京都。季節が変わるたび、日本中の人が「そうだ!」と行きたくなる、見るもの・買うもの・食べるものすべてが揃うこの街の魅力はどこに?

エンタメMBS

2022/10/07 12:00

京都で「この前の戦争」と言えば応仁の乱を指す。というのはさすがに都市伝説に近いが、とある名家中の名家で「ものすごく新しい屏風」と言えば、幕末あたりに制作されたもののことだったりする。そんな街の「新」に光を当て、発信し続ける番組が『京都知新』だ。

京都では、100年ぐらいで「老舗」とは言わない。目安として、最低でも明治維新の前から営業していないと、「あそこは新しいお店や」と認識されるだろう。
しかし。ただ古いだけでよしとされるなら、1200年にもわたって「みやこ」たりえなかった。
「京」も「都」も「みやこ」と読むので、京都というのは、ここはみやこです、としか言っていない名前だが、今の東京がそうであるように、みやこというのは常に新しいものを取り込むことで、みやこの機能を維持してきた。最先端のものが集積する街こそ、京都だったのだ。
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■京都の「新」に光を当てる番組
『京都知新』は、そうやって今なお常に新しいものを取り込んでいる京都の「新」に光を当てる番組だ。番組のサブタイトルは「京都は常に新しい光を放ち続けている」。放送回数は、すでに320回を超えた。
当然、「新」の向こうには「古」が透けて見え、それが京都を唯一無二なものにしている。番組を立ち上げた、総合演出の本郷義浩プロデューサーは京都に特化した番組を作ることについて、こう語る。
「京都は、1200年の歴史に培われた文化、美意識など、時代を越えてきたものの"普遍性"の中に、新しいものを取り込んで自分の形にしていくのが魅力の街。そうしたものと長期で向かい合えるのは、関西にある局の強みだと思っています」

2004年から約12年続いた『美の京都遺産』という番組では、京都の美しい風景、寺社、行事などの「遺産」を紹介してきた。その後番組である『京都知新』は、職人やアーティスト、料理人など、「人」に光を当てる番組だ。人という"無形の文化財"に光を当ててその「すごさ」を伝えている。本郷プロデューサーは言う。
「この番組は、地道な仕事を、地道に丁寧に取材し、映像化して光を当てる番組です。番組を続けていて驚くことは、知らなかった仕事がいっぱいあるんだな、ということです。
番組が始まったころは、知らない職人さんやアーティストさんばかりでした。でも今は、ディレクターが取材した人から次の人を紹介されたりもする。また、職人さん同士がつながったり、コラボされたり...といったことも起きてきています。これこそが、"見てもらう"以外の番組の意義だと考えています。こんなことは予想もしていませんでしたが、今後もっと増えていってほしいと思っています」

番組では、新しい取り組みも始めている。22年11月からは、過去に放送した中から100作品に、英語・中国語・ロシア語・ヒンディー語・スペイン語など15の言語の翻訳字幕を付けて、YouTube配信する。世界に向けて発信することで、世界中に京都ファンを増やそうという狙いだ。
古いだけじゃない現在進行形の京都が、Kyoto Chishinとなって広がってゆく。

『京都知新』毎週日曜あさ6時10分~6時25分
https://www.mbs.jp/kyoto-chishin/ 
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■京都の"周辺部"まだ知られていない魅力とは
『京都知新』では、これまで京都市内を中心に取材を重ねてきた。
一方で、古くから京都の近辺には、いわば「みやこ周辺部」ともいうべき地域があった。技術を磨いて一流の商品を供給することで、みやこという大消費地の、雅で最先端の生活を支えてきた場所だ。今もその流れは脈々と受け継がれている。
10月からの3か月間『京都知新』では、京都市を飛び出して、そんな京都府下の職人やアーティスト、料理人らを取り上げてゆく。
10月2日の放送では、貝殻の輝きを織物にした「螺鈿織」の職人が登場した。丹後という、海に面し、着物文化の集積地である京都市が近くにある場所だからこそ生まれた螺鈿の技術。今や日本を飛び出してヨーロッパのハイブランドなどにも使用されている。
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次回以降は、竹工芸職人、ジビエ料理のシェフ、お茶農家、杜氏......らが登場予定。女性が多いのも見どころだ。

また、同じく10月からは『京都知新』に続いて『京都知新Journey(ジャーニー)』という新番組も放送されている。まだあまり知られていない京都府下の「海」「森」「茶」「竹」のエリアの、"今度、行ってみたい"とっておきのスポットを、美しい映像で紹介する。
10月2日の第一回放送では京丹後市の「山陰海岸ジオパーク」が紹介された。「京都に"青の洞窟"がある」と聞けば、驚かないだろうか? 漁師さんによって偶然発見されたのは、2013年。6月から9月だけしか入れないが、見逃し配信もあるのでぜひ映像でご覧いただきたい。
『京都知新ジャーニー』毎週日曜あさ6時25分~6時30分 
https://www.mbs.jp/kyoto-chishin/journey/
https://www.mbs.jp/kyoto-chishin/journey/2022/10_02.shtml/
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