BLOGお天気キャスターブログ2019.01.21

「上ル」ごとに寒くなる

By前田智宏

こんにちは。気象予報士の前田智宏です。

ここでは、京都出身、京都在住の私が感じる、京都の天気や季節について綴ってゆきます。

これからよろしくお願いします!

寒の内となり、1年の中でも一番冷え込みの厳しい時季を迎えています。

盆地の京都は寒気がたまりやすく、放射冷却現象が起こるよく晴れた朝は、体の芯まで冷えるような寒さ。

「底冷え」という言葉がぴったりです。

快晴の日、四条大橋から鴨川の上流を眺めてみると北の山だけが雲をかぶっていることがよくあります。

雪雲が日本海側から流れ込んできているのです。冬の時季は、同じ京都市内でも北と南でお天気が違うこともしばしば。

違うのは天気だけではなく、気温も。

京の街を中心部からわずか10km足らず北へ行くだけで、2℃前後も気温が下がることがわかっています。

その理由のひとつは、標高差。

日常生活の中や、観光をしていても意識することはないのですが、

京都市内は北から南に向かってなだらかな下り坂になっています。

上賀茂神社 鳥居.jpg

市内北部にある上賀茂神社の標高は90mほどですが...

東寺 門.jpg

南部に位置する東寺は標高20mくらい。

東寺 五重塔 .jpg

東寺の五重塔は高さおよそ55mですから、標高と足し合わせても75mほど。

ということは、です。

上賀茂さんでお参りしているときは、東寺の五重塔の先より高いところにいる...!!

と考えるとなんだか不思議な感覚になりませんか。

北へ向かえば上り坂、南へ行くと下り坂。北や南へ行くのを「上ル」「下ル」と表現するのに、いみじくも対応しますね。

この標高差は、微妙な違いではありながら、確実に南北で気温差を生んでいるのです。

京の街は「上ル」ごとに気温は「下がる」、おもしろいところ。

とはいえ、どこも寒いことには変わりありませんので...どうぞご自愛くださいませ。

前田智宏まえだ・ともひろ

出身:京都府京都市 生年月日:1988年12月26日生(29歳) 学歴:京都大学 教育学部 教育科学科卒業 趣味:音楽(エレクトーンを10年習っていた)、アウトドアスポーツ(グライダー、SUP、OWS、登山、スノーボード、マラソンなど) 保有資格:気象予報士/防災士/健康気象アドバイザー/自家用操縦士(上空滑空機)/普通自動車免許 (MBS毎日放送での主な出演) TV:「ちちんぷいぷい」「voice」 ラジオ:「あどりぶラヂオ」「こちら茶屋町お天気部」「松井愛のすこ~し愛して♡」「こんちわコンちゃんお昼ですょ!」