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山頂に高く積まれた"建設残土"度重なる土砂崩れで『全量撤去』を求めるも京都市は『是正工事』を指導の対応に地元住民の不安や怒りの声

2021年11月15日(月)放送

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京都市伏見区の山の頂上付近で行われている“ある工事”。頂上には土砂が山積みにされているのですが、その土砂は許可を得ずに大量に持ち込まれた「建設残土」です。そして、3年前の大雨で土砂崩れが起きて、土砂が住宅街の約10mにまで迫りました。さらに、今年8月にも土砂崩れが起きていて、地域住民たちは不安な日々を送っていました。

3年前に住宅街へ迫った土砂崩れ 現在も残骸は残ったまま

京都市伏見区にある、標高182mの大岩山。山頂付近は山肌がむき出しになっていて、麓には、約3000世帯が暮らす「小栗栖地域」があります。
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3年前の2018年7月、京都府や兵庫県に大雨特別警報が出された「西日本豪雨」で、各地に甚大な被害が出ました。
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そんな中、大岩山では…。

(ヘリリポート 2018年7月)
「山頂にある造成地から、大量の土砂が崩落しています」

山頂付近で土砂崩れが発生。山には大きなため池がありましたが、流れてきた土砂がため池を完全に埋めてしまいました。さらに土砂は谷筋をつたって街の方へ流れ出た土砂は住宅地の約10mにまで迫る非常に危険な状態でした。
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地元の自治会で顧問を務める内川喜人さん(78)。土砂崩れが起きた山の麓では、3年が経った今も残骸が残っているといいます。

(小栗栖自治会 内川喜人さん)
「このへんからね、向こうまで1200平方メートルほどが栗畑でね。元の山の土なんて言えやしないでしょ」
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憤懣取材班が改めて土砂が止まったとされる場所を確認すると、現在もレンガなどが混じった土砂などで埋まったままでした。

(小栗栖自治会 内川喜人さん)
「コンクリートとか、アスファルトとかがありますよね。こんなん山にあったらおかしいですわね。建設残土が流れてきていると」

「無許可で急こう配に盛り土」土砂崩れ後も残土の搬入続く

一体なぜ、土砂崩れは起きてしまったのでしょうか。崩落が起きた山頂付近は、元々、建設残土の受け入れ場所になっていました。法律では、盛り土の傾斜角が30度以下であれば、市に許可を取る必要はありませんが、土地の管理者から開発業務を請け負った複数の業者が、“無許可”で30度を超える急こう配に盛り土を行っていました。
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京都市は、土砂崩れが起きる1年ほど前にこうした事態を把握。土地管理者に「残土の搬入をやめて、崩落を防ぐための是正工事をするよう」指導していましたが、残土の搬入は土砂崩れが起きてからも続いていたといいます。
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(2018年に行われた住民説明会でのやり取り)
(京都市担当者)「このような事態になってしまった上でですね、なかなか安心感というのは難しいと思いますけれども」
    (住民)「それでは困りますよ。命かかっているんですよ」

「産廃は今年中に撤去」一方「残土は残し傾斜を緩やかにするよう」京都市は指導

事態を把握しながらも防げなかった「土砂崩れ」。今年10月29日に山肌がむき出しになった山頂に向かってみると、建設残土と共に持ち込まれた産業廃棄物が、うず高く積まれていました。

(小栗栖自治会 内川喜人さん)
「あれがここの産業廃棄物のまとめた山だと。それを『今年中に撤去します』ということになっているんですけれど。2018年に起きたことが脳裏に焼き付いてると。だから、住民はみんな雨が降るたびに怖いというのが住民の声」
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現場では、ショベルカーなどの重機が忙しく稼働していました。ここでは今、何が行われているのでしょうか。

京都市によると、持ち込まれた残土による盛り土の傾斜が、30度以下の安定した勾配になるように整地することや、雨水が一気に住宅地に流出しないように、調整池を設置するなどの工事が行われています。山頂に積まれた産業廃棄物は撤去されることになっています。
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京都市は、残土を残したまま傾斜を緩やかにするよう指導していますが、住民らはこの計画に不安を募らせています。

(小栗栖自治会 内川喜人さん)
「あくまでも、土を持ち出してほしいと。すべて元の状態に戻してほしいというのが、住民の要望なんですね。(Qすべては撤去しない?)あの山に盛られた分(産業廃棄物)だけは、今年中に撤去しますと」

再び起きた土砂崩れに住民からは不安の声

残土が残されたまま工事が進められる中、今年8月にまた土砂崩れが起きました。降り続いた大雨の影響で、大岩山で再び高さ8m、幅20mにわたって土砂が崩落したのです。
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住民らに被害はありませんでしたが、雨が降る度に不安がよぎるといいます。

(住民)
「おかしいと思います。ここで変わらないといけないと思います。全量撤去が本来の姿ではないでしょうか」
「これからも、将来的に土砂が崩れてくる可能性もあるし。心配はずっと続くかなと思います」

京都市「傾斜30度は土木技術の知見」一方、専門家「30度は経験的な数字で場所で異なる」

残土を安定した勾配に整地することで、安全になるのでしょうか。専門家に話を聞くと「土砂を全て撤去することも検討すべき」と指摘しています。

(京都大学防災研究所 釜井俊孝教授)
「理想的には、(土砂を)全部撤去することが必要だと思うんですけれども。熱海市伊豆山の災害では、傾斜は21度でした。つまり、30度よりも低いんです。角度30度は非常に経験的な数字であって、場所によって違うんですね。それをちゃんと考える必要がある」
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これに対し、京都市は次のように話しています。

(京都市開発指導課 山本篤史技術担当課長)
「全量撤去、それはもう求められるのは当たり前です。『昔から親しんだ里山の姿に戻してくれ』というのは、一義的にはあるはずです。粒が一様に整っているような土砂でしたら、(傾斜)30度だったら安全だというふうに、土木技術の知見できているものなので」

全量撤去ではなく、あくまで是正工事を進めていく方針です。
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土地の管理者は今後、残土をどうしていくのか。憤懣取材班は何度も問い合わせましたが、明確な回答はありませんでした。各地で災害が相次ぐ中、本当に安全性は守られているのか。是正工事は今年中に終わる見込みです。

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