BLOGお天気キャスターブログ2019.10.18

弘法さんと、天神さん

By前田智宏

秋晴れに恵まれた925日、北野天満宮を訪れました。
この日は、毎月の縁日"天神さん"=天神市(てんじんいち)の日。
参道や側道に、所狭しと露店が並び、大勢の参拝客で賑わっていました。

この天神さんにまつわる、京の天気の言い伝えがあります。
「弘法さんが晴れやったら、天神さんは雨」というものです。

"弘法さん"とは、同様に東寺で毎月21日に開かれている縁日、弘法市のこと。
つまり、弘法市の開かれる21日が晴れならば、天神市の25日は雨になる、
ということを言っているものなのです。
その逆、弘法市の日が雨ならば、天神市の日は晴れとも言える、とのこと。

そんなことが、本当にあるのでしょうか?

京都知新コラム写真1017 2枚目.jpg

実際に私が訪れた925日は、雲が多少浮かぶくらいの気持ちのいい晴れでした。
言い伝えが正しいのなら、その4日前、921日の天気は雨のはず。
実際に21日の天気を振り返ってみると......おぉ!「くもり時々雨」です!

では、今年の1月から8月まではどうだったのか、
一気に見てみますと...

1月 21日 晴れ時々くもり   25日 くもり         結果 ×
2月 21日 くもり       25日 晴れ時々くもり     結果 ×
3月 21日 くもり時々雨    25日 くもり一時晴れ     結果 ○
4月 21日 くもり一時晴れ   25日 くもり         結果 ×
5月 21日 くもりのち晴れ   25日 晴れのち一時うすぐもり 結果 ×
6月 21日 くもりのち一時雨  25日 晴れ          結果 ○
7月 21日 くもり       25日 晴れ一時くもり     結果 ×
8月 21日 くもり一時雨    25日 晴れのちくもり     結果 ○

ということで、今年9月までの結果は、9回中4回が"言い伝え通り"。
確率で言えば、それほど高い精度ではありませんが、
この言い伝えはでたらめなどではなく、理にかなっている部分もあります。

この言い伝えは、単純に「弘法市と天神市の日の天気が反対になる」ということでなく、
「天気が数日のサイクルで変わる」ということで説明がつき、
特に秋(あるいは春)に当てはまることが多くなると思います。
秋は大陸からの移動性高気圧と低気圧が順繰りに日本列島へとやってきます。
晴れをもたらす高気圧と、雨を降らせる低気圧が、約2~3日の周期で通過していくので、
天気も大体それくらいの短い周期で変わることが多いのです。
今の時期、毎週同じ曜日が晴れになったり、雨になったりしがち、という現象も
このサイクルが関係しています。

さて、徐々に深まる秋。
今月の弘法さん、天神さんのお天気に、注目です。

前田智宏まえだ・ともひろ

出身:京都府京都市 生年月日:1988年12月26日生(31歳) 学歴:京都大学 教育学部 教育科学科卒業 趣味:音楽(エレクトーンを10年習っていた)、アウトドアスポーツ(グライダー、SUP、OWS、登山、スノーボード、マラソンなど) 保有資格:気象予報士/防災士/健康気象アドバイザー/自家用操縦士(上空滑空機)/普通自動車免許 (MBS毎日放送での主な出演) TV:「ちちんぷいぷい」「voice」 ラジオ:「あどりぶラヂオ」「こちら茶屋町お天気部」「松井愛のすこ~し愛して♡」「こんちわコンちゃんお昼ですょ!」