「霧の都」といえばイギリス・ロンドンが有名ですが、
京都にも、ひそかに「霧の都」と呼ばれる街があるのをご存知でしょうか!
そこは、京都府の中西部に位置する亀岡市。
京都駅から電車で20分ほどのところです。
晩秋から初春にかけて、亀岡では霧がよく発生します。
内陸部ゆえに朝晩と日中の気温差が大きくなりやすいことが要因で、
さらにコンパクトな盆地であることから、霧がたまりやすい地形になっています。
早朝や夕方、街を包み込むその霧は、旧国名の「丹波国(たんばのくに)」にちなみ
「丹波霧(たんばぎり)」と呼ばれます。
霧とは、空気中の水蒸気が細かい水滴となって浮かんでいる状態です。
見通しが1km未満のときを「霧」と呼び、
1km以上10km未満のときは「もや」と定義されています。
もやよりも、霧の方が、先の見通しにくい状態で、
濃霧ともなると、交通機関などにも影響を与えます。
そんな、ときに厄介者の霧を観光資源として活かそうと、
2018年春に設けられたのが、「かめおか霧のテラス」!
標高が400mと少しの、竜ヶ尾山(たつがおやま)の山頂付近に作られました。
道路が整備されているので、ドライブスポットや、サイクリングコースとしても人気です。
木製のテラスからは亀岡の街並みが一望できます。
霧のないときもいい眺めですが、ひとたび街に濃い霧が立ち込めれば...
霧の海が出現。
山々が島のように浮かびます。
霧をつくり出しているのは、放射冷却現象で夜のうちに冷やされた地面付近の空気。
空気中の水分がとけきれなくなって、水滴として目に見える形になり、
それが霧となって広がっているのです。
冷たい空気は、暖かい空気よりも重いので、地面付近にしばらくとどまりますが
太陽の熱で地面付近があたたまってくると、ゆっくりと空気がかき混ぜられ、
霧は解消していきます。
陽が昇るにつれて、霧や雲の層がうねるように形を変えていく様を眺めていると、
本当に海が波立っているかのようで、息をのまずにいられません。
今年は春が足早にやってきていますが、まだ見られる可能性はあります。
夜間に晴れて、風が弱く、放射冷却が効いて冷え込んだ朝方はチャンス!
前日に雨が降って、空気が潤っていると最高です。
「丹波霧」が生み出す圧倒的な光景、あなたも狙ってみてください。