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【国分太一さん】日テレ側の「突然の聞き取り」「即日降板」は法律上問題ないが...弁護士が指摘する違和感「不都合があっても『プライバシー』を理由に隠せてしまう構造」

解説

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 コンプライアンス上の問題を理由に活動を休止している元「TOKIO」の国分太一氏。11月26日、約5か月ぶりに公の場に姿をあらわし、記者会見を行いました。自身の人権救済をめぐり会見で訴えていたのは、どの行為がコンプライアンス違反だったか「答え合わせがしたい」ということ。一方、日テレ側はプライバシー保護を理由に、「答え合わせは難しい」との回答をしています。 今回、国分氏が会見で訴えたポイントとは。そして、“プライバシー保護”で情報はどこまで守られるべきなのか。芸能分野の法律が専門の河西邦剛弁護士に聞きました。

「答え合わせ」という発言が12回

 26日の会見で、活動休止やTOKIOの解散に言及し、「数日間ですべてを失った」と涙ながらに語った国分太一氏。「自分の立場への自覚が足りなかった」「長年の活動で立場にあぐらをかいていた」といった発言もありました。

 会見で12回も述べていたのが「答え合わせ」という言葉。「何の行為がコンプライアンス違反だったのか説明を受けていないため、答え合わせができない」と訴えました。

 これについて河西弁護士は「独りよがりな印象を受けた」といいます。

 (河西弁護士)「国分さんは、日本テレビのヒアリングの際に、自ら思い当たるところを伝えているとしています。また、弁護士から『これはハラスメントに該当し得る行為』との説明を受けたと会見で説明しています。そうすると、国分さん自身も、全ての答え合わせができていないとしても、ご自身の行為について何が問題だったのか、ある程度把握できている状態ではないかと思われます」

 一方で、国分氏が「答え合わせ」にこだわる背景として、「今まで出演者として接してもらっていたのが、突然、取り調べのように聞き取りが始まり、今でも違和感を抱えているのではないか」と推察しています。

不意打ちだった?聞き取りの経緯

 会見で明かされた国分氏側の主張は以下の通りです。

 ▽異動のあいさつで日本テレビに呼ばれる
 ▽その後、弁護士が現れ、突然の聞き取りが始まる
 ▽国分氏はスマホで録音をしたが、弁護士がプライバシー保護を理由に削除を要求

 このとき「ノートとペンでのメモ」は許可されたとのことですが、国分氏は「突然の聞き取りで手が震えて何も書けなかった」と話しています。

 国分氏の主張を受けて、日本テレビ側は以下のように主張しています。

 ▽目的・趣旨を説明し、国分氏の了承を得てからヒアリングを行った
 ▽事前に伝えていれば、関係者への接触など不測の影響が考えられた

 日本テレビ側の対応について河西弁護士は、あいさつという名目で呼び出してのヒアリングは「やや強引だ」としつつも「違法とまでは言えない」といいます。録音についても、「無理やり削除させた」のではなく「削除を要求した」ということから、こちらも「違法とまでは言えない」としています。

 また、日本テレビ側が削除を求めた背景として、録音データが流出することを強く懸念したのではないかと推察しています。

即日降板は法律上問題なし「労働契約ではないため」

 国分氏からは「聞き取り後、その場で降板を告げられた」という主張のほか、記事冒頭でも触れた「何がコンプライアンス違反か答え合わせがしたい」という主張がありました。

 これに関して日本テレビ側は、「国分氏が自ら話した内容だけでもコンプライアンス違反」「『青少年に見てもらいたい番組』に選定された番組を降板してもらうことは即断せざるを得ない」と強めの主張をしています。

 河西弁護士は「労働契約であれば、理由の説明や弁明の機会を設けないと法律上、解雇は無効」としたうえで、国分氏と日本テレビの関係は「タレントとしての業務委託契約」のため、労働契約は適用されないと指摘。そのため、国分氏が主張する「理由を告げない」「即日降板」「弁明の機会を与えない」というのは法律上問題ではないといいます。

国分氏側のお願い 日本テレビ側の回答

 国分氏は日本テレビに対し、以下の3つのお願いをしたということです。

 ▽関係者への謝罪についての協議
 ▽番組降板理由の事実を明らかにすること
 ▽外部へ説明できる内容を協議すること

 一方、これに対する日本テレビ側の回答は以下です。

 ▽関係者が身元特定され“二次加害”につながることへの強い恐怖
 ▽国分氏の代理人の一方的な情報の流布に不信感が生じ、現状、面会等は難しい

「プライバシー保護」と「人権救済」

 まず、国分氏の「答え合わせをしたい」という要求に対して、日本テレビ側は「プライバシー保護の観点から詳細を控える」としています。このプライバシー権の主な内容は「秘密にしたい情報は秘密にできる」「開示するかを決めるのは自分自身が判断」といったことです。

 日本テレビ側がプライバシー権を主張していることに関して、河西弁護士は「プライバシーを保護するかどうかは当事者本人が決めていくもの。そのため、6月の会見において会社が判断したという点が若干違和感がある」と指摘します。

 (河西弁護士)「一番のポイントは、日本テレビがヒアリングの際に国分さんに対して『特定につながるような情報は一切出さないように』と強く求めていることです。その結果、今回の件について、どういった情報を出すか出さないかの決定が、全て日本テレビ側でコントロールできる状況にある。仮にもし日本テレビ側にとって不都合なことがあったとしても、『関係者のプライバシー保護』を理由に隠せてしまう構造になっている」

 ジャーナリストの立岩陽一郎氏は、加害者の問題があることは間違いないとしたうえで、「日本テレビがプライバシー権を理由に何も言わない」ことに疑問を呈します。

 (立岩氏)「今、放送局に求められているのは透明性なんですよ。今回のことは全く透明性がない。日本テレビは問題が起きたことで『加害者はこいつだ』とは言うかもしれない。だけどその内実を言わないのは、ベクトルは違うけれどもやっていることは同じ。だから、日本テレビは最大限配慮しつつも、明らかにすべきことは社会に説明する責任があると思います」

芸能界復帰の可能性は?

 国分氏は会見で、今後のタレント活動について「今は正直、本当に考えられない状態」と発言しています。

 「芸能界への復帰」について、河西弁護士は「可能」だという見解を示しつつ、スポンサーがいる地上波テレビについては、降板の理由が分からないと難しいと指摘。ネット番組や舞台などでの活動は比較的再開しやすいのではないかと述べています。

 また、日本テレビ側と国分太一氏側の“落としどころ”については次のような見解を示しています。

 (河西弁護士)「ポイントは、今回の関係者の同意が得られるか。関係者の方から『ある程度は(情報を)出していいよ』と言ってもらえるかどうか、これがポイントになってきて、この了承が得られない場合には、硬直状態が続くかと思います」

2025年11月27日(木)現在の情報です

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