋め合わせてね。これは1月末くらいに修理したんですけど、その後もこの上を滑っていく連中がおりますんでね」
今年1月に約80万円かけてベンチ5か所を修理したといいますが、すぐに新たな傷がついたと商店街側は憤っています。
三宮センター街に設置された防犯カメラの映像。3月2日の深夜2時すぎ、6人組の男性らが現れました。
すると、スケートボードでベンチに乗り上げたり、障害物かのように何度も飛び越えたりしていきます。その様子をスマートフォンのようなもので撮影する様子も写されています。
別の日の映像には、スケートボードの板を何度もベンチの淵に接触させている様子が写っていました。
こうした行為がベンチが黒ずんだり、破損したりする原因だとみられています。
(商店街振興組合 桂隆事務局長)
「我々もスケートボードが社会悪みたいにとられるようなことは言いたくないんで。せめてやるのであれば、きちっとルール・マナーを守ってほしいなということです」
大阪市ではタイルの破損相次ぎ…“ブロック置くなどの対策”を実施
これまで憤懣取材班は、度々スケートボーダーのマナー違反について取り上げてきました。
動画投稿サイトに投稿された映像。場所は、大阪市の中之島公園です。スケートボードは禁止ですが、タイルを使って技を繰り出す様子などが写っています。
歩行者に危うくボードが当たりそうになる場面や、タイルにワックスを直接塗り込む様子も映っていました。
中之島公園ではタイルが黒ずんだり破損したりする事態が相次いだことから、大阪市がタイルの上にブロックを置くなどの対策に乗り出しています。
神戸市でも三宮センター街のほかに、市内の公園などを禁止エリアにしていますが、メリケンパークでは、スケートボードができないように設置した花壇が壊されるなどの被害も出ています。
東京五輪で注目集まり神戸市内には『無料のスケートパーク』開設
東京オリンピックでの活躍で注目が集まり競技人口が増える中で、練習施設の整備が進められています。神戸市では去年12月に無料で利用できるスケートパークなどが開設されています。
(利用者)
「(Qここで滑る理由は?)広くてつるつるなのと、他にできる場所があんまりないからです。(Qセンター街での迷惑行為は?)そういう人は、それがかっこいいと思ってる人もいる。でも、迷惑かけちゃうんやったらこっちでやった方がいいかなと思います」
施設にはレベルに応じて様々なコートがあり、練習場所がなかったスケートボーダーの受け皿となっています。
迷惑スケートボーダーに直撃『人目を気にせずできる』『街中で滑るのがかっこいい』
その一方で、やはり禁止された街中でスケートボードを走らせる人たちの姿もありました。
今年3月、メリケンパークで憤懣取材班が話を聞いてみると、スケートボーダーたちは次のように話しました。
(スケートボーダー)
「(Qここは禁止ですよね?それは知っている?)はい、知っています。(Qどうして滑る?)施設は上手な人も結構いるので、ちょっとやりづらいっていうのもあって。『あいつ下手くそ』って思われてそうやなって。そういう人目をあんまり気にせずできるかなくらい。(Qセンター街でスケートボードをやっている人は?)自分たちは行ったことないですね。スケートボードをめっちゃできる環境がそんなに多くないので、ここら辺だと特に…」
「ストリートでやるっていう文化みたいなところもあって、そういうのをYouTubeとかで見てきてるんで。街中で滑っているのがかっこいいなというのもあると思います」
禁止とは知りつつも、「安全に配慮してやっている」と話しました。
別のスケートボーダーは次のように話しました。
(スケートボーダー)
「(Q今この辺でスケートボードされていましたよね?)していないです。(Qしていたと思うんですがよく練習を?)いや、していないです。(Q一応ここ禁止されているエリアですが?)怒られたら帰るけど、そんな言い方せんといてよ。なにジャーナリストぶってるん、スケートボードごときで。(Q事故があったらどうする?)もうええって」
こうしたルール違反のスケートボーダーがいても、厳密には取り締まる法律などはなく、無法状態が続いています。
今年3月、三宮センター街では、これまでしてこなかった「スケートボード禁止」の看板が設置されました。度を越えた被害に苦渋の決断でした。
(商店街振興組合 桂隆事務局長)
「スケートボード、それ自体は応援してあげたいけれど、道路で練習をしにきていますからね。ルールとマナーを守ったスポーツの楽しみ方を心得ていただきたいなと思います」
迷惑スケートボーダーを巡っては、人気の高まりとは裏腹に被害相談も急増していて、三宮センター街の破損については警察が器物損壊容疑で捜査を進めています。
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