WORK職種紹介

#07

DIRECTOR制作ディレクター

NAME
氏家 聡志Satoshi Ujiie
DEPARTMENT
制作局/制作部
CAREER
2013年度入社

COMMENT

幼少期からプラモデルや料理など、モノづくりが好きだったことを軸に就職活動を開始。自動車メーカーをはじめとして、30社以上のOB訪問を行った。就職活動を続けるなかで、テレビ局に勤めていた先輩に「テレビの仕事は振れ幅が大きくて、内容の濃い人生になるよ。」と勧められたことをきっかけに、MBSへの入社を決意。現在は『水野真紀の魔法のレストラン』の総合演出として活躍中。

おシゴト紹介01 / 04

制作部は、
テレビの醍醐味を
味わえる場所。

あなたの仕事を教えてください。

2年前から、『水野真紀の魔法のレストラン』(関西ローカル 水曜よる7時~)の総合演出を担当しています。総合演出を一言で表すと、スポーツで言う監督のようなもの。誰を呼んで、どんな企画をして、どんな編集にするか…ありとあらゆる決定を行なっていきます。何より楽しいポイントは、自分なりの演出ができること。一方で、企画、ロケ、スタジオ収録、台本などの資料チェック、VTRチェック、編集…などなど、各制作段階で最初に決めた方向性がブレていないか、判断を下す責任も伴います。

番組をつくる上で大切にしていることは、自分がいいと思ったことをしっかり伝えること。親しい友人や家族に「こんなおいしいお店があって」と共有するイメージでしょうか。同じ料理を扱っていても、ただ単に「お肉が柔らかくておいしいです」と言うよりは、「このお肉は低温で30分間じっくりと火を通していて、シェフがイタリアで学んだ最も柔らかいタイミングでお出ししているので、おいしいです」と言うのでは、魅力は変わりますよね。

もう少し具体的にそれをテレビとして考えると、魅力ある伝え方には2通りの方法があると考えています。それは、技術と価値観。技術を磨くと、伝え方が上手くなります。たとえば、カメラやリポート。どの角度からの映像が一番おいしそうに見えるのか、どう話すとおいしそうに聞こえるかなどは技術によるものです。もうひとつの価値観は、視聴者目線で、日常に目を向けていると鍛えられます。私の場合、話題の飲食店や有名なシェフがいるレストランに、実際に足を運ぶようにしています。食べログ登録数は、いつの間にか1839件。もう半分趣味ですけどね。

おシゴトの魅力02 / 04

魔法のレストランでないと
できなかった経験ができた。

印象深い仕事はなんですか。

2年前に放送された、2時間の特番は印象的な仕事です。番組の内容は、『水野真紀の魔法のレストラン』×日清食品での、コラボカップヌードルの共同開発。制作に約1年かけた大規模なプロジェクトでした。

なかでも大変だったのは、味をまとめていく調整作業です。共同開発のなかではミシュランガイドで三つ星を獲得するようなシェフが3人集まり、ひとつの商品開発を行っていきました。ただ、日清食品で商品化するにあたり、シェフそれぞれの持つこだわりに対し、現実的に可能なこと、難しいこと…などの調整には時間を要しました。何度も皆さんと試食を繰り返しながら試行錯誤した結果、無事商品化に到ったときの達成感は忘れられません。努力のかいもあり、特番では過去最高の視聴率を獲得。百貨店などで実際にコラボカップヌードルの販売を行いましたが、約500人が並ぶ大盛況となりました。自分がおもしろい!と思ったものが、世の中に受け入れられたと感じた瞬間でもありました。

また、一流の料理人と関われたことも印象深い経験でした。幼少期から料理をしている人の所作を見ることが好きだった私にとって、シェフ達の所作にはとても感動しました。番組で携わったシェフのお店には、後日個人的に食べにいくことも。私もそうですが、もっと知りたい!という気持ちが強い方には、楽しい仕事だと思いますね。

おシゴトの環境03 / 04

自分がやりたいことと、
世の中が求めるものの、
良いとこを探るのが
おもしろい。

仕事の楽しさを
教えてください。

総合演出として『水野真紀の魔法のレストラン』に携わることが決まった当初、よし、変えてやろう!と意気込んでいました。もちろん歴代の演出家たちがつくりあげてきた番組であったため、守るべきものは守る、ただ、変えるべきものは変えたいというポジティブな想いでの取り組み。もっとポップに、若い子も見るような内容にしたいと考えたのですが…実は、私がやりたいようにポップにしたとき、視聴率が落ちてしまったんです。

ときに、自分がやりたいことと視聴者が求めているものが違うときには、軌道修正する勇気も必要です。今の魔法のレストランは、年配の方を含む全年代向けの番組に戻しつつあるのですが、とはいえ、それでも自分がやりたかった「料理をつくる所作を見せる」ことは意識的に取り入れています。もちろん自己満足で終わらないよう、常にどう見せたらもっと効果的に演出できるかの模索を続けています。

他にもタレントさんと話す機会が比較的多いので、人とのかかわりも楽しみのひとつ。関係性を築いた芸人さんが売れるとやはり嬉しい気持ちになります。なかには東京で売れてしまっても、「氏家さんの仕事だったら」と駆けつけてくれる芸人さんも。そんなときは「やっていてよかったな」と思います。

今後の目標は、自分が企画してレギュラーヒット番組を生み出し、総合演出を担当すること。親しい芸人さんにも、ぜひ活躍してほしいですね!