秋晴れに恵まれた9月25日、北野天満宮を訪れました。
この日は、毎月の縁日"天神さん"=天神市(てんじんいち)の日。
参道や側道に、所狭しと露店が並び、大勢の参拝客で賑わっていました。
この天神さんにまつわる、京の天気の言い伝えがあります。
「弘法さんが晴れやったら、天神さんは雨」というものです。
"弘法さん"とは、同様に東寺で毎月21日に開かれている縁日、弘法市のこと。
つまり、弘法市の開かれる21日が晴れならば、天神市の25日は雨になる、
ということを言っているものなのです。
その逆、弘法市の日が雨ならば、天神市の日は晴れとも言える、とのこと。
そんなことが、本当にあるのでしょうか?
実際に私が訪れた9月25日は、雲が多少浮かぶくらいの気持ちのいい晴れでした。
言い伝えが正しいのなら、その4日前、9月21日の天気は雨のはず。
実際に21日の天気を振り返ってみると......おぉ!「くもり時々雨」です!
では、今年の1月から8月まではどうだったのか、
一気に見てみますと...
1月 21日 晴れ時々くもり 25日 くもり 結果 ×
2月 21日 くもり 25日 晴れ時々くもり 結果 ×
3月 21日 くもり時々雨 25日 くもり一時晴れ 結果 ○
4月 21日 くもり一時晴れ 25日 くもり 結果 ×
5月 21日 くもりのち晴れ 25日 晴れのち一時うすぐもり 結果 ×
6月 21日 くもりのち一時雨 25日 晴れ 結果 ○
7月 21日 くもり 25日 晴れ一時くもり 結果 ×
8月 21日 くもり一時雨 25日 晴れのちくもり 結果 ○
ということで、今年9月までの結果は、9回中4回が"言い伝え通り"。
確率で言えば、それほど高い精度ではありませんが、
この言い伝えはでたらめなどではなく、理にかなっている部分もあります。
この言い伝えは、単純に「弘法市と天神市の日の天気が反対になる」ということでなく、
「天気が数日のサイクルで変わる」ということで説明がつき、
特に秋(あるいは春)に当てはまることが多くなると思います。
秋は大陸からの移動性高気圧と低気圧が順繰りに日本列島へとやってきます。
晴れをもたらす高気圧と、雨を降らせる低気圧が、約2~3日の周期で通過していくので、
天気も大体それくらいの短い周期で変わることが多いのです。
今の時期、毎週同じ曜日が晴れになったり、雨になったりしがち、という現象も
このサイクルが関係しています。
さて、徐々に深まる秋。
今月の弘法さん、天神さんのお天気に、注目です。