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【野菜高騰を乗り切る】直売所で"形はいびつだが味は良い" 規格外野菜を狙え!価格安定でおトクな「冷凍野菜」にも注目【野菜のプロが伝授】

解説

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 価格が高止まりする米をめぐっては「備蓄米放出」が発表されましたが、野菜も高騰しています。キャベツは平年の2.6倍、白菜は2.5倍。当面「平年を上回る」見通しだということです。 どうすれば少しでも野菜を安く買い、おトクに消費することができるのでしょうか?野菜ソムリエ上級プロ・関宏美さんへの取材などをもとにお伝えします。◎関宏美:野菜ソムリエ日本一(2018年) 野菜ソムリエ上級プロ

野菜の価格高騰で注目される「農産物直売所」

 今、どれくらい野菜が高いのか。過去5年の平均価格と比較すると、さまざまな野菜が値上がりしています(※農林水産省「食品価格動向調査」2月3日の週の調査【全国470店舗】過去5年の平均価格と比較)。

 ▼キャベツ:2.6倍
 ▼白菜:2.5倍
 ▼レタス:1.6倍
 ▼ねぎ:1.5倍
 ▼大根:1.5倍
 ▼にんじん:1.4倍
 ▼トマト:1.3倍
 ▼玉ねぎ:1.2倍

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 そんな中、注目されているのが「農産物直売所」です。農産物直売所の『年間販売金額の推移(農林水産省資料)』を見ると、販売金額はどんどん増えていて、コロナ禍で少し減少したものの、2022年度は1兆879億円。2月14日に大吉洋平アナウンサーが訪れた直売所では、少し皮が黒ずんだ傷のある大きなネーブルオレンジが2つで140円ほどで販売されていたということです。

「形はいびつだが味は良い」お宝=規格外野菜を狙え!

 直売所で新鮮な野菜・果物が安く提供されている主な理由は次の4つです。

 (1)仲介業者がいない
 (2)輸送費が安い
 (3)冷蔵施設が少なくてすむ
 (4)とびきり安い“お宝”も!?並ぶ

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 “お宝”とは「規格外野菜」のこと。二股のにんじんや曲がったきゅうりなど、JAなどには出荷できない“形はいびつだが味は良い”野菜です。大吉アナウンサーが取材した直売所では、傷の部分を切ってしまえば問題なく食べられる大根が100円で売られていたということです。

 さらに今、直売所では『生産者の推し活』を楽しんでいる人も。「〇〇さんが作る夏野菜がおいしい」など、特定の生産者の野菜を求めて来店する人もいるようです。生産者の写真や名前が掲載されていて、安心して買い物ができるのかもしれません。

「ミニ野菜」価格1/3も!?単価安く相場安定

 そして、野菜の価格が高騰している今、「ミニ野菜」が注目されていると、野菜ソムリエ上級プロ・関宏美さんは言います。ミニ野菜とは、小さいサイズで成熟するように品種改良された野菜のこと。大きく育たなかったのではなく、あえて小さくした野菜です。ミニロメインレタス、ミニ白菜、ミニキャベツなど様々な種類があり、1人暮らしの人や高齢の人など、大きい野菜を食べきれないという人にぴったりかもしれません。

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 ミニ野菜がおトクな理由としては次の2つが挙げられるということです。

 (1)小さい分、単価が安い→種類によるが、普通の野菜の1/3~1/2のものも
 (2)価格が安定しやすい→生育期間が短いため、悪天候の影響を受けにくい

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 関さんによりますと、価格以外にもミニ野菜には次のような魅力があります。

 (1)食べきれるサイズ→ムダになりにくい
 (2)切らずに保管できる→丸ごと保存できて日持ちが良くなる
 (3)全体が柔らかい→普通は捨てるところも食べられる。生食にも向いている。

 生産者も、このミニ野菜に注目しています。ミニ野菜の種を多く扱う種苗会社「サカタのタネ」の担当者によりますと、ミニ野菜は宅配野菜のセットや直売所で“差別化”できる商品だということです。

「冷凍野菜」価格安定でおトク!冷凍のスライスきゅうりも登場

 さらに今、『冷凍野菜』も進化しています。「旬の時期にまとめて作られる冷凍野菜は、価格が安定していておトク!」だと関さんは指摘。例えば、2月12日にイオンから新発売の「解凍してそのまま使える スライスきゅうり(税込み213円)」は、内容量250gで約3本分。スーパーでの値段がきゅうり1本約70~80円とすると、普通に買うより少し安くなります。

 イオンの担当者によりますと、水分の多いきゅうりは冷凍の難易度が高く、詳しくは言えないそうですが、「加熱処理→急速冷凍」の技術開発に1年以上かかったとのこと。食感は酢の物のきゅうりに近いということです。酢の物だけでなくポテトサラダなどにも使えそうです。

 そのほか、イオンでは冷凍野菜を約100種類展開しています。以下は一例です。

 ▼揚げなす→味噌汁に
 ▼みじん切りキャベツ→餃子の餡に
 ▼カットレモン→焼酎のソーダ割りに
 ▼とろろ→お好み焼きに

「安いときに多く買って冷凍」トマトはおでんの具に

 また、「お値打ち野菜が多く買えたら自宅で冷凍する」方法もあると関さんは教えてくれました。冷凍ならではの調理方法としては…

 ▼トマト:ヘタをくり抜いて丸ごと冷凍
 ・凍ったままおでんに投入。炊き上がる直前に入れると煮崩れしない
 ・すりおろして蜂蜜をかけると「天然シャーベット」に

 ▼玉ねぎ:時短あめ色玉ねぎ
 ・生だと弱火で40~50分が、冷凍させてからだと10分程度で完成

 野菜の高騰を乗り切る方法として、「冷凍」もうまく使ってみてはいかがでしょうか。

2025年02月17日(月)現在の情報です

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