2025年05月17日(土)公開
知事急逝を受けての和歌山県知事選和歌山県知事選 新人2人の争いに 候補は"第一声"で何をしゃべった? 対照的な演説を深掘り
解説
岸本周平前知事が今年4月に急死したことに伴う、和歌山県知事選挙が5月15日に告示されました。立候補したのは、新人2人。立候補を届け出たあと、初めて街頭で候補者が話すタイミングを、俗に“第一声”と呼びますが、候補者2人はその“第一声”でどんなことを話したのか。演説全体を深掘りしました。
新人2人の対決に
和歌山県知事選に立候補したのは、届け出順に、共産党公認で元和歌山市議の松坂美知子さん(68)、無所属で自民党・公明党・立憲民主党・国民民主党・社民党和歌山県連が推薦する、県の元副知事・宮﨑泉さん(66)の2人です。
さまざまな政策に言及した松坂氏
松坂さんは、15日午前9時ごろ、南海和歌山市駅前で街頭に立ち、出陣式を行いました。第一声は、8分04秒。グラフ化してみると・・・
最も時間を割いたのは、「消費税の一律5%への引き下げ」と「学校の万博教育旅行の推進の中止」でした。
(松坂美知子さん)
「物価高騰に対して一番効果的なのは、消費税を引き下げることです。日本共産党は消費税を一律5%に引き下げることを提案しています。食料品だけでなく日常の買い物全て、スマホ代や電気代も減税になっていきます。財源はあります。行き過ぎた大企業や大金持ちへの優遇税制、そして突出した防衛費、ここにメスを入れることで財源を生み出すことができるんです」
「子どもたちの万博旅行、教育旅行が始まっています。場所によっては、引火すれば爆発するという濃度のメタンガスも発生していると聞きます。また、子どもたちはバスを降りたところから、そのメタンガスの排気管の横を通って1㎞近くもその会場入り口まで歩かなければなりません。これからもっと暑くなる中で、熱中症が心配です。会場の中は日陰も少なく、涼める場所も十分ではありません。このような危険のある所に子どもたちを集団で連れていく、このことが子どもたちのためになるとは思えません。私はこの教育旅行の押しつけはやめます。また、熱中症警報が出るような日は、中止を決断することが必要だと考えています」
松坂さんは、岸本前知事が進めた「学校給食費の無償化政策」は引き続き行いつつ、「最低賃金の引き上げ」「奨学金の返済を助ける制度」などといった、県民生活を支える政策を進めたいと話しました。
宮﨑氏 “地道に行政を進める”
宮﨑さんは、15日午前9時ごろ、JR和歌山駅前で街頭に立ち、出陣式を行いました。第一声は、5分38秒。何を話したのかを分析すると・・・
政策の主張が多岐にわたった松坂氏とは対照的に、宮﨑氏はテーマを「急逝した岸本前知事の路線継承」、そして「子どもを大切にした行政を進める」の2点に絞り、“思い描く行政運営の指針”を語りました。
(宮﨑泉さん)
「岸本知事のように子どもたち、お孫さんたちがいつもニコニコして笑顔で暮らせる“子ども真ん中”の和歌山を、一人一人の個性を活かして誰もが活躍できる社会を、そういう和歌山を創っていきたいと思っています」
「和歌山県は人口減少、高齢化、少子化、そういった課題がたくさんあり、先進県であります。私も県民の皆さんのご意見を聞きながら、現場の人たちと共に歩みながら行政を進めていくことが基本だと思っています。ぜひ県民の皆さんの声を聞かせていただきたいと思います」
「和歌山の子は和歌山で育てる、そうした一生懸命に勉強して真面目に取り組んできた子どもたちが、今度は和歌山を支える。そういう地道なことから始めていきたい。一歩一歩小さなことから積み上げていくことで解決していけることもたくさんあると思います。そういうことを訴えていきたいと思っています」
宮﨑さんは、“地道な行政を進める”という決意を繰り返し訴えました。
和歌山県知事選は、6月1日(日)に投開票です。
(MBS報道センター 清水貴太)
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