今年も梅雨が明けてから、うだるような暑さが続いています。
内陸の京都は特に気温が高くなり、連日35℃以上の猛暑日です。
そんな夏にやってくる「丹波太郎」を、ご存知ですか?
実在する"人"ではありません。
これ、実は"雲"の名前なのです。
夏に激しい夕立を降らせ、雷を起こす、入道雲。
気象学では「積乱雲」と呼ばれる雲です。
京都では、この積乱雲が現れる方角ごとに雲を擬人化して、
名前がつけられているのです。
「丹波太郎」は、京都盆地から見て北西に位置する丹波高地から、
京都市内に流れ込んでくる積乱雲のこと。
愛宕山の方から底が黒い雲が顔をのぞかせたら、彼のお出ましです。
雷を伴い、いわゆるゲリラ豪雨をもたらして、大暴れするおそれがあります。
丹波太郎には他にも仲間がいます。
京都の南東、奈良盆地で発生し、山城地域を通って北進する「山城次郎」や、
北東の比叡山や比良山系でわき立ち、南へ攻めてくる「比叡三郎」など......
とにかく京の夏には厄介者が現れがち。
この夏は、北大阪や東部大阪で雲がわき立ち、
南西風にのって京都市内に雷雨をもたらすパターンが多いように感じています。
大阪方面からやってくるものにも「和泉三郎」というお名前がついているようです。
もし、この太郎やら次郎やら三郎やらに遭遇して土砂降りの雷雨になってしまったら、
なるべく頑丈な建物の中に入って、彼らが去るのを待ってください。
たいてい20~30分ほどで通り過ぎてくれるはずですから。